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押さえておきたい不動産相続のイロハ File.1

押さえておきたい不動産相続のイロハ File.1

週刊かふう2018年5月18日号に掲載された内容です。

「相続コンサルティング」のすすめ

年間に50兆円規模で遺産が受け継がれる昨今は、まさに「大相続時代」とも言えるでしょう。それでも「誰に相談していいのかが分からない」という声をよく耳にします。取り越し苦労かもしれませんが「相続」が「争族」にならないよう、身近に相談できる場所を見つけ相続のトラブルを未然に防ぐ必要があります。

押さえておきたい不動産相続のイロハ File.1

相続に対する啓蒙活動の実践

 前述のとおり、現在、日本国内では年間に50兆円規模で遺産が受け継がれているといわれ、県内でも平成28年度の相続税の課税価格は969億円と前年の平成27年度よりも3%増(37億円)と大きなものになっています。それに伴い相続に関する相談やトラブルが増加しているのも事実です。
 相続する家計にとって遺産は大きな贈り物ですが、ちょっとしたボタンの掛け違いから大きなトラブルに発展することもあり、よく言いうところの「遺産争族」になりかねません。実際に家庭裁判所での相続に関連した相談も約18万件と10年前の2倍に増えているといことですから、他人ごとではありません。
 また「相続=お金持ち」といった誤った認識が、問題を複雑にしているともいわれます。実際に紛争件数の70%以上が相続税とは関係ない5000万円以下の遺産分割とされていますから、遺産の大小ではなく相続に対する知識不足や勝手な思い込みがトラブルの要因にあるようです。100人いれば100通りの相続があると言われるように、「相続」が「争族」にならないためにも、きちんとした相続に対しての準備と適切な助言が必要になってきます。
 この様なニーズから、不動産の相続案件に対し知識と実績のある不動産会社では、相続への取り組みに対する啓蒙活動を行っています。相続に関する基本的な知識を身につけ、コンサルティングできる資格(団体・協会によって名称や資格の範囲は異なります)を有した方も多くおり、ヒアリングなどを通し各々の相続の悩みを把握し、場合によっては専門家(弁護士、税理士などの有資格者)の力を仰ぎ、相談者が安心して相続を迎えられるような橋渡しを行っています。

不動産業界においての「相続コンサルティング」

 平成28年度の県内相続財産の構成比でも不動産の相続金額が63%と高い比率を占めるように、相続が発生した際には必ずといってよいほど不動産の問題が発生します。
 そのことからも不動産の知識は重要になります。税制改正による小規模宅地の特例の適用範囲の厳格化など、不動産を扱っている方であれば知っておかなければならない情報や知識が相続にとっても大きな手助けになります。税制改正などの情報を周知していることで不利益を回避することができれば、相談者の大きな利益になりますから、不動産業界では常に新しい情報や解決事例などを学びニーズに応える努力をしているのです。
 今後、相続税法の改正などから相続に関する不安は高まる一方です。身近な相続の相談者として不動産会社などの「相続コンサルティング」の活用をおススメいたします。

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