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僕の好きな風景 第108回 「住まいっぷり」を尋ねる

僕の好きな風景 第108回 「住まいっぷり」を尋ねる

東京・花小金井の家(築10年)。夫婦2人。延べ床20坪の小さな住まいを自分たちで手入れしながら楽しんでいました

週刊かふう2026年6月5日発行号に掲載された内容です。

 

 新しい本の取材で5年から15年前に設計した住まいを訪ね、その暮らしぶりを見せていただきながらお話をお伺いしています。
これまでの本は作品集の体裁で、生活感を取り払ったかのような写真と図面でまとめられたものがほとんどでした。

 今回は暮らしはじめて時間が経ち、設計者の設計意図と実際の暮らしぶりの両面から住宅を解読していただこうという試みです。
 時間が経った住まいを訪ねることは不安が伴います。
 劣化していたら? 手を入れられて大きく変わってしまっていたら? とか、自分が構想した建築ではなくなってしまっていないか? など、気が気ではありません。
家づくりをお考えの方々に参考になる住宅としてふさわしいものであって欲しいと願いつつ、編集者やカメラマンと共に出かけていきます。

僕の好きな風景 第108回 「住まいっぷり」を尋ねる

長崎・諫早の家(築8年)。4人家族。家中が子供たちの居場所のような元気な住まいでした

 しかし、それは全て取り越し苦労に終わりました。
それどころかお引き渡しした時点より、全て魅力ある住まいとなっていたのです。
住宅は人が住んでこそ、生き生きとした役割が見えてくるものでした。

「住むチカラ」の素晴らしさに感激し、設計者冥利につきるというものです。
家具や生活道具の選定が素晴らしいこと、無理のない範囲でメンテナンス(補修や掃除)をしていることに加えて、設計中に良いコミュニケーションが取れていたことが大きな要因だと思われます。
思いを込めて創られた住まいは大事にしてもらえることを再認識しました。
 これから先、何十年もその家族の健康と財産を守り、良き記憶を紡いで行って欲しい。
建築家の作品としてではなく、その住まい手らしい「住まいっぷり」を通して、良い住宅とはどのようなものか? が伝わる本になればと願います。

僕の好きな風景 第108回 「住まいっぷり」を尋ねる

滋賀・琵琶湖湖畔の家(築10年)。夫婦2人暮らし。琵琶湖湖畔の風景と波音を感じながら暮らしていました

僕の好きな風景 第108回 「住まいっぷり」を尋ねる

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