不動産売買のタイミング File.18 与那原町の不動産売買のタイミング
県内各地の不動産売買のタイミングについてお話します。今回は、古くから南部と中部、那覇を結ぶ交通要衝として賑わってきた与那原町の売買のタイミングについてお話したいと思います。
週刊かふう2023年9月1日号に掲載された内容です。
住宅・商業地ともに顕著に上昇
今年3月に発表された地価公示において、与那原町の住宅地で下落している地点はありませんでした。しかも、与那原町は全体的に地価の上昇が大きく、北中城村、西原町などとともに上昇率は上位に位置されます。
一番上昇した地点は、板良敷の与那原-1で昨年は㎡あたり5万2100円でしたが、今年は5万4700円となり、その上昇率は5.0%で地価公示の住宅地123地点中23位の上昇率でした。同じく上与那原の与那原-2も昨年㎡あたり6万6100円から今年は6万9000円となり4.4%の上昇率。その他、東浜などでも地価の上昇は顕著です。
地価公示における与那原町の商業地は2地点しかありませんが、その地点は字与那原と東浜に設定されています。特に東浜の与那原5-2は、昨年は㎡あたり11万6000円でしたが、今年は6%上昇の12万3000円となりました。住宅地と同様高い上昇率となっています。
与那原町は、古来から東側にも西側にも行けるという地理的に有利な地域として栄えてきました。現在でも、沖縄市方面に向かうのに329号を利用しますが、那覇方面に行く場合も同じく329号が使えるという利便性を有しています。また、昨年の3月には国道329号の与那原バイパスが暫定開通し、那覇市までのアクセスが向上しましたから、地域の発展がますます期待できますね。
用途地域の曖昧さも大きく下落しなかった要因
さて、平成18年以降の地価動向(沖縄県地価調査)を見てみると、与那原町の住宅地地価は平成26年まで下落し続け、その翌年の平成27年以降は上昇を続けています。このことから底値は平成26年から27年くらいだったと考えられます。このときに買った人は安いときに買えたと言えそうです。逆にこの時期に売却した方は安いときに売ってしまったかもしれません。
令和2年ごろからコロナ禍の影響を受けましたが、隣接する西原町などと同様にプラスの地価上昇を維持しており、新型コロナ感染症の影響が大きかった令和3年こそ+0.4%の上昇と厳しい状況でしたが、それでも地価は上昇しました。ちなみに商業地もコロナ禍では横ばいで、大きな地価下落はなかった地域です。与那原町の商業地域は、住宅地として使われている地域もあり、商業地だからといって住宅として使えないということもありません。このあたりが与那原町の特色のひとつですね。
上昇ならではの宅地売買のポイント
では、今宅地を買おうとしている人はどうでしょうか?
平成27年以降の価格トレンドは上昇ですから、やはり周辺市町村と同じようにほしい物件があるならば早めに手を打ったほうがよさそうです。与那原町も他の周辺市町村と同じく、売り物件は少ない傾向にあります。分譲でも最近はやりの木造住宅が見られますが、以前と比べかなり高額な価格がついていたりしますから、買うときは他の市町村の物件と比較してほしいですね。
売る場合は逆で、急いで売却する必要がないのならば少し待ってもいいかもしれません。地価は上昇トレンドだからと言って、相場から離れた価格設定では売りにくいと思いますが、供給が少ない地域が多いので多少強気でも売れる可能性はあるかもしれません。
さて、次回は名護市およびその周辺地域の売買のタイミングのお話です。