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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

アートと暮らしが映える 自然光あふれる勾配天井の家

アートと暮らしが映える 自然光あふれる勾配天井の家

DATA
設  計: Arms DESIGN 那覇
     (担当/西村修)
敷地面積: 606.55㎡(約183.48坪)
建築面積: 191.02㎡(約57.78坪)
延床面積: 163.59㎡(約49.48坪)
用途地域: 第一種中高層住居専用地域
構  造: 鉄筋コンクリート壁式構造
完成時期: 2019年8月
建  築: 株式会社 セイシン住興
電  気: 株式会社 山川電気
水  道: 有限会社 大晧設備

周りを高い建物で囲まれ、プライバシーと開放感を両立した設計を実現。
空間そのものがアートのようなスタイリッシュなお住まいです。

週刊かふう2025年1月29日号に掲載された内容です。

アートと暮らしが映える 自然光あふれる勾配天井の家

高窓や光庭から採光し、視線はスマートに遮断

 スタイリッシュな構えの駐車場からお住まいへと進み、エントランスを通って光庭やアート作品が出迎えてくれる玄関ホールを抜けると、勾配天井に仕上げた約21.5帖の伸びやかなリビング・ダイニング、雪見障子や小上がりが趣を添える和室など、和と洋がモダンにとけ合った空間が広がります。

 お父さまから畑を譲り受けてマイホームを建てることになったKさん夫妻。広い敷地にゆとりあるレイアウトの平屋が完成したのは4年ほど前のことです。東側は約3.4メートル高くなった住宅地、北側には3階建てアパートがあり、その位置関係から外部の視線が気になる場所でした。
 そこで道路に面して視界が開けた南側にガレージと庭を割り当て、その後方に住まいとなる建物を据えて、要所で目隠しつつ豊かな採光・通風の計画を練ったマイホームを実現しています。西側の一部には畑をそのまま残し、庭にはお父さまから贈られたツゲの木をシンボルツリーとして植えています。

 庭に臨むリビング・ダイニングはハイサイドライトや大開口を設け、光庭やデッキテラスのある和室にも明るい光がたっぷりと差し込む設計。その周りに主寝室、ウォークインクローゼット、ホビールーム、水回り、キッチンをL字型に配置した間取りは、家族や友人たちが集うパブリック空間と住まい手のプライバシーを高めたい空間をゾーニングして、スムーズな生活動線を構成しています。

アートと暮らしが映える 自然光あふれる勾配天井の家

アートや洗練の家具が空間をランクアップ

 ご自身も絵を描くというKさんはアート作品への造詣が深く、玄関やリビングの壁に数々の絵画、アルコーブに地球をモチーフにした陶芸のオブジェ、和室の床の間にチブルシーサー(焼き物のシーサーの頭)などをセンスよくディスプレーしています。
 またキッチンの横には凝ったデザインの大きなアンティーク調カップボードが置かれ、奥さまは「家具屋さんの奥で長く残っていたというこの家具を見た瞬間、ふたりとも一目ぼれしてしまい、まだマイホームの話も出ていない頃でしたが買ってしまいました」と笑顔で回想します。
 心から好きなもの、感性に響くものに囲まれた暮らし。それを体現しているのがKさんのお住まいです。

アートと暮らしが映える 自然光あふれる勾配天井の家

こだわり抜いた素材・色・機能

 飲食店を経営するKさんは天然木を仕入れるルートから、お気に入りの「木」を買い求めてはストックし、店舗づくりの際に活用しているとのこと。マイホームでも、玄関ホールのカウンターや和室の座卓に琉球銘木・センダンの木を用いたオリジナル家具を造作してもらいました。
「精悍(せいかん)なコンクリートとぬくもりを感じる木を組み合わせた家にしたいと思っていました」とKさん。

 奥さまは半個室にしたキッチンにオールステンレスのシステムをオリジナルで造ってもらいました。「いろいろな製品を見ましたが自分の使い勝手には少し物足りなく、必要な機能や配色のスケッチを描き起こして相談しました」と、そのイメージが再現された出来栄えに大満足しているそうです。「たくさん見たからこそ、自分に必要なものがくっきりとしてきました」

 おふたりのこだわり抜く姿勢は、床と同じ木材で立ち上がった壁が天井にゆるやかな曲線を描く主寝室、夜空を眺められる天窓のあるバスルームなど、そこかしこに見つけることができます。
「掃除や整理整頓がしやすい住まいにしたい」と、あえて収納は大きく取らず、ファミリークローゼットのみに絞っています。「収納スペースがあると不要なものまでため込みそうで、和室の小上がりにも収納は付けませんでした」とKさん。
 自分たちの望むライフスタイルをしっかりと見つめて、とことんこだわり抜いたKさん夫妻のステキなお住まいです。

写真ギャラリー

アートと暮らしが映える 自然光あふれる勾配天井の家

住み手の「こだわり」を設計へと変換し、「+α」を提案してスタイリッシュな住まいへ

Arrms DESIGN 那覇/西村 修さん

「施主のKさんとは店舗設計を含めて4回目のお付き合いとなります」と話すアームズデザイン那覇の西村修さん。プランニングの第1歩は土地が持つ条件を整理して、コンセプトの方向性を明確化することにあるといいます。
 Kさんがマイホームを建てることとなった敷地は、お父さまがマンゴー畑として使っていた広い土地です。北と東の2方向が高い建物に囲まれており見下ろされる位置関係。プライバシーを確保しつつ住まいとしての開放感をいかに導き出すか。地区の景観条例に沿うよう勾配屋根を採用した場合のファサードを、どのようなデザインで描きだすか。家相や風水に関心のある奥さまの意向もくんで、道路に面する南側に開けたレイアウトを提案しました。

 正面からのフォーカルポイントは数台が駐車できるワイドなガレージ。そのスケール感と梁のないスタイリッシュなデザインを実現するためボイドスラブ工法を採用し、軽量化と剛性をかなえています。その奥は全面をアルミルーバーで仕上げて後方に建つ居住空間への通気性を高めています。

 南からの自然光をたっぷりと取り込めるよう、庭に臨むリビング・ダイニングには勾配天井を生かしたハイサイドライトを設けました。両端は開閉できるので通風性も良好です。また玄関ホールと和室、一部をガラス張りにしたバスルームには光庭を、和室の西側や水回りの北側にはデッキテラスを設けて、高く設定した外壁とあわせて周りからの視線を遮りつつ、採光と通風に配慮した開放的な空間へと仕上げました。

 奥さまがご自身の使い勝手や好みを熟考しながらイメージスケッチを描いた半個室のキッチンは、シンクやレンジまでオールステンレスのオリジナルオーダーです。壁は深い緑色のタイルやバターイエローのニュアンスカラーをアクセントとして配色し、ご夫妻のオシャレな生活スタイルが伝わるインテリアに仕上げました。キッチンやバスルームは在来工法ならではの自由度の高いオリジナルデザインを実現できました。

“やわらかな空間”をテーマにした寝室は床から天井まで同一のチーク材を使ってゆるやかな曲面でつなげています。またトイレもカーブをつけたカウンターを造作しました。
 住まうご家族の理想や夢、取り入れたいものをヒアリングで明確にし、「できること」と「できないこと」を整理しつつアームズデザイン那覇ならではの「+α」を盛り込み、できるだけ理想に近づけたプランをプレゼンテーション。スケッチや画像などの具体例を示しながら話しあいを重ねて、プランを進めていきます。

設計・施工会社

Arms DESIGN(アームズ デザイン)那覇

TEL:090-8340-6817https://armsdesign.ti-da.net/

TEL:090-8340-6817https://armsdesign.ti-da.net/

那覇市松川1-4-1 1F

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