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僕の好きな風景 第99回 新しい住宅設計本

僕の好きな風景 第99回 新しい住宅設計本

新・伊礼智の住宅設計の表紙。発行:エクスナレッジ 5,500円(税込)

週刊かふう2025年9月5日号に掲載された内容です。

 

 今回は新しい本のご紹介です。
「新・伊礼智の住宅設計」(エクスナレッジ)が9月3日から発売となります。

 約25年前、東京の郊外で自然エネルギーを利用した高性能の分譲住宅の計画の際に「設計の標準」による設計ルールに取り組みました。

 その時の設計手法をまとめた本が2012年に「伊礼智の住宅設計 標準化から生まれる豊かな住まい」として発売され、500ページ近い大型本でありながら、ベストセラーを記録し多くの方に手に取っていただけました。

 今回の本はその後の展開をまとめた内容となります。
設計の標準化が深化し、多様化して自由度を増し、より住宅の質(性能とデザイン)を高めていった経過と事例を見ていただけます。

 特に「甲府の家2」(2018年竣工)の主要実施図面150枚と詳細写真を収録、さらにQRコードからその家のデジタル画像AR(現実拡張)に飛ぶことができます。
スマートフォンから「甲府の家2」の外観、内観を自由に眺めることができるのです。

 設計の標準化と聞くと工業化住宅のように思われる方も多いのかも知れません。デザインのルールを素材の選択や詳細図のレベルでまとめたものであり、住宅のプロポーション・美しさのルールを明確にした伊礼智設計室の最新の図面集となります。

 掲載している実施図面は現場に提出した図面そのもの……本にまとめるからと言って新たに図面を書き起こすことや書き直すことも一切やっていません。
正真正銘の仕事図面です。

 これからはデジタルで建築を構想し、AIを駆使して設計をまとめる時代となっていくと思いますが、実際に建築を造るのは職人たち……職人にミリ単位で設計を伝えるのは、やっぱり書き込まれた詳細図であることに違いありません。
 きちんとした図面こそが職人との具体的なコミュニケーションツールだと思っています。

 職人たちの手で具現化された伊礼智設計室の住宅設計を写真と共にご覧いただきたいと願います。

僕の好きな風景 第99回 新しい住宅設計本

見やすい詳細図と豊富な写真で設計の理解も進む

僕の好きな風景 第99回 新しい住宅設計本

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