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琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A ウコール(御香炉)とグフンシ(御風水)

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A ウコール(御香炉)とグフンシ(御風水)

週刊かふう2026年5月8日号に掲載された内容です。

 

Q:家の建て替えにあたり、仏壇に2つあるウコールを1つにできないか、両親に聞いてみたところ、1つは遠い先祖のもので、1つは近い先祖のもの。誰からが遠い先祖で、誰からが近いのか、いつ2つになったのかも分からないそうです。これは1つにしてはいけませんか? また、グフンシ(家の守り神、小さな石づくりの祠)が家の北側にあり、これも撤去したいのですが、撤去してはいけないものですか? 家族の中に反対者はいないので、やってよいなら自分たちでウートートーやウサキムンをしてやってもよいのかなどが知りたいです。(chi kiさん)

A:chi kiさん、お家の建て替え、誠におめでとうございます。ご質問が『ウヤファーフジヌウコール(ご先祖さまの御香炉)』と『ニーヌファヌグフンシ(北側の御風水)』についてですので、2つに分けてご回答させていただきたいと思います。

カラウコールとホンウコール

 chi kiさん家のお仏壇にウコールが2つあるのは、『ウヤファーフジヌウトゥーシ(ご供養)』や『チネーヌサカイ(家庭繁栄)』を願った先人のジンブン(教養)ではないかと想像ができます。

 家の建て替えを迎えるグスージ(お祝い)にあっては、そのような意味合いも含め、知らず知らずにこのターチウコール(2つのウコール)のお世話になっているのかもしれません。
ここでポイントになるのが、沖縄のしきたりでいう、3親等やウフタンメー・ウフウンメー(曾祖父・曾祖母)を基準とする遠いまたは近いウヤファーフジの線引きも然ることながら、それと同じく、この2つのウコールは、トートーメーがない『カラウコール(空・仮の御香炉)』なのか? トートーメーがある『ホンウコール(本・実の御香炉)』という位牌併具(位牌とウコールがワンセット)なのか? という点です。

 当時、専門家の先生が担当されたウコールであれば、沖縄のしきたりの上座・下座を踏まえているはずですので、上座であるグソーヌヒジャイ(正面右側)のウコールを遠いウヤファーフジ=ムートゥヤーシジ(本家筋)のウコール、グソーヌニジリ(正面左側)のウコールを近いウヤファーフジ=ナカムートゥヤーシジ(中本家筋)のウコールと見立てているのではないかと思います。

 ご質問にある、ウコール2つを1つにできるか? できないか? の判断は、遠くても近くてもウヤファーフジであることは一緒だと考えれば……できる。いやいや、ウヤファーフジであっても遠い(上座)・近い(下座)は大切だと考えれば……できない。ということになります。chi kiさん家の総意としては、1つにまとめたい方向のようですので、ウヤファーフジ全般を大切に敬うとの考えから、今回、1つにまとめられたらいかがでしょうか?

グフンシは撤去? 移設?

 chi kiさん家は、実に立派なグフンシをウンチケー(ご安置)されているようですね。先人がチネーヌサカイなどを越え、ムンチュー(門中)や地域レベルの繁栄を願われてウンチケーされたのではないかと深く感銘を受けるところです。
 しかも、北側にあるとなれば、ニーヌファ(子の方角〈北側の敬称〉)を畏敬するスイジュン(首里様式)の専門的な沖縄のしきたりですので、撤去はご自分達では行わず、ご寺院のご住職さまなど、豊富な知識をお持ちである、専門家の先生方にご依頼されることが賢明かと思われます。

 また、chi kiさん家の総意としては、撤去が前提のようですが、グフンシとは、ヒヌカン同様、chi kiさん家の風水全般の象徴であり、多くの方がグフンシをウンチケーできないがため、ヤシチヌウグヮン(屋敷御願)・シバサシ(柴差し)・ウグヮンブトゥチ(御願解き)などのとき、ビンシー(瓶水)という木箱の中に、小皿などの盛り塩・盛り米などをご準備されるくらいです。

 そのような意味合いからしても、chi kiさん家はとても素晴らしい沖縄のしきたりの環境下にあるといえるでしょう。建て替えについて、まだ設計の前後であれば、可能な限りニーヌファやそこに近い方位(建物や駐車場に干渉しない場所)へグフンシを移設されることも、選択肢として再考の余地を残していただければと思います。

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A ウコール(御香炉)とグフンシ(御風水)

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