おもてなしの場と居住性を両立 人が集うおおらかでモダンな家
- DATA
- 所在地:うるま市
- 家族構成:夫婦、子ども3人
- 設計:Style Create一級建築士事務所(担当/照屋秀吾)
- 敷地面積:433.41㎡(131.10坪)
- 建築面積:135.22㎡(40.90坪)
- 延床面積:131.24㎡(39.70坪)
- 用途地域:第一種低層住居専用地域
- 構造:壁式鉄筋コンクリート造
- 完成時期:2018年3月
- 建築:(有)秀林組(担当/照屋秀吾)
- 電気:(株)丸輝電気(担当/田里等)
- 水道:ワタル設備(担当/宮里航)
- キッチン:LIXIL(株)共立創建(担当/清水裕也)
うるま市の閑静な住宅地で一際目を引くモダンな佇まいのSさん宅。ホームパーティーを催すのが好きなSさんのリクエストに応えた開放的な空間と、家事が効率よくこなせる快適性を両立した、家族もゲストも心地よく過ごせる住まいです。
単身赴任生活を送りながら 夫婦二人三脚の家づくり
結婚当初から、「いずれはマイホームを」と考えていたSさんが、具体的に動き始めたのは消費税増税がきっかけ。「8%から10%に引き上げられる前に、父が提供を申し出てくれた土地に何としても建てよう」と、住宅情報紙やインターネットなどで情報収集し、住宅完成見学会にもこまめに足を運んだといいます。
Sさんご夫妻がイメージしたのは、人が集まる開放的な家。社交的なSさんは「寝室は狭くてもいいので、ゲストがくつろげる広々とした空間をつくりたかった」といい、奥さまのほうも「主人と一緒に料理が楽しめるキッチン。なにしろ主人はおもてなし料理がとても上手なので」と方向性は一緒でした。ほかにも、ワインセラーやグラスをインテリアに馴染ませることや、仏壇を置くための和室も希望しました。
情報収集していくうちに設計の依頼先候補は3社に絞り込まれ、最終的に「考え抜かれた家事動線や間取り」を提案した建築士を家づくりのパートナーに。「実はまったく営業トークがなかったのも決め手のひとつ。自信の表れともいえますからね」とSさんは話します。
契約を済ませて本格的に家づくりが始まるという段階になって、Sさんに東京勤務の辞令が下りてしまいます。「私は単身赴任生活を送りながら、妻は私の実家で2人の息子を育てながらの家づくりでした。打ち合せは月に1回、多くても2回。帰省するタイミングに合わせて行いましたが、私たちの考えを的確にキャッチして計画的に進めてくださったので助かりました」と振り返ります。
マイホームの完成後は、東京勤務を終えたSさんが家族の元に戻り、さらに3人目のお子さまも誕生。5歳、3歳、0歳の子ども3人の子育てで、ご夫妻はますます賑やかな毎日を送っています。
庭で遊ぶ子どもたちをキッチンから見守る
箱・壁・フレームを組み合わせたインパクトのある外観デザインが目を引くSさん宅。美しく仕上げられた杉板打ち放しのファサードが、家族のプライバシーを守ると共に暮らしに彩りを添えます。
内部はLDKをメーンに子ども室と和室、寝室を配置。おもてなしの場であり生活の中心でもあるLDKは、天井高が3.6メートルもあり大人も子どもも伸び伸び過ごせる開放的な空間。南側の庭に面した大開口から常に空や光を感じ取ることができ、吸い込まれるように視線が空へと向かいます。
社交的なSさんと奥さまが最もこだわったキッチンには、ずらっと皿を並べて料理を盛り付けられる作業台を設置。「床の色合いもこの作業台に合わせて決めた」というほどのこだわりで、Sさんは腕を振るう機会を心待ちにしているご様子です。さらに隣接する壁一面に収納が設けられ、おもてなし用の器やグラス、ワインセラーなどを収めています。
キッチンからはリビングはもちろん庭まで見渡すことができます。奥さまは「友人が子ども連れで遊びに来た時は、キッチンに立ったまま会話が弾むことも。でも、ここから子どもたちの様子を見守ることができるので安心感があります」と話します。
一方で寝室や浴室などのプライベートな空間を来客動線から切り離して配置したり、キッチンや水回りを回遊動線でつなげて効率的に家事がこなせるようにしたりと日常生活における機能性も重視してつくられているので快適に過ごせます。
「子どもたちがもう少し大きくなったら、庭にテントを張ってキャンプもいいですね。ピザ窯づくりにも挑戦したいですね」と楽しみは尽きることはなさそう。家族が笑顔で暮らし、その笑顔に引き付けられるように人が集うSさん宅の歴史は始まったばかりです。