ヤギ子の菜園計画 第6回
週刊かふう2020年9月11日号に掲載された内容です。
第6回 エンサイを作る
はいたーい、ヤギ子です。今年の夏は暑いですね! こんなに暑いと夏バテや熱中症にも注意が必要です。家庭菜園でも侮ってはいけません! できれば朝夕の涼しい時間帯の作業をおすすめします。
今回はエンサイです。方言で「ウンチェー」。「空芯菜」の名でも知られる中国野菜です。
このエンサイは暑い夏でもよく育ち、青菜が少ない沖縄の夏にはピッタリの野菜。逆に低温には弱いので、ぜひこの暑い時期に楽しんでください。
エンサイの育て方
エンサイの魅力はなんと言っても栽培期間の長さと成長の速さです。一度植えると6カ月以上も収穫が可能。苗を植え付けて20日後には収穫を迎えるので、野菜が高騰する時期には家計を助ける優秀な野菜です。
エンサイは害虫による食害よりも生育のスピードが勝るので、それほど気にはなりません。また、白サビ病という病気も発生しますが、その場合は地表ギリギリで刈り取り処分すると、また元気な茎葉が生えてきます。
新たに栽培を始めるたびに完熟堆肥を使う。今回利用しているのは牛ふん堆肥。また、有機肥料を使いたい場合は発酵油かすでも栽培は可能。その場合は1坪あたり3kg施肥する
●畑の準備
エンサイは肥料が大好きなので、苗の定植2週間前までに一坪あたり堆肥を15kg、化成肥料(チッソ8:リン酸8:カリ8)を400g畑全面に施します。
株間は15㎝程度、条間は30㎝程度で苗を植え付ける。種まきから始める場合は1株あたり3~4粒程度まく
●苗の定植
苗は、作業②のように植え付けます。
種から育てたい場合は直まきも可能です。種は乾燥に弱いので、4~5時間ほど水につけてから種をまきましょう。
エンサイはお水も大好きで乾燥が苦手です。土の表面が乾かないように敷き藁などでマルチング(覆うこと)をしておきます。
エンサイの栽培に適した気温は25~32℃と高めですが、苗を植え付ける時間帯は夕方がおすすめです。午前中など気温が高くなる時間帯に植えてしまうと萎れてしまいます。
追肥は収穫の度に溝を掘って追肥します。液肥を使う場合は週に1回潅水代わりに500倍に薄めて水やりしてください。
●収穫
最初の収穫は草丈が30㎝になった頃に株元から5㎝位を残して摘み取ります。その後次々と脇芽が出てきます。この時に下茎部分を長く残すと再生力が弱まってしまうのでご注意ください。
エンサイの栄養と美味しい食べ方
エンサイは収穫すると早くに萎れてしまうので、通常は炒めものなどで食することが多いのですが、収穫してすぐに食べることができる家庭菜園ではサラダなど生食も可能です。
エンサイはカルシウム、ビタミンA・B・C・E、βカロテン、葉酸、鉄分、食物繊維、カリウムなどが含まれ栄養価が高い野菜です。特にこの季節は、汗と一緒に流れ出てしまう成分を補うことができます。エグミの素となる成分(シュウ酸)が含まれていないのでアク抜きは不要です。