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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

爽快な時の流れが家族を包む 未来へ続く二世帯住宅

爽快な時の流れが家族を包む 未来へ続く二世帯住宅

DATA
設  計: 株式会社
     デザインネットワーク
     (設計担当/島田潤)
敷地面積: 195.30㎡(約59.08坪)
建築面積: 90.31㎡(約27.32坪)
延床面積: 194.06㎡(約58.70坪)
用途地域: 第一種住居地域
構  造: 鉄筋コンクリート造 3階建て
完成時期: 2022年10月
建  築: 米元建設工業株式会社
電  気: 克電気工事株式会社
水  道: 有限会社海西工業

週刊かふう2025年5月9日号に掲載された内容です。

爽快な時の流れが家族を包む 未来へ続く二世帯住宅

将来の変化に追従する拡張性の高いプランニング

 今の暮らしにフィットしているだけではなく、ライフスタイルの変化に無理なく追従し、将来への拡張性をも備えていること。糸満市の大通り沿いに建つUさん宅には、床面積60坪弱のRC造2層3階建て、という字面のスペックでは推し量れないほどのポテンシャルが秘められています。
「居室はあまり細分化せず、必要に応じて仕切ればいいので、3階子ども室はオープンに。仕事の関係上、3階の一角に書斎をつくりましたが、いずれは1階全体を事務所にすることも考えています」とご主人。

 例えばファサードの外壁に3段並んだ板張りスペースのうち、1階だけその面積が広いのは、事務所のエントランスとしての使用を想定しているためです。今回の家づくりに際し、ご夫妻ともに「大きなこだわりはなかった」と振り返りつつ、将来に向けた構想はしっかりとプランに反映されています。

 現在の住宅形態は、1階を親世帯、2、3階を夫婦と子ども3人が住む子世帯にした完全分離型の二世帯住宅です。以前まで同じ場所にはご主人の実家がありましたが、老朽化が進んだため建て替えを検討し、「住宅誌を見ていたら雰囲気抜群の家があり、設計した建築家の方もとても話しやすくて何でも相談できたので」と依頼を即断。新居は2年前に完成しました。

爽快な時の流れが家族を包む 未来へ続く二世帯住宅

吹き抜けと大開口テラスで数字以上の開放感を創出

 建物の構造はRC造ですが、2、3階の子世帯は木の温かみあふれる空間に仕上がっています。リビング回りは吹き抜けになっているため開放感があり、さらに南側に大きく取られた窓とテラスを介して内外が連続。視線が自然と縦横に広がります。
「キッチンからすべての場所を見渡せるようにしたかったので大満足です。居心地がいいせいか、気付くとキッチンで長居していることがよくあります」と奥さま。コンパクトにまとまった家事動線も気に入っており、「水回りとファミリークローゼットが直線上に並んでいるから、身の回りのことが効率的に行えてとても便利ですね」。

 この場所で生まれ育ったご主人も「以前は1階だけが生活スペースだったので、景色を楽しむという意識がありませんでした。今はテラスからの眺めがよくて、本当に気持ちいい」と目を細めます。「天気がいい日はテラスで朝食を取ったり、夏にプールを置いて子どもたちと遊んだり。周囲の緑も程よい借景になっています」。
 建て替えを経たUさん宅には心地よさと使いやすさが加算され、過去から今、そして未来へと、家族の軌跡が引き継がれています。

写真ギャラリー

爽快な時の流れが家族を包む 未来へ続く二世帯住宅

一級建築士 島田潤さん

 将来のライフスタイルの変化を見据えて設計した住宅です。構造部分は耐久性の高いRC造でつくり、2、3階の居住スペースをはじめ外壁の窓回りは、必要に応じて自由に改装できるように木造で仕上げました。
 例えば1階ファサードには、ご主人が事務所を開設した時に広々としたエントランスをつくれるように、木造部分を大きく確保。またUさん宅のすぐ背面には親類宅があり、いずれ建て替え予定と聞いていたので、3階を渡り廊下でつなぐことも想定に入れてプランに落とし込みました。

 平面プランとしては、南側に大きく開口を取って光と風を取り込み、内外を緩やかにつなぐ中間領域として2階リビングの隣にテラスを設置。テラスの頭上には深い庇を延ばし、雨端的な空間を創出しました。一方で前面道路に接する西側は開口面積を抑え、水回りをぐるりと北側まで並べて直射日光の影響を軽減。いわば沖縄の伝統的な家屋形態を手本にしながら、時代に合うように調整・昇華させています。

設計・施工会社

株式会社デザインネットワーク

TEL:098-858-2008http://www.dn-okinawa.com/

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那覇市山下町1-24 サンビル3F

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