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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

光と陰影が交差する狭小地のコートハウス

光と陰影が交差する狭小地のコートハウス

DATA
所在地:那覇市
家族構成:夫婦、子ども3人
設計:有限会社門一級建築士事務所(担当/金城司)
敷地面積:113.85㎡(約34.44坪)
建築面積:68.12㎡(約20.61坪)
延床面積:137.49㎡(約41.59坪)
構造:壁式鉄筋コンクリート造2階建て
用途地域:第一種住居地域
完成時期:2018年2月
建築:LSDdesign株式会社(担当/新里宜広)
電気:屋宜電気工事(担当/新高悟)
水道:Hys企画(担当/前城裕二)
キッチン:Panasonic(担当/具志堅政弘)

三方を建物に囲まれた約34坪の敷地に、コンクリート打ち放しのコートハウスを新築したTさんご夫妻。中庭と一体的につながったLDKは明るく開放感があり、土地の制約をまったく感じさせないほど。
2階水回りの使い勝手もよく、日中とは異なる夜の雰囲気もお2人のお気に入りです。

光と陰影が交差する狭小地のコートハウス

中庭やトップライトから 柔らかな光が届く

 訪れた午前10時頃、2階トップライトから差し込む一筋の光が、まるで階段伝いに下りてくるようにその傾きに沿って、1階まで真っすぐに延びています。「グッドタイミング。こんな風に光がきれいに見られるのは、今の時期はこの時間帯だけだから」とご主人の案内に従ってリビングへ。室内を照らす柔らかな光と、武骨なコンクリート打ち放しの壁のコントラストはどこか神秘的。ここが都市部であることはしばし忘れて、洞窟内の隠れ家に潜んでいるような安心感に包まれます。
 Tさん宅が建つのは、三方を建物に囲まれた広さ約34坪の狭小地。将来のマイホーム用地として8年前に購入し、子どもたちの進入学のタイミングに合わせて本格的に準備を始めました。
「コンクリート打ち放しの家にすることだけは最初から決めていました」と振り返るご夫妻。ネットや雑誌を調べて依頼候補をピックアップし、最終的に今回の建築士事務所にお願いしたのは、「私たち自身も気付かなかったような要望やイメージを上手に引き出し、形に表してくれたので。初めての顔合わせの後、製作・提案してくれた住宅模型も、一目で雰囲気のよさが感じられるものでした」。
 住宅のタイプで分類すれば、Tさん宅はコートハウスです。1階リビングの隣に、2階まで壁に覆われた中庭(コート)があり、周囲の視線を遮りながら光や風をたっぷりと取り込んで、快適な室内環境を確保。さらにリビングだけではなく1階和室も、2階子ども室やバスルームも、中庭に面してレイアウトされているため家中が開放感にあふれ、唯一明るさが抑えられているのは、洞窟の入り口のような玄関くらいです。

光と陰影が交差する狭小地のコートハウス

床のチークに合わせて 内装の色味を統一

 コンクリート打ち放しの壁と天井に添えるのは、チークの無垢フローリング。「床の色をまず決めてから、それに合わせて他のデザインを整えていきました」と話すように、建具や木部は同系色でそろえ、キッチンのシンク台と収納には木目調を選び、サッシもシルバーではなく黒を採用しました。色味を絞って統一しているため見た目もすっきりとして清潔感が漂い、実際の数字以上の広さが感じられます。
 間取りは1階にLDKと小上がりの和室、2階に主寝室、子ども室、水回りを置いたシンプルな構成です。「面積が限られているため家族が集う空間はできるだけ広く。個室は最小限に」との要望に従い、1階は中庭を含めてワンルーム的なつながりを確保。それでも小さいながらも和室の一角に書斎風のスペースをつくる余裕があり、キッチン脇にはパントリーを設けることもできました。

光と陰影が交差する狭小地のコートハウス

 実際に2年間暮らしてみて、夫婦ともに「住み心地向上の一つのキーポイントになっている」と感じているのが2階水回りです。視線がしっかりコントロールされているとはいえ、中庭に面したバスルームは大胆さにあふれたスペースで、「空を仰ぎながらシャワーができる。開放的でとても気持ちいいですよ」とご主人。一方で奥さまは、そのバスルームを含めた水回り動線の使い勝手がお気に入り。何をするにも最小限の労力で効率的にこなすことができ、「新居に移ってから家事が格段に楽になりました」。
 予期せぬうれしい発見も数多く、その一つが夜の心地よさ。要望通りの広さと明るさを実現した日中とは対照的に、日暮れ後に中庭の照明をともせば、LDKとは切り離された別空間が浮かび上がります。光と陰が織りなすこうした空間の演出が、日常生活の充実につながっているのかもしれません。

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