あなたの夢を暮らしを応援する
住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

ウェブマガジン

僕の好きな風景 第35回 タタミリビングのススメ

僕の好きな風景 第35回 タタミリビングのススメ

タタミリビングのススメ

 最近、本格的な和室の要望が少なくなりました。そしてタタミ間がどんどん小さくなり、昼寝できればよいとか、2人くらい泊まることができればよいとか、予備的なスペースとなってきました。それだけ、現代の暮らしとは遠い物になってきたのか? と残念に思います。しかし、沖縄はトートーメーがあるのでまだまだ和室の要望は健在でしょうか?
 今や、多くの住まいが「リビングにソファが当たり前となっていますが、大抵、テレビを囲んでビールでも飲みながらくつろいでいるうちに、いつの間にか床に座り込んでしまう。タタミが無くなっても床座の暮らしは身体に染み付いてしまっていることが、多くの日本人の暮らしぶりではないでしょうか。
 とは言え、年を取ってくると脚が痛くて床座がつらいのはどうしようもない事実。そこで、その両立を図ろうとして10年前に提案したのが「タタミリビング」という空間。
 床は一面タタミ、座卓もあり、造り付けの家具もあり、何と言っても低めのソファが開口部近傍に造り付けられているのです。窓の敷居もベンチ代わりとなり、ソファは昼寝もできるデイベッドの役割もあります。和と洋が違和感なく共存しています。タタミは家具でもあり床材でもある……。大昔は引っ越しの際、家具のようにタタミを担いで行ったようですから、しつらえのひとつのように和にも洋にもなじむのでしょう。タタミリビングという考えはタタミの復活でもあり、ソファのあり方の再考でもあり、もしかしたら新しいリビングの可能性を秘めているのかもしれません。

僕の好きな風景 第35回 タタミリビングのススメ

このカテゴリの記事