僕の好きな風景 第112回 オープンデスク生の気づき

学生の描いた伊礼智設計室の実測スケッチ。動線計画に着目、動線の性格づけも行なっている
週刊かふう2026年10月2日発行号に掲載された内容です。
毎年、夏休みになると、オープンデスク(インターンシップ)の学生がやってきます。
伊礼智設計室では仕事の一部を手伝ってもらいながら設計事務所の日常を感じてもらえるように、お客さん扱いをしないように心がけています。
仕事を手伝ってもらうとは言え、学生ですからやれることは限られていて、大抵、現在進行形の住宅の模型づくり。何日もかけて模型づくりに専念し、実際に建てられる住宅のリアルに触れていただきます。
模型作りがひと段落して、時間が余っている時に課す課題が事務所の実測。これからは新築よりもリノベーション(以下、リノベ)の仕事がメインとなってくる時代になるのかも知れません、その時に既存建築の実測が設計の基本となるからです。
延床面積14.4坪ほどの小さな事務所ではありますが、全体のアウトラインを大掴みにする実測を行う訓練です。
実測をしながらも、興味を持ったところだけ深掘りして、それをテーマに1枚の用紙にまとめて提出していただきます。
伊礼智設計室は約65年前の(2026年現在)古い木造賃貸平屋を、20年前にリノベさせていただいて住宅のような空間で仕事をしています。
少ない予算で作り上げることにくわえて、無駄のないプランニングを心がけたものでした。
今回の学生(沖縄出身の女子学生)はあちこち自由に動き廻れる動線に着目、動線の性格の違いも整理してまとめてくれました。
僕が心がけた「無駄のないプランニング」は動線を吟味し、ストレスなく動ける設計……そこに着目した学生の「気づき」に感心したものです。
その建築の「良きもの」を見つけ出し活かしていくことがリノベの第1歩となると伝えることができたように思います。

楕円テーブルのある部屋から打ち合わせコーナーを望む


