不動産売買のタイミング~宜野湾市(住宅地)の不動産売買のタイミング~File.8
県内各地域の不動産売買のタイミングについてお話しします。今回は宜野湾市の住宅地についてです。
週刊かふう2022年11月4日号に掲載された内容です。
宜野湾市の底値は⁉
新型コロナ感染症の人数は、かなり減少しましたね。先日、昼食に沖縄そばを食べに行くと、観光客でいっぱいで、1時間くらい並んでようやく食べることができました。1時間も並んで沖縄そばを食べたのは生まれて初めてです。沖縄は観光立県ですので、観光業の回復は沖縄経済を回復させるだろうなと思いながら、おいしい沖縄そばをいただきました。
今回は宜野湾市についてですが、本紙面では住宅地に絞り、商業地の売買タイミングについてはまた別の機会にお話したいと思います。
今年9月に沖縄県から発表された地価調査を見ると、宜野湾市の住宅地はすべての地点で上昇しており、下落している地点はありませんでした。特に宜野湾(県)-6が嘉数2丁目の基準地ですが、㎡あたり11万3000円で5.6%の上昇でした。そのほかの地点でも愛知2丁目(宜野湾(県)-2)が㎡あたり11万6000円で4.5%の上昇に転じた地点がある一方で、上昇したとは言え、宜野湾(県)-8の野嵩1丁目のように0.8%しか上昇しない地点もありました。
平成10年以降の地価動向を見てみると、宜野湾市の住宅地地価は平成24年まで下落し続けたのち、平成25年に上昇に転じておりその後も下落することなく現在に至っています。ただ、宜野湾市の住宅地の変動率は平成20年が0.7%減、21年の下落率は0.4減、さらに22年の下落率は0.6%減と非常にわずかな下落となっています。上昇に転じる前の平成24年のマイナス幅は0.2%でした。
つまり、宜野湾市の住宅地は平成20年以降平成24年までは、あまり地価変動がなかったと言えます。従って、底値だった時期は平成20年から平成24年くらいまでの期間となり、那覇市や浦添市などに比べると底値の状況は比較的長かったと言えるでしょう。
この時期に宜野湾市の住宅地を購入された人は、安いときに買えたということになります。逆に平成20年から平成24年に住宅を売った人は、安いタイミングで売ってしまった可能性があります。
買い時・売り時のタイミング
これから住宅を購入しようとしている人はどうでしょうか? 平成25年以降の価格は、上昇トレンドであることがわかりますが、平成25年からの3年間は上昇といってもわずかでした。
宜野湾市の住宅地が大きく上昇し始めたのは平成28年頃からです。特に宇地泊地区や大謝名地区などの土地区画整理事業地は人気で、野嵩なども利便性の高さや環境の良さから人気が高まり、非常に高い取引が見られるようになりました。その後も新型コロナ感染症の流行前の令和元年の地価調査では住宅地は14.4%も上昇しています。
新型コロナ感染症の影響により、地価上昇幅は確実に減少したものの、地価は上昇トレンドにあることは間違いありません。このような状況ですから、宜野湾市内でどうしてもほしいと思える物件があったならば、購入したほうがよさそうです。ただ、宜野湾市の住宅もかなり高く、土地区画整理事業地の土地は特に人気が高いですから、相当の資金を用意する必要がありますね。
前回でもお話したように、不動産の所有リスクは高まっていると思いますので、自然災害リスク、所得減少リスク、相続リスク、建物の修繕リスクなど多岐にわたる検討が必要となってくると思います。
売る場合については、地価は上昇トレンドですから、急いで売却する必要がない場合はもう少し待ってもいいかもしれません。
那覇市や浦添市と同様に気を付けてほしいのは、「売りたい」と思う物件の立地です。宜野湾市においても、やはり立地条件というのは重要な要素になってきます。