光と動線を丁寧に編み込んだ カフェテイストの爽やかな平屋

- DATA
- 設 計: 株式会社 建築工房ibox
(担当/比嘉功) - 敷地面積: 348.81㎡(約105.51坪)
- 建築面積: 96.65㎡(約29.23坪)
- 延床面積: 91.58㎡(約27.70坪)
- 用途地域: 未指定
- 構 造: 壁式鉄筋コンクリート造
- 完成時期: 2025年2月
- 建 築: 株式会社 建築工房ibox
(担当/比嘉功) - 電 気: 宮里電化(担当/宮里)
- 水 道: 宮里電化(担当/宮里)
- キッチン: タカラスタンダード 株式会社
※週刊かふう2025年12月5日号に掲載された内容です。

スタイリッシュなキッチンと開放的なリビングダイニング
白を基調にした明るく爽やかな内装に、天井を木目調で仕上げたキッチンが映えます。深いグレーのフロアキャビネットに合わせて立ち上げカウンターを造作し、ペンダントライトをつり下げて、背面の壁には”見せる”オープン棚を設置。木のぬくもりとスタイリッシュさがマッチしたその装いは、Kさんご夫妻が目指していた「お気に入りのカフェのようなデザイン」そのものです。
天井高を抑えたキッチンに対し、隣り合うダイニングとリビングはボリューム満点。4m近くの高さがあって吹き抜けのような開放感があり、「遊びに来た親類や友人にも、広々していて気持ちいいと好評です」と奥さま。天井近くにはハイサイドライトが南北2面に取られ、優しい光が差し込んできます。
LDKは南北に細長い躯体形状に沿った直線的なレイアウトです。キッチンはダイニングと横並びに配置されているため、「料理の準備や後片付けがスムーズ」というメリットがあることに加えて、「台所で作業しながらデッキ越しに屋外の様子を眺められ、ダイニングの隣にある和室も見渡せます。新築直後に子どもが生まれ、どこにいても目が届くので安心です」。

家中をぐるぐる回れる行き止まりのない動線設計
子育てしやすい空間構成は、誰にとってもユーザーフレンドリーで、ひいては家族全員の住み心地を高めます。キッチンは壁から離れたアイランド式で、ダイニングと反対にある子ども室側にも通路が設けられ、「行き止まりがなくぐるぐる回れるから、ハイハイの練習に最適です」。また和室は小上がりになっており、大人が腰掛けるだけではなく、つかまり立ちの練習をするのにちょうどいい高さになっています。
回遊性のある動線設計は水回りにも採用されています。家の西側には、LDKと平行するようにサニタリーが直線上に並び、さらにクローゼットを通り抜けて主寝室ともつながっています。LDKとの間にはキッチン・ダイニングそれぞれにアクセスできる通路があり、家事や身の回りのことを効率的に行えるほか、「バックヤード全体が明るく清潔な雰囲気になるように、洗面室上部にトップライトを入れてもらいました」といった工夫も施されています。
家づくりは奥さまが主導して進めましたが、その中でご主人のこだわりは、ソファはリビングの壁際に置いてスペースを確保すること、玄関は可能な限り広くすること。ご夫妻の意向がバランスよくかみ合って、想像以上に快適な住まいが形になり、親子3人で幸せをかみしめる毎日です。
写真ギャラリー

コンパクトながらも変化に富んだプランニング
株式会社建築工房 ibox 一級建築士:比嘉功さん
敷地南側に間口がある旗竿地で、南面には隣家が近接。半ば必然的に、東側に大きく開く方向でプランを組み立てました。しかし設計途中、和室を今の位置(東側ほぼ中央)に移したいとの要望があったため、採光計画を再構築。デッキテラス回りに掃き出し窓を並べるのは当初からの予定通りでしたが、十分な明るさを補えるように、LDの天井高を一段上げてハイサイドライトを設けました。また和室が閉じた印象にならないように、吊り押し入れにして地窓を設置し、LDKから見たときの視線の抜け感を確保しました。
結果的にLDとキッチンの天井高に大きな差が生まれ、さらに和室を小上がりにしたことで、空間としては連続していながらも縦横の変化に富んだメリハリのあるプランになりました。デザイン面ではKさんの要望に沿って素材を選定し、必要に応じて造作で仕上げました。室内壁は主に漆喰を使用し、外壁はコンクリート打ち放しにしています。
設計・施工会社
株式会社 建築工房ibox
TEL:0980-59-6987 | http://okinawa-ibox.com/










