ブルックリン調へ印象を変えて おうちキャンプを楽しむ
- DATA
- 設 計: 株式会社ナカマ創建
(担当/林沙希) - 敷地面積: 165.73㎡(約50.1坪)
- 延床面積: 121.53㎡(約36.7坪)
- 用途地域: 第一種低層住居専用地域
- 構 造: 鉄筋コンクリート造
- 完成時期: 2022年2月
- 建 築: 株式会社Teach Plus
(担当/鈴木良暢) - 内 装: ラルゴ
(担当/鈴木武王) - 電 気: エム・プランニング
(担当/真壁朝久) - 水 道: 総合メンテナンス3K
(担当/新里慶太) - 住宅設備: パナソニック リビング九州株式会社
(担当/山城暁) - 塗 装: リアルペイント
(担当/平野真太朗)
心地いい、リノベ計画12 COMFORTABLE RENOVATION
浦添市 Mさんのプラン
中古物件をMさん夫妻の趣向でリノベーションした住まいは、ブルックリンテイストの設備やアウトドア家具でスタイリッシュに演出。趣味を堪能したり、来客を楽しく迎える空間にイメージチェンジしました。
週刊かふう2022年5月13日号に掲載された内容です。
中古物件の醍醐味は趣向に合わせたリノベ
風が心地よく吹く高台の住宅街。広い駐車場を備えたMさん邸の玄関ドアを開くと、空間の奥まで視界が広がる大きなワンフロアが現れます。
リノベーションにより約1.5倍に拡張したコンクリートの三和土(タタキ)、小さな段差の向こうは置き方をアレンジしたヘキサンゴンテーブル、アウトドアチェア、まるでオブジェのように壁に掛けられた自転車、造作した収納家具の上のオシャレなマガジンラック、釣り竿をディスプレーした窓辺のロッドラック、ふたつ並んだワインセラーなど。嗜好をしっかりと語りかけてくるインテリアに、ここに住まう方たちのライフスタイルが伝わってきます。
「新築の建売も含めていろいろと見ましたが、私たちの好みにマッチする物件が見つからず。それならば中古物件を購入して、思いどおりにリノベーションしようということになりました」とMさん。
インテリアに深い関心を持つ奥さまとともに、インターネットや雑誌などで情報を収集して求める方向性について相談を重ねたといいます。
「アウトドア好きな私とインテリア好きな妻。最終的に、無機質でありながらレトロ感も醸し出すブルックリンテイストの家にしようという考えに着地しました」
こちらの物件に出会ったとき、この間取りなら目指す方向にリノベーションできそうだと意見が一致して、購入に至ったとのこと。
実質とスタイリッシュを兼ね備えるインテリア
「物件探しをしている中、株式会社ティーチ・プラスさんの作品事例も拝見していて、それらのテイストが私たちの好みとマッチしていたので、リノベーションを依頼することにしました」とMさんは当時を振り返ります。
リノベーション前の壁や天井はホワイト、壁のクロスもホワイト系でまとめられていたそうです。Mさん夫妻はダーク系の色調を取り入れて、落ち着いた空間にイメージチェンジしたいと考えました。1階のフロア材には、主に店舗や事務所など靴のまま上がる場所に使われる長尺シートを採用しています。
「ここに使いたい色やデザインがたまたま長尺シートで見つかったというのが選択理由ですが、一般的な住宅とはひと味違ったインテリアに仕上げたかったこともあり、結果的にとても満足しています」
1階で大きく変更したのは水回りでした。以前は、洗面スペースとバスルーム、トイレ、ランドリースペースが仕切りのない空間に集約されていました。来客も多いため、サニタリースペースはプライバシーを重視したいという考えのもと、それぞれを独立した空間へとリノベーション。Mさんたちが思い描いた間取りへ生まれ変わりました。
また1階の個室はビルトインクローゼットを改修し、カウンターデスクを造作しています。
「ここはゲストルームとして活用する予定です」と、来客へのもてなしに心をくばるMさんたちらしい空間使いが見られました。
リモートワークも楽々、小上がり和室のススメ
2階の間取りはほぼ以前のままですが、小上がりとなった和室にリモートワーク用の工夫を加えました。
「小上がりの高低差がベンチチェアになるので別途にチェアを用意する必要がなく、おかげで空間を広く使えています。畳敷きは仕事の合間にゴロンと横になったりと、ちょっとした休憩に最適です」と、和室にワークスペースを設けるメリットを話してくれたMさん。自宅でリラックスしながら仕事に臨める条件が整っています。
「注文した家具がこれから届くので、もっともっと充実していきますよ」とお気に入りのインテリアに囲まれて満足そうなMさん。住まう人のライフスタイルと嗜好に彩られて、暮らしの豊かさをより深めていく様子が楽しみです。
写真ギャラリー
クライアントの希望を叶えるプランでクオリティ・オブ・ライフを高める
左:林沙希さん(二級建築士、一級建築施工管理技士)/株式会社ナカマ創建
右:鈴木良暢さん(宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー)/株式会社Teach Plus
中古物件を購入して、リノベーションすることを決めたMさん夫妻。実際のプランニングや施工は、これまでの作品例がMさん夫妻の好みとシンクロしていると感じた株式会社ティーチ・プラスに相談することにしました。ブルックリンスタイルを希望してリノベーション後に仕上がった意匠は、まさにティーチ・プラスが得意とするスタイリッシュで個性的なデザインです。
設計を担当したのは、株式会社ナカマ創建の林沙希さんです。
「Mさん夫妻は好みのデザインや方向性をしっかりと明確にしていらっしゃったので、私はその実現に向けてサポートしたという流れでした」と林さん。
リノベーションによって大きく変えたのは、1階の水回りでした。
「オープンスタイルの広いサニタリー空間を、洗面スペース・バスルーム・トイレの機能性によって3つの個室へ分けました。その際、動線が大切だと考えて、洗面台やトイレ、ランドリースペースの位置は移動しました。テイストや配分する面積のバランスを取ることに特に工夫しました」と、林さんがMさん邸におけるリノベーションのポイントを説明してくれました。
ティーチ・プラスの鈴木良暢さんは「テーマとなるブルックリン調を演出するため、Mさん夫妻と細部までこだわりましたよ」と話します。
なるほど、床材、天井や梁の色彩、壁の照明スイッチプレートに至るまで、端正なデザインによるクラシックな印象と、新しいのに懐かしさの中にくつろぐような居心地の良さが、Mさんたちが目指すイメージとなって溶け合っています。
各個室の内側には、ブラックとレッドのアクセントウォールを配してビジュアル的なアクセントと統一感も付加しました。また1階のブックスタンドや釣り竿のロッドラック、個室内のカウンターデスク、寝室のウォールラックなど、要所に造作したタモ集成材のオリジナル家具も目を引きます。
「造作家具は好みのモノをオーダーメードで造れるので、こだわりを生かせます。高価になることもありますが、ぜひ取り入れることをお勧めします」と林さん。
クライアントの趣向やイメージとこれをサポートする造り手側の感性や技術力。それぞれが響き合って完成したMさん邸に、リノベーションの魅力が詰まっています。
設計・施工会社
株式会社Teach Plus(ティーチ プラス)
TEL:098-882-1001 | http://www.teach-plus.co.jp
設計・施工会社
株式会社ナカマ創建
TEL:098-963-6390 | https://www.nakama-soken.com