趣味を堪能できるガレージとホテルライクを満喫する家
- DATA
- 設 計: Style Create
一級建築士事務所
(担当/金城等) - 敷地面積: 330.6㎡(約100.00坪)
- 建築面積: 138.2㎡(約41.82坪)
- 延床面積: 130.6㎡(約39.50坪)
- 用途地域: 第一種居住地域
- 構 造: 壁式鉄筋コンクリート造
- 完成時期: 2024年2月
- 建 築: 有限会社 秀林組
(担当/照屋秀吾) - 電 気: 和電設(担当/志喜屋)
- 水 道: 株式会社ふくエンジニアG
(担当/比屋根) - キッチン: パナソニック リビング九州
株式会社(担当/山城)
ラグジュアリーな印象を演出する大判のタイルを多用し、生活感を感じさせないホテルライクな住まいへ。
どこから見ても「全方位ファサード」のスタイリッシュな意匠。
週刊かふう2024年6月21日号に掲載された内容です。
事前リサーチはしっかり。設計はお任せで満足の結果
親戚から土地を分筆してもらう形で、マイホーム計画をスタートさせたNさん夫妻。主にNさんが軸となって事前リサーチをしたといいます。
「まずは完成見学会を行っている県内の建築士事務所や建築会社を全部リストアップして、その作例を見ていきました」
最終的に3社に絞った後、スタイルクリエイト一級建築士事務所の作風に惹かれて依頼を決定することに。「単純に坪単価を比べると他社よりも高く感じたのですが、モダンでホテルライクな作風がとても気に入って」と話すNさん。
事前リサーチにとことん労力をかけたNさんですが「趣味部屋のガレージが欲しいという以外は、設計をほぼお任せしました」と振り返ります。「スタイルクリエイトさんのテイストで仕上げてもらえば」と依頼しつつ、旧宅の賃貸一戸建てではプライバシーの関係でリビングのカーテンを閉めっぱなしだったこと、今は実家に預けている愛犬ラブも新居で一緒に暮らす予定であること、ホテルライクな住まいが理想であることなどを話していました。
それらの課題に応え、さらにスタイルクリエイトの提案を盛り込んだ結果に、「想像以上によいものができた」とうれしそうです。完成したNさんの住まいを見た友人の「それだけの金額はするよね」との感想に、ご自身も納得の出来栄えとのこと。
光庭やトップライトで「窓がない外観」へ
Nさんの住まいを外から見ると「窓がない家」との印象を持ちます。外部からの視線を屋内に届かせないよう3方を外壁で囲み、大開口サッシのあるリビングは庇(ひさし)を深くとって、その下にテラスという緩衝スペースを設けることで視線を遮っています。
建物に内包した吹き抜けのある光庭を主寝室と子ども部屋の間にひとつ、トイレとシャワールームが垂直に接する角にもひとつ。さらに洗面室などにトップライトを設けて、自然光を天井から屋内へ取り込み明るさを確保しています。また玄関に採用した乳白色のフィルムが間に入った合わせガラスは、光を拡散して実際の光量よりも明るさを増すとのこと。
「こちらの新居では外からの視線を気にしたことがありません。この建物なら周辺に家が増えてもプライバシーが保てると思います」と話すNさん。
趣味部屋のガレージ、ホテルライクな居室
「自分たちは“こだわり”がない」と話すNさん夫妻ですが、その仕上がりはまさに“ホテルライク”。フロアに採用した大判の磁器質タイル、LDの天井高は約3.5メートル、大開口にはリゾートホテルのようなサッシ、そこに取り付けた電動のバーチカルブラインドなどが、ラグジュアリーな空間を物語ります。「愛犬が走り回っても、この磁器質タイルならキズがつきにくいので安心です。水などをこぼしても拭き取るだけでいいですし、数年ごとにポリッシャーで磨けばツヤがよみがえるそうです」
リビング床のほぼ中央には埋め込み式のコンセントが設置され、冷凍冷蔵庫とスピーカーが内蔵されたスマートテーブルを設置。大型液晶画面のTVと絶妙にマッチしています。
そしてNさん専用のガレージは、メンテナンスも自身で手がけるという旧型のバイクをメインに、趣味の釣りに使う棹(さお)がズラリと立てかけられ、リビングに取り付けたTVと壁を挟んで向かい合う位置にPCやゲーム機などをセッティング。「友人がフラッと立ち寄っておしゃべりをして行く、そんな場所になっています」と笑います。
「アガベなどの多肉植物が好きで、その手入れもガレージで。今は庭をドライガーデンにしようと計画中」と、自分たちらしさを住まいにプラスしていく過程を楽しんでいる様子です。
一方、奥さまは「特に趣味はなく、のんびり過ごすのが好き」とのこと。子どもたちが庭でシャボン玉を飛ばしたり、水風船を割ったりして遊ぶ様子を、リビングのソファにゆったり腰かけながら見守る時間がお気に入りだそうです。
写真ギャラリー
住まいの機能の先に「魅力」をプラス、細部まで繊細に仕上げる意匠性
Style Create 一級建築士事務所 代表取締役 照屋秀吾さん
Nさん夫妻からの依頼は「ほぼお任せ」で、プランニング当初は戸惑いを感じたと話すスタイルクリエイト一級建築士事務所の照屋秀吾さん。しかし「自分の家を建てる気持ちで」と考え方を切り替えると、次々にアイデアが湧いてきたといいます。
住まいの機能性と居住性、Nさん一家のライフスタイルにしっかりと寄り添った上で、その先の目標は「見せる家」と設定されました。一見すると「プライバシー性を高めた家」と矛盾するようですが、外からの視線を屋内に届けない「窓がない家」の外観を持ちつつ、4方向のどちらから見ても、“ファサード”と表現できるスタイリッシュな意匠を実現しています。
「電気の引き込み線で端正な外観を損ねないよう、敷地の隅に電柱を立て電線は駐車場の下を通して内部へ引き込むよう設計しています。これは台風時の断線の心配も軽減すると思います」
また「個室や水回りに光庭やトップライト、玄関には合わせガラスの壁を採用し、内側に自然光を取り入れる工夫をしています」との説明にあるように、屋内はホワイトや淡いベージュを基調とした内装と相まって明るく清々しい空間に仕上がっています。
ポーチ、玄関のタタキ、居住スペースと、大判タイルのシックな取り合わせもNさんの住まいの魅力。「耐久性やメンテナンス性に優れているタイルは、上質感を演出します。当社ではタイルをコンクリートの土間に直貼りせず、木のフローリングと同じように床下を造っています」と照屋さん。また室内は塗装仕上げとしているため、汚れなどがついた場合も上塗りで消したり、模様替えなどのカラ―チェンジも容易に対応できます。
リビングや個室は、クーラーの室外機を庇(ひさし)や屋上に取り付けるため、天井を少し掘り込むような設計で室内機を高い位置に設置。その結果、すっきりとした見た目とともに空間がより広く感じる効果ももたらしています。また庇の縁を立ち上げて室外機や雨どいを見えないようカバーしています。
シャワールームやトイレの換気扇は目隠し壁で囲まれた光庭方向へ設置し、天井部の一部のみを吹き抜けにして風通しをよくした物干し場もプライバシー性が高まりました。
生活を感じさせる雑多なものを「見せない」ことでかなえる「見(魅)せる家」。長く住まう家族の希望にデザイン性をプラスするスタイルクリエイトの提案が、洗練を好む人々に選ばれる理由となっています。
設計・施工会社
Style Create 一級建築士事務所 有限会社 秀林組
TEL:098-934-7338 | https://www.stylecreate.net