教えてコンサル金城さん 不動産のギモン解決! 第17回 不動産コンサルティングの事例(土地活用の見直し編)
不動産コンサルティングの相談は、土地探しから土地・建物の活用法、相続にいたるまで内容はさまざまです。今回は、複数の不動産を所有する方の事例を通して、土地活用のポイントを解説します。
自己資金をつくる仕組みの必要性
不動産コンサルの相談で特に多いのが、①土地活用の方法を知りたい、②相続人が複数いる不動産の円滑な分け方、③共有名義の土地の相続、④借地の契約や値上げなどについてです。
今回は、第4回「資産の有効活用を考える」でも紹介した、複数の不動産を所有するKさんの事例で考えてみましょう。
知り合いの司法書士から「不動産の固定資産税の支払いで手一杯な方がいるので、相談に乗ってほしい」とKさんを紹介されたのがきっかけでした。
当時、Kさんの所有する不動産は、古い実家が建つ土地、区画整理中の使用できない土地が2カ所、安価で貸している駐車場、収支の厳しい築浅アパート、山林、墓地、小さな袋地など。
話を聞くと、多くの不動産を所有しているものの、収支は厳しい状況でした。不動産の固定資産税の支払いどころか、生活資金も厳しかったため、私は「自己資金をつくる仕組みの必要性」を挙げました。
手始めに所有地にアパートを建築して収益を増やすことを提案しました。とはいえ、収支も厳しいとなると金融機関からの借り入れは難しいので、自己資金を増やす必要があります。
そこで、金融機関との相談に同席して話し合いを重ねた結果、活用が難しい土地を処分して、立地の良い場所にアパートを建てる企画を提案しました。まずは市場データ調査を行い、需要の高い間取りを決めました。さらに1部屋あたりの面積に要する建築費と家賃収入を比較分析して、より収益性の上がるアパート建築の企画を提案したことで、融資が可能となり、1棟目の建築へとつながりました。その収益で生活資金を増やすことができた上に、一部の資金を積立投資に回すこともできました。
実家の建て替えに
収益を生み出す仕組み
続いて取り組んだのが、築50年ほどの実家の建て替えです。戸建ての新築となると、アパートの借り入れに加えて支払いの負担が増えるため、せっかく改善した収支が悪化する可能性があります。アパートと同じように、実家の土地にも「収益を生み出す仕組み」が必要でした。
そこで、Kさんには住宅兼共同住宅を建築するメリットとデメリットを説明して、2棟目は住宅兼共同住宅を新築しました。その際に、収支が悪かった貸し駐車場を売却して、その資金を実家建て替えの頭金に充てることで借入を減らし、貸し駐車場の収益よりも収入が増えることで資産の改善に繋がりました。
Kさんは現在、新築の住宅に住みながら、家賃収入によって収支も改善しています。
土地や建物活用の相談では、土地活用の方法が分からず、手放すことを考えているケースや、築年数が経過したアパートの修繕に多額の費用がかかるなどの問題を抱えているオーナーさんもいます。お持ちの不動産の細かな問題や将来的に起こりうる問題を見つけて、その解決に導くサポートも行っていますので、まずはお近くの不動産コンサルディングマスターにご相談ください。
次回は、「土地探しの注意点」についてお話します。