僕の好きな風景 第41回 丸テーブルマジック
守谷の家の丸テーブル、住まいの中に中心を創り出す
24年前に独立して以来、設計の中で「丸テーブル」をよくお勧めしています。
そのせいか? 丸テーブルは伊礼智設計室の代名詞のように言われるようになってしまいました。
それくらい、丸テーブルの魅力に取り憑かれているのかもしれません。
小さな住まいの中心に直径1、2mの丸テーブルが配置され、さらにその中心にルイスポールセンのペンダント(照明)が低めに吊られている、その様相が一家団欒の象徴のように受け取られ、丸テーブルを選択する設計者や住まい手が増えてきたように思います。
実際、丸テーブルの効用はその求心性にあります。
直径1、2mの丸テーブルは6人がゆったり、ギュッと押し込めば大人8人が、全員向かい合って囲むことができます。
みんなが中心に向かい、一つの話題で向き合えることが一番でしょう。
同じ人数を四角いテーブルに置き換えると1m×2mの大きさが必要となり、話題も分散しがちです。
さらに、そのテーブルでは照明はペンダントを2つ取り付けることが一般的となるでしょう。
丸テーブルだと照明は一つで済んでしまうこともメリットのひとつです。
設計者として特に重宝しているメリットが、テーブルの周りをグルっと廻れること……回れる動線を創り出すことができて家族がストレスなく動き回れるからです。
ダイニングは暮らしの中心、コロナ禍の今こそ、一緒に食べることが一緒に暮らすことの基本であり、丸テーブルでみんなが向き合ってご飯を食べることこそ大事なことだなぁと感じます。
伊礼智設計室の丸テーブルの風景