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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

ゆったり機能的な回遊動線と ハイセンスなインテリア。暮らしの質が高まる家

ゆったり機能的な回遊動線と ハイセンスなインテリア。暮らしの質が高まる家

DATA
設  計: アイムホームデザイン
     (担当/國吉一称)
敷地面積: 266.50㎡(約80.61坪)
建築面積: 120.07㎡(約36.32坪)
延床面積: 113.10㎡(約34.21坪)
用途地域: 第一種低層住居専用地域
構  造: 鉄筋コンクリート造
完成時期: 2022年9月
施  工: 株式会社 アイムホーム
電  気: ライン電工
水  道: 有限会社 雅建設工業
キッチン: 株式会社 LIXIL

専属のコーディネーターと一緒に選定したインテリアデザインと、ストレスなく流れるように使える家事動線。
Mさん宅を構成するこの「表」と「裏」の両面が見事にかみ合って、全体の居心地を高めています。

週刊かふう2024年2月23日号に掲載された内容です。

ゆったり機能的な回遊動線と ハイセンスなインテリア。暮らしの質が高まる家

グレー×白で家中をデザイン

 ベースカラーはグレー。落ち着きと上品さをたたえたマットなグレー。空間の大半を占めながらも主張しすぎず、配色の主役としての存在感はしっかりと保ち、Mさん宅の印象を決定付けています。
「同じグレーでも単調にならないように、場所によって色合いや質感に変化を付けました。白と上手に組み合わせ、全体的にバランスよく仕上げることができたのは、専属のコーディネーターさんのおかげ。その都度アドバイスをもらいながら一緒にアイテムを選んでいきました」と奥さま。
 例えば広々とした玄関の床には六角形のヘキサゴンタイルを張り、毎日の外出と帰宅のひとときを華やかに。その先のホールからLDK、主寝室・子ども室までの床にはリアルな木目柄のフローリングを並べて、統一感を演出しました。またLDKは「ベースカラーのベースになった」というキッチンの色味に合わせて家具をセレクトし、子ども室に面した天井高3m超の北側壁面にはコンクリート打ち放し風のクロスを施工。この他、室内干し場や洗面室といった完全プライベートなエリアも「居室同様の快適なスペースに」とのこだわりを込め、全体をグレーと白でまとめました。

「子どもが小さいうちにマイホームを構え、できるだけ多くの時間を家族で共有したかった。いい会社に巡り合えましたね」とご主人は振り返ります。家づくりの計画をスタートしたのは4年前。ご主人の実家の老朽化に伴い、当初はリフォームして住むことを検討しましたが、予想以上にコストがかさむことが判明したため建て替えに方針転換。やがて依頼した建築会社と出会い、「営業担当者の対応がとても良かった。説明が明快で分かりやすく、安心してお任せできる」と太鼓判を押しました。

ゆったり機能的な回遊動線と ハイセンスなインテリア。暮らしの質が高まる家

作業性と居住性に優れた家事動線

 Mさん宅はほぼマシカクな平面形状をしたRC造の平屋です。約34坪という限りある床面積を割り振るにあたり、「団らんの場であるリビングをできるだけ広く」確保したのはもちろんですが、共働きで2人の子どもがいるご夫妻にとっては「機能性」もまた最重要項目の一つでした。
「毎日の家事をスムーズに効率よくこなせるように、頭の中にあったイメージを形にしてもらいました」と奥さま。
 平面図を見ると、玄関ホールはリビング側とは別方向にも分岐しており、通路の先にはサニタリー・洗濯乾燥機・室内干し場・ウオークインクローゼットが連続し、さらにはキッチン・主寝室までつながっています。つまりは洗濯・乾燥・収納の一連の作業を短い動きの中で完結でき、外出時は身支度を整えたらそのまま玄関へ直行可能。来客時もプライバシーが守られた隠し通路のような存在ですが、ハイサイドライトや勝手口から自然光が差し込み、通路もゆったりと幅が取られ、作業性は抜群です。

 家事ストレスが軽減されることで、リビングの居心地は何倍にも膨らみます。ましてグレー系のお気に入りのデザインに彩られ、天井が高く、吹き抜けのような開放感が得られるとあればなおのこと。リビング併設の小上がりの和室や、窓の外に見える小さな庭も、満足度アップに一役買っています。

「目の前にアパートが建ち、外に開きにくい環境ですが、視線が縦にも横にも広がり閉そく感はありません。庭もつくって大正解。子どもたちはよく外に出てボール遊びなどをしているし、キッチンからでもその様子が十分目に届くので」とご夫妻。丁寧にデザインされた意匠と空間は、そこで暮らす家族の絆を深め、暮らしの質を自然と高めてくれます。

写真ギャラリー

ゆったり機能的な回遊動線と ハイセンスなインテリア。暮らしの質が高まる家

共働きの子育て世代に最適な機能と意匠をコーディネート

実際の使い勝手や動き方を緻密に計算した、ストレスフリーの動線設計
空間を縦方向に生かし、天井付近からの採光をプラスして開放感を確保


右から:松田和歌奈さん(インテリアコーディネーター)、國吉一弥さん(設計士)、バクシ瑠加さん(営業)

 共働き子育て世代の家づくりを考える上で、家事負担の軽減と癒やしの時間の確保は優先順位の高い項目です。今回はMさん側から「機能性・デザイン性に比重を置いた家にしたい」と明確なビジョンの提示があり、それをもとに実際の使い勝手や他の居住スペースとの関係を調整しながら、具体的なプランに落とし込んでいきました。

 最も特徴的といえる家事動線は、玄関とLDKを真っすぐにつなぐメイン動線に対し、LDKを回り込むようにしてサニタリーと家事スペースを並べ、玄関・主寝室間を連結したバイパスのようなもの。実際の使い勝手や動き方を綿密に検討しながら最適なレイアウトを決定し、ハンガーポールや棚、作業用カウンターなどを必要な場所に造り付けました。
 途中、キッチンからも直接行き来できるように物干し室に連絡経路をつくり、さらに主寝室にはウオークインクローゼット側だけではなくダイニング側にも戸を設置することで、家全体に回遊性を持たせて生活効率を高めました。

 一方、生活の中心であるLDKは、実際の面積以上の広がりが感じられるように、視線の抜け方、光の取り入れ方を工夫して、家族全員が自然と集まり快適に過ごせる環境を整えました。具体的には、LDKとその隣にある和室を連続した空間内に収めつつ、リビングの天井を一段高くして吹き抜けのようなボリューム感を創出。DKや和室と高低差を付けることで全体にメリハリが生まれ、リビングの開放感が際立ちます。また敷地の東側・南側には目の前に中層のアパートが建ち、庭からの採光には制約があったため、ダイニング頭上の北側天井コーナーにハイサイドライトを設け、全体の明るさを補いました。

 他にも、限られた空間を最大限に有効活用すべく、すべてのドアを引き戸にしたり、和室入り口の戸を省いてリビングとの一体感を高めたり、細かな調整を積み重ねました。その上で、Mさんが望むグレー系のデザインで内外装をくまなくコーディネート。仕上がりはご覧の通り、明るすぎず暗すぎず、単調すぎずうるさくもなく、居るだけで心休まる癒やしのひとときを提供しています。

設計・施工会社

北谷町桑江1-7-12

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