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都市を持て。田舎へ出よう。 第十歩

都市を持て。田舎へ出よう。 第十歩

週刊かふう2020年1月24日号に掲載された内容です。

第十歩「村の観光協会」

 私が初代会長と共に今帰仁村観光協会を立ち上げたのは2012年。それから8年がたった。紆余(うよ)曲折あって、昨年11月から私は北中城村観光協会の事務局長を仰せつかることになった。先月の本連載から紙面左下の私のプロフィールも変わっていたので目ざとい方は気づかれていたかもしれない。
 ある観光協会の事務局長経験者が別の観光協会の事務局長になるケースは沖縄県では恐らく初の事例だろうし、国内でも珍しいケースだが、私としてはこういった事例はもっと増えてほしいと思っている。観光協会の事務局長は地域プロモーションや地域おこし、地域マネジメントを担う組織運営のプロだと言える。ある地域で実績を出した人材なら、あるチームを優勝させた監督が別のチームを優勝させるがごとく、別の地域に移ったとしても実績をあげる可能性が高い。組織運営とマネジメントは基本、共通しているからだ。
 私も今帰仁村から北中城村の観光協会となったが、やる事はほとんど変わりない。チームの人間関係を円滑に回し、業務の流れをよくし、地域づくりに取り組んでいく。もちろん、違いもある。今帰仁村では「ぬーんねんしが今帰仁村(何にもないけど今帰仁村)」という「何もない事」をアピールしたキャッチコピーを考えたが、北中城村はむしろ逆。「なんやてぃんあんや北中城村(何でもあるね北中城村)」とでも言おうか。

 イオンモール沖縄ライカムという、年間約1300万人も来場する大型ショッピングモール。中部徳洲会病院という大型病院。高速道路のインターチェンジもあるし、世界遺産・中城城跡も、国定重要文化財の中村家住宅もある。女性長寿日本一というアピールポイントもある。ライカム周辺が賑わうのに伴い、全国的に人口減少に悩む自治体が多い中、北中城村は人口も増加している。
 非常に恵まれた村だと言えるが、今ひとつ「観光」については着目されていない感じもある。観光客が「沖縄のどこに行こうか」と考えた時に、北中城村はいったい何番目に思い浮かぶだろうか。その意味では、古宇利島を有する今帰仁村の方が圧倒的に強いだろう。なので、私の腕の見せどころが出てくるという話だ。
 北中城村の観光に高付加価値を与えるには「都会的な部分」では難しい。「他の地域にもあるもの」を特別見たいとか、買いたいとか体験したいとは思わないからだ。都会的な部分は模倣しやすく、すぐにライバルも誕生する。オリジナル性の高い「田舎的な部分」こそ、人は観光地で見たり買ったり体験したいと考える。
 村の観光協会は地域が違えど「量産され価値は下がっていく都会」よりも「減少し価値が上がっていく田舎」に着目する。それは日本全国変わらない戦略なのだ。

 という訳で、これからは田舎の時代となるのだ。やはり。

都市を持て。田舎へ出よう。 第十歩

左)イオンモール沖縄ライカムに北中城村観光協会はある  右)北中城村観光協会の入り口。お洒落なロゴが目印!

都市を持て。田舎へ出よう。 第十歩

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