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基礎からわかる相続Q&A SEASON2 File.1 遺産分割協議で決めるべきこと

基礎からわかる相続Q&A SEASON2 File.1 遺産分割協議で決めるべきこと

週刊かふう2023年1月20日号に掲載された内容です。

 

Q. 昨年、父親が亡くなってしまいました。父と母は離婚しており、父の家族は私と兄と妹がいます。実家で暮らしている兄や父の土地上に家を建てた私がこれまで通り生活できる状態にすることが希望ですが、どのように処理すればよいのでしょうか。また書類を作る場合、どのような表題でどのようなことを書く必要がありますか?

 昨年、父親が亡くなってしまいました。父と母は離婚しており、父の家族は私と兄と妹がいます。兄は父親名義の実家に住んでいて、私は数年前に父名義の土地に家を建築して生活しており、妹は結婚を機に県外で生活するようになっています。

 身近な人が亡くなったことが初めてなこともあり、父親が亡くなったことについて、今後どうするか分かっていません。どのようなことを決める必要があり、どのような手続きが必要でしょうか?
 私としては、実家で暮らしている兄や父の土地上に家を建てた私がこれまで通り生活できる状態にすることが希望ですが、どのように処理すればよいのでしょうか。また書類を作る場合、どのような表題でどのようなことを書く必要がありますか?

A. 相続人と遺産の範囲が確定できたら、誰がどの遺産を取得するかについて、可能であれば相続人の間で話し合いをすることになります。この話し合いを遺産分割協議と言います。

 誰かが亡くなった時に、遺言などが用意されていなかった場合、その方が生前持っていた財産(これを遺産と言います)を各相続人でどのように分けるか決めなくてはなりません。また遺産を各相続人で分けることを遺産分割と言います。

 遺産分割をする際に、最初に確定させるべきことは、相続人が誰かという点です。
 まず、今回の相続人について確認しましょう。お父さまが遺言を作成していなかったのであれば、今回の相続人は法律の規定で判断することになります。お父さまとお母さまは離婚されていますので、お母さまは相続人にはならず、お父さまの子どもである相談者とお兄さんと妹さんの3人が相続人となります。もし、相続人の中に相続放棄の手続きにより相続人とならない方がいる場合には、残りの方で遺産分割について話し合いをすることになります。

 遺産分割をする際に、次に確定させるべきは、遺産の範囲がどこまでかという点です。お父さまの遺産として、どこまでの財産を含めて協議を行うのかという問題で、今回お話にあるお父さま名義の実家の不動産や相談者の家が建っている土地の他、一般的にはお父さま名義の預貯金等や現金、物品等が遺産となります。

 相続人と遺産の範囲が確定できたら、誰がどの遺産を取得するかについて、可能であれば相続人の間で話し合いをすることになります。この遺産をどのように分けるかについての話し合いを遺産分割協議と言います。遺産分割協議では、相続人全員の合意があれば、原則としてどのような分け方でも可能です。
 相談者の希望では、実家についてはお兄さん、相談者の住宅がある土地については相談者が相続することで、この2人についてこれまでどおりの生活ができると思われますが、他の相続人であるお兄さんと妹さんが了解してくれなければ、遺産分割協議としては成立しません。まずはお兄さんや妹さんと意見交換を行うことになるでしょう。

 そして、遺産分割協議がまとまったときには、遺産分割協議書を作成することになります。
 遺産分割協議書は、全相続人が同じ遺産分割内容で合意したことを証明するために作成する書面で、まとまった遺産分割協議の内容に基づいて不動産の登記名義を移転しようとする場合や、銀行で口座の解約等を行う際などに、遺産分割協議書が必要となります。

 遺産分割協議書の形式は、相続人全員の署名押印をして印鑑証明書を添付したり、不動産についてはいわゆる住所(行政地番)ではなく法務局で取得できる登記事項証明書のとおり正確に記載すること等、気をつけなければならない事項があります。
 正確に記載をしなければ、法務局で登記手続きを受け付けてもらえないことがありますので、せっかく協議がまとまったのなら、形式にも注意を払い遺産分割協議書を作成しましょう。

基礎からわかる相続Q&A SEASON2 File.1 遺産分割協議で決めるべきこと

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