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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

日常と非日常が同居する空間でセカンドステージを思い切り楽しむ オーシャンフロントに建つ邸宅

日常と非日常が同居する空間でセカンドステージを思い切り楽しむ  オーシャンフロントに建つ邸宅

DATA
設  計: アイムホームデザイン
     (担当/仲順裕二)
敷地面積: 315.87㎡(約95.55坪)
建築面積: 147.20㎡(約44.52坪)
延床面積: 131.65㎡(約39.82坪)
用途地域: 未指定
構  造: 鉄筋コンクリート造 2階建て
完成時期: 2024年
建  築: 株式会社 アイムホーム
     (担当/屋比久・国吉)
電  気: オーシロ電機(担当/大城)
水  道: 日信工業 株式会社
     (担当/伊野波)
キッチン:パナソニックリビング株式会社
     (担当/又吉)

充実した第二の人生を楽しむために、海沿いの土地を購入して新居を構えたOさんご夫妻。
機能的で使いやすい生活スペースの横には、屋外プールやゴルフのシミュレーションルームなど遊びの要素が満載。
目の前に広がるオーシャンビューの眺望に加えて、静寂の中に響く波音も心地良い、心が解き放たれる住まいです。

 

週刊かふう2025年2月7日号に掲載された内容です。

日常と非日常が同居する空間でセカンドステージを思い切り楽しむ  オーシャンフロントに建つ邸宅

フロアレベルを調整してオープンな眺めを楽しむ

 今回ご紹介するOさん宅は、保養目的で建てたセカンドハウスではなく、人生のセカンドステージを楽しむために新築した生活拠点です。にぎやかで利便性が高い場所にある那覇市内のマンションから、閑静でリゾート感あふれる海沿いの家へ。ライフステージの変化とともにライフスタイルも一変しました。
「夫婦ともに若い頃からマリンスポーツが大好きで、海の近くでいい土地が見つかれば、プール付きの家を建てて移り住もうと前々から計画していました。仕事はリタイアしたので、今は思う存分、毎日アクティブに動き回っています」とご主人。以前まで暮らしていたマンションは、用事の際などに宿泊するための第二の拠点になりました。

 現在の土地は6年ほど前に購入し、広さは100坪弱。遊歩道1本を挟んで遠浅の海が広がるこの上ないロケーションです。「夫婦2人暮らしになれば、過剰な広さは不要。使い勝手のいい平屋にしよう」と考えていましたが、目の前の遊歩道は堤防の上を通っており、元の地盤面に建てるだけではせっかくの眺望が遮られてしまいます。歩行者からの目線にも配慮する必要があり、Oさんは現地状況を踏まえて自ら視線の流れをシミュレーションし、「遊歩道より1.8メートル高い位置をフロアレベルにすれば、オープンな暮らしが楽しめる」ことを確認しました。

 依頼した建築会社はネットで探し当てました。「住宅だけではなくホテルも手がけている。私たちが求めている新居はまさに日常と非日常が混在したスタイルだから、それぞれに実績があるのは心強い」と判断しました。

日常と非日常が同居する空間でセカンドステージを思い切り楽しむ  オーシャンフロントに建つ邸宅

生活の場であるLDKの隣にプールとゴルフルーム

 敷地の海側スペース全体を占める屋外プールは、泳いで良し、くつろいで良しのこだわり仕様。のびのびと泳げるだけの広さに加え、水中に立った状態で眺望が楽しめるように水深を深めに設定しました。プールサイドにはBBQテーブルや流し台が置かれ、「昨年5月の入居直後からゲストを招く機会が多く、毎日がパーティーのようでした」。

 プールからリビングダイニングを挟んだ向かいには、Oさん宅のもう一つの特徴であるシミュレーションゴルフの専用ルームがあります。クラブをスイングしてもぶつからないように部屋のボリュームを調整したり、スクリーンや機器類を設置できるだけの広さを確保したり、専門業者と事前に打ち合わせをして新居のプランに落とし込みました。
 居室はLDK・ベッドルーム・ゲストルームのみ。敷地を東西に横断するように直線上にレイアウトされており、動線がコンパクトで、どこからでも水回りへのアクセスがスムーズです。
 その中で生活の中心であるLDKは、屋外プールに面して大きく開口が取られたワンルーム的な空間です。窓の外には穏やかな湾と見渡す限りの空が広がり、プールを介して内と外が緩やかに一体化。「当初はプールサイドにフェンスを設けず、より広大な眺めを楽しんでいたのですが、愛犬の安全対策で必要になってしまって」とは言うものの、心地良い視線の抜け感が減じることはありません。
「夜の雰囲気もいいんですよ。プール全体がライトアップされ、湾の対岸の夜景がとてもきれいなんです」。
 非日常感あふれる生活シーンに、心満たされる毎日です。

写真ギャラリー

日常と非日常が同居する空間でセカンドステージを思い切り楽しむ  オーシャンフロントに建つ邸宅

生活と遊びの要素をバランスよくレイアウトし、所与の空間を無駄なく有効に活用する

プールからの視線の広がりやゴルフスイングの動きを緻密に計算
新鮮な空気が家中を巡る、立地環境に即した開口・通風計画

左から、株式会社 アイムホーム代表取締役社長・三家本真大さん、営業担当・比嘉桃子さん、國吉ゆきのさん、一級建築士・仲順裕二さん

 屋外プール、シミュレーションゴルフといった遊び心ある要素に重点を置きつつ、日常の生活拠点として、ストレスなく快適に暮らせる動線・レイアウトを整備することが今回の大きなテーマでした。また「生活空間は平屋にして、遊歩道より高いレベルにプールを置きたい」、「シミュレーションゴルフを導入するには最低これだけのボリュームが必要」との要望を計画当初からいただいていたため、車3台分の駐車場を含めて、限りある空間をタテヨコに無駄なく使うことも求められました。

 全体的な方向性としては、オーシャンフロントであることを好んでOさんが購入した土地のため、海沿いのエリア一帯に、敷地全体の4分の1の面積を割いて屋外プールを配置。サイズや深さを調整するだけではなく、プール内にテープライトを仕込んで雰囲気を演出したり、ポンプ室が目立たないようにデッキ材を施工したり、細かな工夫を盛り込みました。プールの水面と水平線が重なり合う「インフィニティプール」も検討しましたが、水が流れ落ちる真下が遊歩道になっているため断念。それでも外塀を極力なくして視線の抜け感を確保し、開放感あふれる眺望を最大限に取り込みました。

 メインの居室となるLDKとベッドルームは、どこにいても海が見えてリゾート感が味わえるように、プールに面して直線上に並べて大きく開口部を設置。ただし台風などの悪天候時は飛来物や浸水の危険が伴うため、すべての窓に雨戸を備え付けました。

 海とは反対の道路側には、玄関ホール・廊下に沿って水回りとゲストルームを置き、リビングの隣には駐車場へせり出すようにしてシミュレーションゴルフの専用ルームを設けました。玄関とLDKはあえて直結させず、間にホール・廊下を置いてワンクッション挟んでいるのは、公私の境界があることを意識付ける意図もあります。その中で新鮮な空気を家中に巡らせるため、玄関ドアは閉めたまま通風ができるタイプを採用し、海側・道路側の風の流れを促しています。

 フロアレベルを上げることで生まれた段差は、主にストックヤードとして活用しました。太陽光発電システムを搭載しているため蓄電池を保管したり、屋外から荷物の出し入れができる外部倉庫にしたり、目が届かずリゾート感を損ねない場所に設置しています。

設計・施工会社

北谷町桑江1-7-12

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