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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

沖縄の住宅紹介

技術・素材・経験を駆使した 優しい空気に満ちた木造住宅

技術・素材・経験を駆使した 優しい空気に満ちた木造住宅

DATA
所在地:八重瀬町
家族構成:夫婦、子ども2人
設計:株式会社琉球住樂一級建築士事務所(担当/伊良皆盛栄)
敷地面積:1350.60㎡(約408.56坪)
建築面積:226.07㎡(約63.39坪)
延床面積:196.82㎡(約59.54坪)
用途地域:未指定
構造:木造軸組工法2階建て
完成時期:2019年7月
建築:株式会社琉球住樂
電気:有限会社山城商工(担当/照屋盛文)
水道:有限会社海西工業
キッチン・家具:琉球住樂オリジナル(担当/嶺井典子)
UB・トイレ:TOTO株式会社
エコキュート:株式会社長府製作所
内部建具:有限会社照屋木工所
外部建具:株式会社エクセルシャノン
外溝:金勢造園
屋根:有限会社八幡瓦工場
左官:施工/當山官業、材料/与那原漆喰
大工:内部/大友内装(棟梁/親富祖憲雄)
外部/金城工業(棟梁/金城清正)

伝統的な沖縄家屋のエッセンスを踏襲した、未来志向の木造住宅が昨年7月に完成。太陽光発電とオール電化を組み合わせ、エネルギー利用の効率化を図るとともに、無垢材と漆喰を多用して仕上げた室内空間が、住み心地を高めています。

※週刊かふう2020年7月24日号に掲載された内容です。

技術・素材・経験を駆使した 優しい空気に満ちた木造住宅

先進の省エネ技術を生かした、家計と体に優しい家づくり

 サトウキビ畑が周囲に広がる約400坪の静かな土地。住み替えのために購入したこの場所で、Oさんご夫妻が選んだのは、無垢材と漆喰でできた木造住宅でした。住宅紙を見て訪れた完成見学会が契機となり、当初は「木の家はもろい」とのイメージを抱いていたご主人も、現しの柱や梁がつくり出す力強い空間に「この建築会社なら」と納得。奥さまは最初に足を踏み入れたときの印象を挙げ、「空気がスッと浄化されたような感覚は今でも忘れられない」と振り返ります。
 Oさん一家は夫婦と子ども2人の4人家族です。プラン面ではLDKと和室を中心に生活スペースを構成し、子ども室はつくらずダイニング横に家族共用のワークスペースを設け、リビングと吹き抜けで結ばれた2階はオープンスペースに。また家族全員が本好きとあって、膨大な量の蔵書を収めた二つの広い図書室を家の東側に用意しました。以前の住まいでは壁面の至る所を書棚として活用していましたが、逆に「圧迫感が強かった」ため今回は専用ルームを確保。そのうちの一つは、三線の師範免許を持つご主人の稽古部屋を兼ねています。
 キッチン奥に集約した水回りは使い勝手がよく、何をするにも移動がスムーズ。今までは洗濯のたびに階段を上り下りする必要がありましたが、新居では洗う・干す・片付けるの作業がほぼ一カ所で完結します。
 オール電化の導入に合わせて、キッチンコンロは建築会社推奨のラジエントヒーターに。IH同様に凹凸がないので掃除が簡単なことに加えて、「遠赤外線効果でおいしく調理でき、種類を問わずどんな鍋類でも使える点がいいですね」と奥さま。木をふんだんに使ってデザインしたオリジナルのキッチン空間で、料理も一段とはかどります。

技術・素材・経験を駆使した 優しい空気に満ちた木造住宅

構造材の力強さと清涼な空気感に引かれ、木造を選択

 赤瓦を漆喰で塗り固めた屋根の外観は、まさに昔ながらの沖縄家屋そのもの。間取りも伝統的な要素を踏襲し、各居室・スペースの配置を調整している一方で、エネルギー面では先進的な試みが多数盛り込まれています。
 Oさん宅では広大な敷地を生かし、「離れ」として車庫を設置。屋根には発電容量8.7kWのソーラーパネルを搭載し、自家消費と余剰売電に充てています。また割安な深夜電力を利用して、夜間のうちにお湯を沸かすエコキュートを導入するとともに、新築に合わせて買い替えた電気自動車の充電をしています。以上が「設備」面でのポイントなら、「運用」面では全館換気・全館空調のシステムを採用し、年間を通してほぼ一定の室温を維持。これを調湿性のある漆喰や無垢材、熱の出入りを抑制する樹脂サッシといった素材がサポートし、住み心地を一層高めています。
 省エネの効果は目に見える形で表れ、以前の家は冷房がなかなか効かず、電気代だけで夏に毎月4万円近くかかっていたそうですが、現在は約1万2000円。さらに太陽光発電の売電収入と差し引きすると、毎月平均して実質5000円前後の利益が出ている状態になりました。
 緻密に練られたOさん宅の省エネ計画は、家計だけではなく体にも優しく、「同じ室温でも以前とは体感がまるで違う。体調もすこぶる良好です」とご夫妻。室内の快適さが担保されているからこそ、屋外環境の整備にも意欲が湧き、現在は家庭菜園や垣根の植栽を育成中。庭仕事のあとはお気に入りのキッチンにたたずみながら、「和室の窓の外に続く雨端空間の眺めが好き。奥に見える植栽がもっと成長すれば、今以上に趣が増すはず」と穏やかに話しています。

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