狭小地のイメージを払拭。光あふれる伸びやかな家
- DATA
- 設 計: プレステージホーム沖縄
株式会社(担当/瀧澤雅也) - 敷地面積: 127.63㎡(約38.67坪)
- 建築面積: 66.66㎡(約20.16坪)
- 延床面積: 113.85㎡(約34.5坪)
- 用途地域: 未指定
- 構 造: 木造パワービルド工法
2階建て - 完成時期: 2024年8月
- 建 築: プレステージホーム沖縄
株式会社 - 電 気: 吉電設(担当/吉平)
- 水 道: ダイエイ工業(担当/真栄城)
- キッチン: クリナップ 株式会社
(担当/仙波)
家が建つ以前の土地を知る人も驚かせた、豊かな開放感と窓から見える風景の良さ。
広く見える・感じる・活かす工夫を駆使し、ひとつ上の快適性を実現した住まいです。
週刊かふう2024年2月14日号に掲載された内容です。
目も楽しませる表情豊かな開放感
閑静な住宅街に建つ2階建ての木造住宅。敷地内に設けた3台分の駐車スペースは、コンクリート舗装の目地に緑を取り込んだスリットデザイン。玄関へと導くアプローチは浮いたように見えるフロート階段。敷地面積約33坪という数字の縛りを感じさないこだわりのあるファサードも目を引くEさんの家です。
玄関ホールを介してリビングに足を踏み入れると、一瞬にして光あふれるシーンに。2階天井まで開いた高い吹き抜け空間が広がり、南間口や高窓から差し込む光が、白色に包まれた室内に吸い込まれるように行き渡っています。
吹き抜けの手すり壁は、ガラスを思わせるアクリルパネルにアイアンを組み合わせたスタイリッシュな仕様。透明の効果で開放感が増し、2階の様子がうかがえるメリットもあります。
キッチンとダイニングはリビングとひと続きに配置され、天井高を低めにして視覚的にゾーニング。開放性と落ち着きが同居する、リビングとは一味異なる心地よさ。さらにキッチンの東側に設けたスリット窓は光とともに外の緑も取り込み、料理や食のシーンを爽やかに演出します。「できる限り窓を多く取り、抜け感で広く感じる家にしたかったんです。でも外の景色や気配がこんなに活かされると思いもしませんでした」とご夫妻。「リビングの東側の高窓は、夜になると月が顔をのぞかせたり」「雨の日はガラスに映る水滴がきれいだったり」と、窓から広がる暮らしの豊かさを話してくれました。
長期優良住宅に夢とこだわりと思いを詰めて
階段をキッチンの背後に設置した造りも特徴的です。まるで隠し階段のような存在で、リビングからは登り始めの一部しか見えない配置。ご主人いわく「モノに干渉されないすっきりとしたLDKを求めたかたちです」。階段下の空間は食品庫を兼ねた容量豊富な収納スペースとなって大活躍。キッチンや水回りにも近く、使い勝手も上々です。
2階は吹き抜けの大きな窓から空と景色を望む、Eさん宅のビューポイント。中でも吹き抜けに面したホールは開放感も格別です。将来的にはピアノを置く予定だそうですが、家族のスタディースペースとしての活用も考案中。フレキシブルに使える空間に暮らしの夢が広がります。
Eさんの家づくりの計画は、「子どもが小さいうちに、家でのびのびと遊べるように」との思いから始まりました。土地は、奥さまの祖父が所有していた畑地を譲ってもらえることに。設計は数社を検討した末に、プレステージホーム沖縄に依頼。「手厚いシロアリ対策を筆頭に、耐久・耐震・省エネに優れた長期優良住宅であることと、何でも話せる聞ける担当者の人柄が決め手となりました」。
プランニングは、SNSを活用して収集してきた理想の間取り、デザイン、素材など、細部にわたる“こんなふうにしたい”をもとに進行。内装はインテリアコーディネーターと相談しながら、夫妻の好みであった白を基調とした無彩色のモダンテイストで統一。「ほかにも収納プランなど、たくさんの要望が実りましたが、完成して真っ先に思ったのが広い! 想像していた以上の体感でした」。さらに「以前の畑地を知っている人は『こんな広い家ができるなんて』と一様に驚きますよ」と笑顔で話してくれました。
祖父への感謝と土地を受け継いだ証しとして、建物の後方に畑の土を一部残し、小規模ながら菜園・花壇も形成中です。
子どもがのびのび遊べる 健やかで快適なわが家
間取りは「すっきり&効率的」をテーマにプラン。水回りはキッチンの横に集約し、脱衣室を兼ね備えた家事室は洗濯から干し・アイロン掛けまで行えます。収納スペースは日常の動作と同時にモノを納める“ながら収納”もできるよう、要所に設置。「片付けのスピードが格段に上がります」と、提案者の奥さまも満足の仕上がりです。また、小物を置く家具や棚がなくても空間演出を楽しめるよう、ニッチ収納を多く造作したこともポイント。空間をより広く活かす工夫が光ります。
完成から約半年。暮らし心地をうかがうとご主人は「外の音がまったく気にならない。静かなんです」と驚きを交えて回答。奥さまも「夏はエアコンを切った後も涼しさがたもたれ、木造の良さを実感しました」と、わが家の住みよさを再認識したご様子です。お子さんたちは──言うまでもありません。家じゅうを駆け回っていたかと思えばフリースーペースで遊び、自由自在に“おうち”を謳歌(おうか)。「この光景をずっとイメージしていたので大満足です」。ご夫妻の言葉が明るく胸に響きます。
写真ギャラリー
「開放感の創出」は敷地を読み、環境を体感して生み出す
常識にとらわれない長期優良住宅を提供
高性能な住まいが真価を発揮するのは、土地や環境のポテンシャルを活かしてこそ。
その上に家族の夢や思いを築き、未来へと継いでいく。
建築士:瀧澤 雅也さん
Eさん宅のプランニングにあたり、まず手掛けたのは建物の配置計画です。計画地に出向いて日照を確認し、周辺や近隣の観察を通して景観との関係性や視線の抜けなど検討しました。結果、敷地面積は約38坪とコンパクトながらも、道路に対する間口が広く、東側からの採光も期待できると判明。付近には街の緑も点在しており良好な環境です。そこで今回は、これらのポテンシャルを最大限に活かす方向で計画。フォーカスする範囲を広げ、土地のサイズ以上に「ゆとり」を感じられる解を目指して取り組みました。
一般的に建物は接する道路に正対して配置されますが、今回は建物を敷地の北側に寄せて南側にスペースを生み出し、陽当りの良さを最優先しました。この配置は、道路から玄関や家の中が見えにくく、プライバシー性の向上にも寄与します。一方で住み手の視線は広く外へと抜けるよう、窓の位置や大きさも緻密に計画しました。その一例がキッチン横のスリット窓です。視線が抜けるだけでなく、住宅街を彩る緑を借景のように活かし配置しています。
Eさんご夫妻はSNSを活用し、住まいづくりに関する情報を多角的に収集し勉強もされていたため、理想とする住まいについて明確なイメージをお持ちでした。
要望の3本柱は「明るく開放感のあるLDK」「充実した収納プラン」「ファサードは可能な限り広く」。そこでプランニングは予算という基盤にこの3本柱を立て、ご提示いただいた画像や情報を吟味し、Eさんご夫妻の夢や思いをよりよく築いて行くかたちで取り組みました。
今だけでなく、ご家族が将来にわたり末長く快適に過ごせることも重視しています。例えば、キッチンの間口を広く確保しておけば、お子さんが成長して4人でキッチンに立つ日が来ても余裕をもって楽しめます。そんな何気ない日常の1コマ1コマを大切に考える。当社の家づくりの核とも言えます。
外観についてはEさんの希望をもとに、シンプルでスタイリッシュかつ表情のあるデザインを追求しました。質感のあるサイディングを横貼りにして重厚感と奥行き感を引き立て、バルコニーや玄関ポーチの出っ張り面は異なるテイストを用いてアクセントとしました。
当社では長期優良住宅を超える高い基本性能を標準仕様とし、優れた省エネ性能を誇ります。次世代に継げる家を、家族の夢に寄り添った自由設計でご提供いたします。
設計・施工会社
プレステージホーム沖縄 株式会社
TEL:098-923-1140 | http://prestige-okinawa.jp/