空中散歩「天空から眺める美ら島風景」 第46回
週刊かふう2020年6月12日号に掲載された内容です。
第46回 日本最大のマングローブ林を蛇行する「仲間川」
今回紹介する写真は仲間川です。西表島の東部を流れる川で、全長約17 km、川の流域一帯には広大なマングローブ林が群生しており、日本最大の面積を誇ります。
一帯は西表石垣国立公園に含まれるほか、仲間川天然保護区域として国の天然記念物にも指定。マングローブの構成種や希少な動植物が生息し、その学術的価値が高く評価されています。
仲間川は、満潮時と干潮時の景色が一変します。今回は、満潮時の時間帯を狙って上空からの撮影取材をすることにしました。
この日は、午後1時頃が八重山地方の満潮時間。石垣空港でフライト時間を調整しながら待機します。
パイロットが管制タワーにフライトを申請。撮影スタッフはセスナ機内で待機していると、管制官よりフライト許可が機内に流れました。セスナは滑走路に進み、エンジンの回転を上げると、離陸。
石垣島の西南西に浮かぶ西表島に機首を向けて飛行します。高度は700フィート。
機内から眺める眼下には、竹富島や小浜島、黒島など八重山の美しい島々が浮かんでいます。
15分程でセスナ機は西表島の上空に到達。仲間川の河口域にある大原港が見えてきました。
私は撮影の準備をしながらパイロットに川沿いの上空を飛行するように指示を出します。眼下を眺めながら撮影のアングルを探していると、仲間川が蛇行している中流域に数隻の観光遊覧船が航行している光景が目に飛び込んできました。
観光船の真っ白な航跡。仲間川と中流域に群生するマングローブ林の構図が素晴らしく、美しい景色です。撮影高度を1700フィートまで上昇し、仲間川の周辺を旋回。カメラのアングルを決め、シャッターを切り作品に。
仲間川の観光遊覧船は、大原港から運行していて、潮の干満によりコースが変わります。満潮時のコースでは、国の天然記念物に指定されている日本最大のサキシマスオウノキを見学できます(現在、新型コロナ感染拡大防止のため、観光船は運休している場合があります)。