明るくエレガントに仕上げた シャビーシックな住まい
- DATA
- 設 計: 株式会社 アイムホーム
- 敷地面積: 291.96㎡(約88.31坪)
- 建築面積: 122.80㎡(約37.14坪)
- 延床面積: 114.86㎡(約34.74坪)
- 用途地域: 未指定
- 構 造: 鉄筋コンクリート造
- 完成時期: 2022年4月
- 施 工: 株式会社 アイムホーム
- 電 気: オーシロ電気
- 水 道: 日信工業
- キッチン: LIXIL
その一画は、まるで南欧の風景を切り取ったような佇まい。
自然光をたっぷりと取り入れた優雅な空間を繊細な装飾が彩るラグジュアリーなお住まいです。
週刊かふう2023年1月20日号に掲載された内容です。
求める趣向にマッチ、洗練をまとった意匠
南欧のリゾート地に居るかのような感覚に包まれる、Sさんのお住まい。敷地に巡らせた塀は道路からの視線を屋内まで届かせないよう高めに計画し、その上辺は波打つような曲線で輪郭を描いています。玄関へのアプローチは意匠性の高いスタンプコンクリートや大判タイルで仕上げ、白い外壁とダークレッドのスペイン瓦の鮮やかなコントラストが映えるファサードに、扉を開く前のわくわく感が高まります。
室内は白を基調に淡いブルーグレーのアクセントカラー、ポイントとなる金具にはゴールドをセレクトした、優雅さが香り立つインテリア。玄関ホールからリビングに入るドアや、ランドリースペース入り口のドアにはモノトーン調の繊細なステンドグラスをはめ込み、空間に優しさと品格を漂わせています。これらはSさん夫妻が希望するシャビーシックなインテリアをかなえるために、一つひとつのアイテムを選び抜いた結晶です。
「私たちがイメージするわが家は『明るい雰囲気の家』でした」と各部屋を案内するSさんが説明します。ひと口に“明るい”と言ってもさまざまな捉え方がありますが、Sさんのお住まいはプライバシーを守ることと自然光をたっぷりと採り入れることを両立できるハイサイドライトを採用し、キッチンとリビングの間、玄関ホール、寝室、ランドリースペース、洗面所に設けています。
また「リビングの庭に面した開口は大きめにしました」と、プランニング当時を振り返るSさん夫妻。「明るさという点ではライトの数も多めに設置しており、キッチンに取り付けたガラスシェードのペンダントライトや主寝室のシャンデリアをはじめ、照明器具はすべて施主支給にしました」と新居に注いだ並々ならぬ想いが伝わってきます。
絆と未来を考えた平屋の暮らしへ
「親から譲り受けた土地の広さを生かして、高齢になってもラクな暮らし心地を保てるよう平屋を建てることにしました」と話すSさん。また「帰宅したときに家族の様子がすぐに分かるようにしたい」という想いから、リビングを住まいの中心に据えて、子ども室や主寝室はリビングを介してアクセスするレイアウトを採用しました。開放感が広がるLDKを中心に、家族の絆をより深めるプランです。
「何をするにしてもリビングを通る生活動線は、家族が顔を合わせるシーンが自然と生まれ、子どもの様子をさりげなく把握できるし会話も増えるでしょう」とのこと。
緑の芝生が広がる庭へ臨むテラスには、ハンモックチェアをセットしました。「家族や友人を招いてバーベキューパーティーを開いたり、夏には子どものプール遊びの場として活用したい」と、わが家に居ながらバカンス気分を満喫できる楽しい計画を立てています。
こだわりポイントとその他のバランスを
爽やかなシエルブルー(仏語・青空)のアイランドキッチンがひと目で気に入った奥さまの意向をメインに、デザインの印象が近いカップボードを別ブランドから探してもらい組み合わせました。
「夫婦2人、将来は家族3人でキッチンに立っても余裕ある通路幅をお願いしました」の言葉通り、広さを確保したキッチンはSさん一家のコミュニケーションの場になりそうです。
子どもが増えた場合に2室に分けることにしている約12帖の洋室は、明るい光が降り注ぐ出窓をあらかじめ二つ備えています。壁やドアにかわいらしいイラストがちりばめられ、子どもへの愛情が伝わる空間に。
「写真を撮ってSNS発信することを趣味にしているので、この部屋はスタジオとしても使っています」と奥さま。
こだわりポイントに優先順位をつけ、それと調和するようにその他のアイテムを選択しコーディネートすることで仕上げた、Sさんのすてきなお宅。新しい暮らしへの希望で輝いています。
写真ギャラリー
施主の希望へサプライズのある提案
チームで創造する期待以上の住まい心地
株式会社 アイムホーム
左から:親富祖 明さん(施工管理技士)、津覇実志さん(宅地建物取引士)
仲順裕二さん(一級建築士)、松田和歌奈さん(インテリアコーディネーター)
施主とのファーストコンタクトは、宅地建物取引士の資格を持つ営業部の津覇実志さん。
希望をつぶさに拾い上げ、それをベースに設計士やインテリアコーディネーターとプランを練り、提案します。また予算内に収めるために設備や仕様の選択サポートや調整も担います。
「Sさんのケースでは、グレード高めのアイランドキッチンが優先順位の上位にあったので、全体予算を考慮して背面のカップボードにはアイランドキッチンのデザインイメージに近い別ブランドの製品を提案しました」。
設計を担当した仲順裕二さんは「第1条件に上げられた『明るい住まい』を創造するため、LDKや玄関ホール、洗面所などに自然光を採り入れるハイサイドライトを設け、庭に面した開口部は高さ2メートル20センチ、幅3メートル60センチと大きめに配分しました」とプランの意図を説明します。
住まいの中心にリビングを配置して、子ども室や主寝室へはリビングを通る動線により、家族みんなの気配を感じとれるレイアウト計画。また玄関からリビングへ直行できる動線と、手洗い場を抜けてバスルームへとアクセスできる回遊動線が日々の快適さをサポートします。主寝室とファミリークローゼット、脱衣所、屋外の物干し場を直線上に結ぶ動線も家事をラクにする工夫のひとつ。
要所の室内ドアにはシックな色を取り合わせたステンドグラスをはめ込み、光を住まいの奥へと届けるアイテムに。また繊細なデザインの照明器具も多めに設置し、やわらかな光にあふれる空間へと仕上げています。
「暮らし方に応じた照明が楽しめます」と言葉を引き継ぐのは、インテリアコーディネーターの松田和歌奈さん。住まい全体に設置したダウンライトやリビングの天井近くに設けた間接照明など、こまやかな工夫が随所に見られます。
上部をアーチ状に仕上げたニッチ、ほどよい装飾性が美しい折り上げ天井、ワンランク上の空間を演出する腰パネルなど、すみずみまで外国テイストに満ちた上質な住まい。現場で実際の施工管理に携わった親富祖明さんからは「特にSさんの家はイレギュラーな技術を要する箇所があり、例えば手洗い場とユーティリティースペースを仕切るドアは知恵を凝らして収め方を変更しました」と知見の豊富さが感じられるコメントが聞けました。
プランニングから施工まで、多くの能力と個性がシナジー効果を上げるアイムホーム。多様化する希望やニーズに期待以上の住まい心地を提供しています。
設計・施工会社
株式会社アイムホーム
TEL:098-923-1646 | https://imhome-okinawa.co.jp/