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こんな家に住みたい

光も笑顔も回る、広がる 家の中央に光庭のあるコートハウス

光も笑顔も回る、広がる 家の中央に光庭のあるコートハウス

DATA
設  計: 久友設計株式会社
     (担当/大城彦樹)
敷地面積: 339.59㎡(約102.71坪)
建築面積: 166.92㎡(約50.49坪)
延床面積: 152.61㎡(約46.16坪)
用途地域: 無指定(都市計画区域外)
構  造: 壁式鉄筋コンクリート造
完成時期: 2020年5月
施  工: 株式会社 M’s
電  気: 有限会社 糸洲電気工事社
水  道: 株式会社 設備技研
キッチン: Panasonic

風情ある古民家の母屋と、気配でつがるスタイリッシュな邸宅。
邸内は光の柱が快適さを生む大黒柱となり、空間デザインと相まって多彩な「明るさ」で暮らし心地を高めています。

 

週刊かふう2023年1月6日号に掲載された内容です。

光も笑顔も回る、広がる 家の中央に光庭のあるコートハウス

土地、思い出、動線。さまざまなつながりを内包

「子どもたちは成長とともに一緒にいる時間が短くなっていく。ならば自分の家をもって同じ時間を過ごしたい」そう思ったYさん夫婦が完成させたのは、絶対条件だった「明るい家」を理想以上に開花させたコートハウス。家の中心部に空を仰ぐライトコートを配置し、陽光の柱を囲むようにパブリックとプライベートを分離。住まい全体は家中を回遊するスムーズな動線でつながっています。

 以前はアパートに住んでいたYさん一家。「建てるなら子どもが小さいうちに」と、3人目のお子さんの誕生をきっかけに家づくりに取り組みました。土地はYさんの父親の実家の一部で、母屋と並ぶように建てられていた貸家があった場所。取り壊して新築してはと、母屋を受け継いだ叔父さまから提案があったそうです。
「叔父とは普段から親しい付き合いがありましたし、ここ一帯は幼少の頃からの思い出がつまった場所。有り難く、嬉しかったです」と笑みを見せ、「貸家の屋根瓦はうちの勝手口アプローチの洗い出しに使い、家の歴史として活かしています」。

 設計は奥さまの知人の紹介でつながった設計会社に依頼。「担当の建築士の方が話しやすく、漠然としていた私たちのイメージを丁寧に掘り起こしてくれて。おかげでプランが進むほどに具体的な要望が生まれ、悔いのない家づくりとなりました」と思いを話してくれました。

光も笑顔も回る、広がる 家の中央に光庭のあるコートハウス

自然光が空間美を引き立て、時を豊かに演出

 母屋と目の鼻の先に建てた新居は、ビルドインガレージを構えたコンクリート造のスタイリッシュな平屋。立地周辺には母屋のような風情ある古民家も多く残りますが、Yさん宅の佇まいは景観にもなじみ、新旧調和の妙を魅せています。

 邸内に入るとまずライトコートからの光の歓待を受け、リビングは2面大開口の開放感に加え、桟のないガラスがはめ込まれたコーナーガラスの演出で清涼感あふれる明るさに。また、2面の内、北側には畳スペースが設けられ、母屋の雨端(あまはじ)と向き合う格好となり、両家の気配をつなぐ配慮が伝わってきます。

 ダイニングとキッチンはライトコートに隣接して配置され、テーブルには陽光が降り注ぎ健やかな印象。キッチンはリビングのインテリアの流れを継いだシックなコーディネートで、デザイン性・作業性に優れたセパレート型を採用しています。
 死角となる奥まったスペースには、奥さま専用の小空間が確保され「家事をしながら書類整理をしたり、リビングで遊ぶ子どもたちを見ながらこまごまとした作業をしたり。メイクもここでやっています」とほがらかに活用ぶりを話してくれました。

 キッチンの後方からガレージの背後にわたるエリアは、子ども室をはじめとするプライベート空間が集約されており、ライフスタイルに合わせたプランニングが光ります。

光も笑顔も回る、広がる 家の中央に光庭のあるコートハウス

住まい手の知恵と造り手の知見が融合

 まず、洗面場は“スペース”としてスタイルを変え、廊下に設置されています。ライトコートから直接入る光にあふれ、朝の身支度にはピッタリな場所。オープンな造りがカジュアル感を高めお洒落に仕上がっています。個性的で斬新なプランに「使いやすくて便利」とご夫婦で絶賛。特にYさんは「気持ちも上がる一番好きな場所」と笑みをこぼします。

 坪庭のあるバスルームはそれだけでも高ポイントですが、外部にまで発展した動線が秀逸。例えば、運動や屋外作業の後は、外のガレージから洗濯室に入り、服を脱いで入浴という流れをスマートに実現。「実家の造りが手本」とYさんが話し、「泥だらけになったユニホームは外で脱ぎ、外で洗い、その足で風呂場に直行でした。汚れを拡散せずに済む暮らしの知恵ですよね」と説明。今はお子さんの外遊びの後などにも便利さを発揮しています。ガレージには靴などを洗うスペースも用意されています。

 新居の夢をかなえて3年、現在の心境をたずねると「家のどこにいても光たっぷりで気持ちいいですよ。コートの役割は思っていた以上に大きく、子どもたちをいつも身近に感じられるのがうれしいです」とYさん。奥さまも「子どもたちは楽しそうにコートの周りを駆け回っているし、私は家の中をぐるぐる効率的に動けて快適です」とユーモアを交えて答えてくれました。
 寒くなる季節にはライトコートの陽だまりが家族を包みこみ、笑い声に満ちたまばゆい日々へと紡がれていくことでしょう。

写真ギャラリー

光も笑顔も回る、広がる 家の中央に光庭のあるコートハウス

暮らし心地や交流を深める二つの「距離感」をテーマに
施主さまが望んだ光あふれる住まいをより豊かなものへ、より喜ばれる存在へ

久友設計株式会社 一級建築士 大城彦樹さん

 家づくりにあたり、ヒアリング時に出てきたYさんご夫婦の一番の要望は「明るい家」でした。土地内にあるという母屋について詳しくうかがうと、住んでいらっしゃる叔父さまとは大変仲が良いとのこと。話されたエピソードからも関係を大事にされている温かなものを感じたので、叔父さまともコミュニケーションしやすく、かつ、お互いのプライバシーが守られた「心地いい距離感」をもう一つのテーマとして設定しプランを進めました。また、間取りにおいても、住まいの中での「ちょうどいい距離感」を目指しました。

 まず母屋とのつながりは、庭スペースを挟んで程よく間を取りつつ、リビング周りにデッキを設けて憩いの場を形成。ちょっとした声掛けからそのまま“ゆんたく“へと流れる、沖縄らしいおおらかさを思い描きました。

 間取りにおける距離感は二つの観点から考案。一つは、生活便利・家事便利を実現する接近と集約で、Yさんのリクエストをかなえた浴室と洗濯動線のつながりも、キッチンに設けた奥さま専用のスペースもその一例となります。
 二つ目は、ライトコートを軸にパブリックとプライベートを分離し、暮らしの中にメリハリを生む距離感です。くつろぎや家族の団らんはゆったりと。時には非日常を感じるくらいにリラックスできるように。また、分離することでゲストのもてなしもしやすくなるなど、多くのメリットを元にプランしました。

「明るい家」の実現においては当社の設計コンセプトにも合致し、家の中央に設けたライトコートをはじめ、住まいのどこに居ても視線の先に間口があるよう設計。光を多く取り入れることは電気への依存を薄め、環境配慮のみならず光熱費の軽減にもつながるなど、戸建てならではの大きなポイントにもなります。

 デザインの面ではご夫婦が望む「シック」をキーワードにコーディネート。CGを用いて実際の配色バランスを確認していただきながら、住まいの内外に使用する素材1つ1つの色味・質感を追求しました。

 外観は、母屋をはじめとする歴史ある沖縄木造住宅とコンクリート住宅が混在する昔ながらの街並みを考慮し、白のホワイトボックに質感と風合いを創出するジョリパット塗装のグレーボックスを組み合わせ、落ち着きと表情を創出。次代にも通ずるモダンなフォルムに周辺環境になじむ装いをもって、末長く地域に根ざして行く家を目指しました。これもまた、当社が志す家づくりに通じています。

設計・施工会社

うるま市赤道359-1

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