不動産売買のタイミング~南風原町(住宅地)の不動産売買のタイミング~File.13
県内各地の不動産売買のタイミングについてお話します。今回は、土地区画整理事業や交通アクセスの整備で人気の高まる南風原町の売買のタイミングについて解説します。週刊かふう2023年4月7日号に掲載された内容です。
町内全域で高い住宅地需要
昨年9月に沖縄県から発表された地価調査を見ると、南風原町の住宅地で下落している地点はありませんでした。最も上昇したところは南風原(県)-2の宮平で、3・8%の上昇で9万2400円/㎡と昨年より3400円もアップしています。南風原町の住宅地における平均変動率は3・1%の上昇。一昨年も2・6%の上昇でしたから、地価は着実に上昇しています。
特に土地区画整理事業が行われた津嘉山地区は人気が高く、取引価格も高い水準です。那覇市や近隣へのアクセスが良好なことも人気の理由で、中でも南風原バイパスの開通で利便性が高まる新川地区の需要は底堅いものがあります。
高すぎる地価に注意
平成10年以降の地価動向を見てみると、住宅地地価は平成25年まで下落し続け、平成26年は0.・4%の上昇、平成27年は1・2%の上昇となっています。その後は下落することなく、現在に至っています。
このことから、平成25年くらいが底値だったと考えられ、このときに買った人は安いときに買えたことになります。逆にこの時期に売却した方は安いときに売ってしまったかもしれません。
南風原町の住宅地のもう一つのポイントは、比較的コンスタントに上昇してきたことです。しかも、コロナ禍においても地価は着実に上昇しています。
令和2年は4・6%の上昇、令和3年は2・6%、令和4年も3・1%の上昇率となっています。こちらは、津嘉山の土地区画整理事業地の効果が大きいですね。
沖縄県の住宅地は、土地区画整理事業地が非常に強いことを何度かお話していますが、やはり、ここでも土地区画整理事業地の人気が南風原町の地価を押し上げています。津嘉山を中心に県外企業の出店が相次いでおり、利便性や地域の熟成度が高まっていることも地価上昇の大きな要因でしょう。
では、これから住宅を購入する場合はどうでしょうか? 平成26年以降の価格は上昇トレンドですので、ほしい物件があるならば早めに手を打ったほうがよさそうです。
ただちょっと待って! これは他のエリアのときにも取り上げましたが、一部の売り物件について今までの地価上昇トレンドに基づいて価格を設定したものの、相対的に価格が高くなりすぎてしまい、価格調整をするケースが出てきています。
気に入った物件があったら購入するタイミングではありますが、価格が高すぎて買いたいと思う人が減っているかもしれません。すなわち、高値で買ってしまう可能性があるので、自分がほしい物件が妥当な価格なのか、他の市町村を含め、今まで以上に多くの物件を比較検討してみる必要があります。
売る場合については、地価は上昇トレンドですから、急いで売却する必要がないのならば、もう少し待ってもいいかもしれません。ただ、高すぎる価格設定の場合は今までのように売れるとは限らない状況が出てきたことに注意が必要です。
次回は、八重瀬町における不動産売買のタイミングのお話です。