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僕の好きな風景 第88回 暮らしの中に美を

僕の好きな風景 第88回 暮らしの中に美を

テレビの取材用にイベントの主催者・登壇者で記念撮影

週刊かふう2024年10 月4日号に掲載された内容です。

 

先日、台湾にて6年ぶりに講演会と展示会を行わせていただきました。
20年以上も前に開発に関わったシラス(火山粒)を原料とした左官壁の会社と地元の亞太空間設計装飾協会の主催です。

初日は台湾の華道家の凌宗湧さん、翌日は造園家の呉書原さんと共に講演を務めさせていただきました。
お二方は台湾のみならず、海外でも活躍されているその分野の第一人者です。


初日は台南の奇美博物館、翌日の台北は台北101という素晴らしい会場を用意していただき、どちらもテレビ取材が入るという大きなイベントとなりました。

会場のセッティングも建築の講演会とは思えないほどの演出で、お国柄を感じさせる、明るく、楽しさ満載の構成となっていました。僕は『心地よさのものさし』と題して、日本の住宅界で取り組まれている性能と意匠(デザイン・情緒)の両立について話をさせていただきました。

暖かな台湾では建築の性能の話は、今ひとつ、ピンと来ないのではないか? と危惧していたのですが、これからの台湾の課題でもあると捉えていただいたようです。

華道家の凌さんも造園家の呉さんも共通に語っていたのは、「暮らしの中に美を」ということ……自分たちが試行錯誤しながらたどり着いた「美」「感性」をエネルギッシュに、そして、うれしそうに自信を持って伝える様に久しぶりに感動を覚えました。

設計者、デザイナー、アーティストの原動力はそれぞれの「美学」なのだ……ということをひしひしと感じました。
日本人だと気恥ずかしくて臆面もなく語るメンタリティはないのですが、台湾の方々の天真爛漫な人柄が嫌みなく伝わってきました。


今回もたくさんの元気と幸福感をいただき、大事に生かしていきたいと思います。

僕の好きな風景 第88回 暮らしの中に美を

                台南と台北のチラシ。「暮らしの中に自然素材と美を」がテーマとなった

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