不動産売買のタイミング~沖縄市(住宅地)の不動産売買のタイミング~File.9
県内各地域の不動産売買のタイミングについてお話しします。今回は沖縄市の住宅地についてです。
週刊かふう2022年12月2日号に掲載された内容です。
沖縄市の底値は⁉
今年9月に沖縄県から発表された地価調査を見ると、沖縄市の住宅地はすべての地点で上昇しており、下落している地点はありませんでした。
沖縄市の住宅地における平均変動率は3・0%の上昇で、昨年の2・4%と比べても上昇は拡大しています。地価の上昇率という点では新型コロナ感染症の影響から抜け出しつつあると思います。
特に沖縄(県)-8の松本4丁目の上昇率が大きく、㎡あたり7万1000円で4・6%の上昇でした。そのほか、沖縄(県)-3の比屋根6丁目が6万8700円/㎡で4・5%、沖縄(県)-4の南桃原3丁目が12万5000円/㎡で4・2%と大きく上昇した地点がある一方で、沖縄(県)-1の池原1丁目のように横ばいの地点もありました。
平成10年以降の地価動向を見てみると、沖縄市の住宅地地価は平成25年まで下落し続け、平成26年は横ばい、平成27年に上昇に転じており、その後は下落することなく現在に至っています。
沖縄市の住宅地は、上昇に転じたとはいえ上昇幅が小さかった宜野湾市の住宅地とは異なり、上昇に転じた後は上昇率が大きかった地域です。平成28年は4・3%、平成29年は4・7%、令和元年にいたっては9・4%の上昇となっています。この結果から、沖縄市の住宅地は平成26年前後が底値に近い状況であったと判断できます。また、この時期に沖縄市の住宅地を購入された方は安いときに買えたことになります。一方で、この頃に売却した方は、安いときに売ってしまった可能性があります。
売買の見極めが必要
これから住宅を購入しようとしている人はどうでしょうか? 平成25年以降の価格は、上昇トレンドということになります。沖縄市は他の市町村に比べて、地価上昇率の回復が早い地域ではありましたが、現在の上昇率は他の地域と比較して特に大きいわけではありません。しかし、上昇トレンドですから、ほしい物件がある場合は早めに手を打ったほうがよさそうです。
ただちょっと待って! これは沖縄市の住宅に限ったことではありませんが、一部の売り物件について今までの地価上昇トレンドに基づいて価格を設定したものの、相対的にその価格が高くなりすぎてしまい、価格調整をする場面が出てきています。
気に入った物件があったら購入するタイミングではありますが、価格が高すぎて買いたいと思う人が減っているかもしれません。すなわち、高値で買ってしまう可能性がありますので、自分がほしい物件が妥当な価格なのか、他の市町村を含め、今まで以上により多くの物件を比較検討してみる必要があります。
売る場合については、地価は上昇トレンドですから、急いで売却する必要がないのならば、もう少し待ってもいいかもしれません。ただ、高すぎる価格設定は今までみたいに売れるとは限らない状況が出てきたことには注意が必要です。
次回は、北谷町における不動産売買のタイミングのお話です。