あなたの夢を暮らしを応援する
住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

ウェブマガジン

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A 憎たらしい嫁、素晴らしい嫁

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A 憎たらしい嫁、素晴らしい嫁

週刊かふう2026年4月10日号に掲載された内容です。

 

Q:うちの嫁は言うことを聞きません。とにかく反論ばかり。2階に住んでいて、台所にヒヌカンを置きなさいと指導しても無視します。実は、内緒でヒヌカンを買いました。嫁が仕事で留守中に置いてやろうと考えていますが、良い日があったら教えてください(本部町・Sさん・80代)

A:Sさん、大変、申し上げにくいのですが……今回のご質問、置くことに悪い日はあっても、良い日はなかなか難しいかもしれませんね。どうか、今一度ご再考いただけるよう、真心を込め、ご回答を書かせていただきたいと思います。

台所の数=ヒヌカンの数?

 昔、とあるユタの先生が、「3階建ての3世帯住宅には3つのヒヌカンが必要!」とおっしゃっていた記憶があり、ヒヌカン=台所(キッチン)と考えれば、家族であっても台所の数だけヒヌカンが必要とのご説明も理解できます。
一方、ヒヌカンの語源でもある荒神(こうじん)論からすれば、ヒヌカンは火を司(つかさど)る神でありながら、ジーチヌカン(地を司る神)・ミジヌカン(水を司る神)と共存する併神(へいしん・複数の神様の集合体)であることから、アパートの土地(ジーチヌカン)を1つと考えたとき、何階建てでも1つのヒヌカンで十分ということになります。
置き換えれば、Sさんの考え方は前述のユタの先生にちかく、お嫁さんの考え方は荒神論に近いのかもしれません。どちらに正解はなく、Sさんが人生の先を歩む立場としては、お嫁さんの成長をゆっくり見守っていかれるのも一案かと思います。

『言霊(ことだま)は山彦(やまびこ)の如し』

『言霊は山彦の如し』とは、大学院の恩師からいただいたお言葉です。Sさんが、「憎たらしい嫁!」と思えば、もしかしてお嫁さん、Sさんを「憎たらしい姑!」と思っているかも……です。その言霊の声は、山彦や『浄玻璃の鏡(亡者の生前を映し出す閻魔様ご愛用の鏡)』のように、いずれときに違いこそあれ、発した者、行った者に帰ってくるものだとご指導いただいた記憶があります。

 Sさん、『声色』という言葉をご存じでしょう。一般的には、『こわいろ』と読み、俳優さんの声の物まねや映画などの有名なセリフ回しを模倣することをいいます。一方、『せいしょく』と読むとき、言葉を発するときの声のトーン、言葉遣いや適切・不適切の内容、さらに顔の表情、仕草やジェスチャーまでの広範囲を含むといいます。とある分野では、『声色』を『声(音や言葉)』・『色(外見や表情)』に分割し、人と人がコミュニケーションをとる、とても大切な要素から成り立つとも言い伝えられています。
『声色』は、別名、『声音』『声調』『声心』ともいい、「言葉一つ一つには真心がある」とのこと、決して無理強いはいたしませんが、Sさんの心の中で、『憎たらしい嫁!』を『素晴らしい嫁!』の言葉に置き換えることができるとき、お嫁さんの心の中も『素晴らしいお義母さん!』に置き換えてくださるのではと願ってやみません。

 内緒で買ったヒヌカンの件ですが、ヒヌカンは、どこかから灰をいただき、中に入れて以降がヒヌカンの始まりとなりますので、中に入れていない今はヒヌカンではなく、一般的な白磁製の陶器ということになります。マースミジ(塩水)でお清めする必要もありませんので、小さめのサン(祭具)を中に入れ、新聞紙などで包み、その時節が来るまで大切に保管されておかれると良いでしょう。くれぐれも、お嫁さんのお仕事で留守中に置くなど、大胆な行動には出ないでくださいね(内緒で置いても、どうせ内緒で撤去されるのが関の山ですよ~)。

 いざというときをマチカンティ(心待ち)、備えあれば憂いなし。Sさんがお嫁さんを想うお気持ちあってのこと、内緒で購入したヒヌカンをウンチケーする日がどうか早々来ますように……。その実現する日が、ご質問にある良い日ということになるのでしょうね。

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A 憎たらしい嫁、素晴らしい嫁

琉球・沖縄年中行事 なんでもQ&A 憎たらしい嫁、素晴らしい嫁

このカテゴリの記事