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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

空間にゆとりと贅沢感 包容力のあるピロティハウス

空間にゆとりと贅沢感 包容力のあるピロティハウス

DATA
所在地:豊見城市
家族構成:夫婦、子ども2人
設計:株式会社YAFUSO総合設計一級建築士事務所(担当/屋冨祖秀清)
敷地面積:192.67㎡(約58.20坪)
建築面積:98.78㎡(約29.80坪)
延床面積:238.06㎡(約72.00坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
構造:鉄筋コンクリート造3階建て
完成時期:2015年10月

アルミルーバーで覆われたファサードが知的な表情をたたえるOさん宅は、1階を駐車場にしたピロティ型の3階建ての家。吹き抜けになったリビングダイニング、男女別の水回りといった贅沢で機能的な空間使いの中に、大正ロマン風の和室、ゆったりとしたサイズのダイニングカウンターなど積年の思いを盛り込みました。

空間にゆとりと贅沢感 包容力のあるピロティハウス

コンパクトかつ開放的
水回りは各フロアに用意

 Oさんご夫妻にとってはこれが2度目の家づくり。初回以上の快適さ・使いやすさを求めて、経験者ゆえの反省点を踏まえながら次の3つのこだわりを持って計画に臨みました。
 1つは、最低限のプライバシーを確保した心休まる住まいにすること。前回は1階が仕事場になった施設建物の2階を住居として使用していたため、家にいる間も気持ちのスイッチを完全にオフにするのが難しい側面がありました。2つ目は、過度な広さは求めず、効率的に動き回れる機能的なレイアウトにすること。以前の建物は1階を基準にしていたとあって、2階は約40坪もの空間が真っすぐに連続。開放感こそ抜群でしたが、「日常生活を送る上ではもっとコンパクトにしても問題ない」とも感じていました。そして3つ目が、自分たちの思いをできる限り反映させること。最初の家づくりの時期は、仕事に子育てに追われて多忙だったこともあり、設計内容はほとんど建築士にお任せの状態。「2人の子どもはもう20歳前後だし、今回はゆっくり時間をかけて検討しよう」と意気込んでいました。
 やがてご主人の実家隣に土地が見つかり購入すると、仕事を通じて親交のある建築士事務所を訪ねて相談開始。今回は面積が約58坪で建ぺい率50%の敷地ですから、以前のように「広すぎる」問題から一転して「限られた空間をいかに有効に使えるか」が焦点に。それでもやっぱり開放感はほしいし、収納はたくさんあってもありすぎることはなし。水回りは朝晩の混雑を避けられるように、ゆったりとしたサイズで男女別に2つつくりたいとも考えていました。また全体的な構成としては、家族4人分以上の駐車場を確保するために1階をピロティにして、2、3階を居住スペースに充てるプランにすることで方向性が固まりました。


空間にゆとりと贅沢感 包容力のあるピロティハウス

大正ロマン風の和室を横目に広めのカウンターでくつろぐ

 ご夫妻それぞれの思いを盛り込み4年前に完成した新居は、2階リビングダイニングが3階まで吹き抜けになった開放感あふれる住まい。南面に開いた掃き出し窓をはじめ、壁面に潤沢に取られた採光窓から明かりが差し込み、空間全体のボリューム感が際立ちます。
 当初からの要望通りに、2、3階とも水回りはゆったり、収納もたっぷり。衣類以外の荷物置き場としても重宝しているウォークインクローゼットをはじめ、玄関脇には大容量のシューズクロークを用意。また3階主寝室を約15畳もの広さに設定したのは、「将来は2世帯住宅にも対応できるように」とキッチンを増設できるスペースを考えてのこと。生活効率を重視し各フロアに設置した水回りが、2世帯になっても生きてきます。


空間にゆとりと贅沢感 包容力のあるピロティハウス

 キッチン脇にある「大正ロマン風」の和室は、奥さまこだわりの自信作。比較的シンプルにまとめた意匠の中で、最も時間をかけて構想を練り、イメージ通りの形に仕上げました。下部を引き出し収納にした小上がりになっているため、ちょっとした家事や腰掛けにも最適。キッチンに立てば和室内部をじっくり眺められるため、台所作業中も気分が上がるはず。
 ご主人の居場所はリビングではなく、キッチンカウンター前に並べたソファに腰掛けくつろぐのが、現在の主な過ごし方。「子どもたちが大きくなり、食事の時間もばらばらになってきたので、カウンターの奥行きを広めに取って食卓代わりにしました。家にいるときはここで本を読んだりテレビを見たり、妻と話をしながらお酒を飲んだりして過ごすのがほとんどです」とご主人。すぐ隣には天井まで吹き抜けになった明るく開放的なリビングが控えているからこそ、ダイニングでのリラックス効果も一段と高まるのでしょう。


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