DIY STYLE with カインズ ♯9
週刊かふう2020年1月24日号に掲載された内容です。
作品ナンバー#9 ぼく専用のキッズチェア
W280×D260×H500㎜ 制作:阿嘉 あきね 指導:太田 栄二郎
ミニチュアをつくる!
カインズ工房でDIYを楽しくマスターする本企画! 今回は子供用の家具を製作します。
子どもが大きくなってくると、お絵かきしたり、読書したりと椅子は必需品になってきます。とは言っても、大人用の椅子だと子どもには大きすぎますね。上に登るのがやっとだったり、座面も深すぎるので、椅子というよりも公園にある遊具といった感じです。なので、子どものために専用の椅子を作ってあげましょう。ぴったりサイズの自分専用の椅子は、子どもにとっては自慢でお気に入りの宝物。子どもが使わない時は部屋のインテリアとしても映えそうですから、是非DIYしてみてください。あるだけで気持ちをほっこりさせてくれそうです。
自分風にアレンジして楽しもう
椅子といえば、本格的な家具といった印象ですが、子ども用ですからさほど難しくはありません。子ども用なので耐荷重はさほど必要としませんから、相欠き(あいかき)やほぞ組といった継手(つぎて)の加工はせず、木ダボとビスだけで組んでみました。使用した杉材は、加工がしやすいので初心者には打ってつけの材料。特に材料の指定はありませんから端材などを使うのもおすすめです。
仕上げ塗装は、オイルステインで落ちついた雰囲気にしましたが、好きな色でカラフルに塗装したり、座面や背もたれをファブリックでカバーリングしたりと、ひと手間をかけるだけで自分らしいDIYがアレンジできます。今回はホームセンターで揃う材料でパーツを加工し制作しましたが、カインズでは工具が無くても作れるキットも準備されているのでDIYの手始めにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
Material(材料)
① 脚(長):杉角………(500㎜×36×36)2本
② 脚(短):杉角………(280㎜×36×36)2本
③ 背板:杉板材………(280㎜×75×15)2枚
④ 座面:杉板材………(280㎜×75×15)3枚
⑤ 桟:杉板材…………(180㎜×35×15)6枚
Tool(工具)
ドリルドライバー、プラスチックハンマー、サンダー、金槌、鉋(かんな)、のこぎり、
クランプ、さしがね、ビス10本、木工用ボンド、マスキングテープ、木ダボ(6×40㎜)20本
Point(今回、取得する木工スキル)
木ダボをマスターする
DIYを楽しむのに覚えておきたいのが木ダボを使った作業です。木ダボはビスや釘などを使わずに木材を接合させる道具ですが、主な用途としては次の三つがあげられます。
1.木材の幅を確保する
繋げられる面に穴をあけて抜けにくい木ダボを打ち込むことで二つの木材の面をくっつける使い方です。天板の幅をかせぐ方法としてもよく用いられています。
2.ビスや釘の目隠しとして
ダボ穴にビスや釘を打ち込み、その穴を木ダボで埋めビスを隠す方法です。表面に出た分を平にカットしネジを見えないようにすることで、見た目がすべて木材に。美観を重視した使い方です。
3.板の受けとして
板の水平方向と垂直方向を接合させる方法で、棚板の受けとしてもよく使われます。市販の組み立て式の家具などでもよく見ますが、今回の作品ではこの使い方を利用しました。
【作業のポイント】
難しいのはダボ穴(ダボを打ち込む穴)のあけ方です。穴が中央に真っすぐでないと板同士がきれいにつながらなかったり、穴が大きすぎると抜け落ちることもあるので次の3点に注意しましょう。
①ビットの径はダボよりも0.5㎜小さいもの
②深さは木材の厚みの1/3が目安
③真っすぐに打つのは難しいので、ボール盤やドリルガイドなどの専用工具を使用する
TODAY’S WORK 所要時間:約2時間 (塗装別)
01/寸法を測る
脚は杉の角材、脚と組む桟(さん)と背板・座面は杉板材から、どちらも規格(幅・厚)の部材なのでホームセンターで揃います。長尺なものから使う長さを計算してパーツを取ると材料費も抑えられます。
02/材料の切り出し
部材をクランプで固定しのこぎりで切り出します。のこぎりのコツは真っすぐに引くこと、親指の爪を添えて切り始めの位置を決め、刃先が安定してきたら全体を使って挽いていきます。リキむと刃先が曲がったり詰まったりしがちですが、リラックスするとスムーズに切れます。
03/面取り
面取りとは木材の角を丸くする加工です。トリマーという電動工具もありますが、今回はオーソドックスに鉋(かんな)を使いました。鉋での面取りのコツは、片手で斜めに持ち木材の角に当てて引くだけ。割と簡単ですが削り過ぎに注意し最後にサンダーで仕上げます。
04/ダボの穴あけ
ダボをさす穴を開けていきます。正確に寸法を測り深さは25㎜、ビットはダボよりも0.5㎜小さい径のものを使用します。ドリルを垂直に入れるのは難しいので、ボール盤を使用しましたが、無ければドリルガイドを代用するとよいでしょう。
05/ダボ(脚)を組む
始めに脚と桟を組みます。ダボ穴に木工ボンドを差し、プラスチックハンマーを使ってダボを打ち込みます。ダボの位置がずれていたり真っすぐでないと、部材がきれいにつながらなかったりします。無理に押し込むと折れる場合もあるので注意が必要です。最後に部材が隙間なくつながっているか確認しましょう。
06/座面と背板を張る
座面と背板の取り付け位置を確認し、ビスを打って留めます。座面、背板と交互に張り付け、全体のバランスやねじりが出ないかを確認しながら5枚張って完成です。
完成
塗装はお好みですが、子どものリクエストを聞いたりして一緒に作業するとより愛着感が生まれます。オリジナル感を出したいならステンシルで文字やイラストを入れるのもよいですね。好きなファブリックを使ってカバーリングするのもおすすめ。