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基礎からわかる相続Q&A SEASON5 File9.建物買取請求権の範囲と法定相続人以外に相続させる方法

基礎からわかる相続Q&A SEASON5 File9.建物買取請求権の範囲と法定相続人以外に相続させる方法

週刊かふう2026年9月18日号に掲載された内容です。

 

Q.20年前に旧友から家を建てたいと頼まれ、30年契約で土地を貸していました。旧友の死後、相続した建物共有持分の一部が業者へ売却され、賃借権譲渡の承諾や持分の買取りを求められていますが、私に買取義務があるのか知りたいです。また、亡くなった妻の連れ子が現在も生活を支えてくれており、私の死後にその連れ子へ財産を相続させる方法について相談したいです。

 私は、旧友に家を建てたいからと頼まれ、20年ほど前に期間を30年として土地を貸しました。
旧友は昨年亡くなり、旧友の娘と息子が建物を2分の1ずつの共有で相続したそうです。ところが、旧友の息子が共有持分を業者に売却したようで、業者が私に賃借権の譲渡を承諾するよう求めてきました。私が拒否したところ、業者から持ち分を買い取るよう請求が来ました。私に買い取りに応じる義務があるのでしょうか。

 また、私は妻と妻の連れ子とともに生活していましたが、妻が先日、闘病の末に亡くなってしまいました。私と妻との間の子はいません。妻の連れ子は、妻の死後も私の生活のサポートをしてくれ、今でも私が病院に行く際の送迎をしてくれるなど、助かっています。私としては、私が死んだときには、妻の連れ子に私の財産を相続してほしいと考えています。そのために、どのような方法があるでしょうか。


 最近、叔父さんから連絡が来て、母は自宅の共有持分の半分をもらっているし私も祖母から学費をもらっているので、マンションは叔父さんが取得することで了解してくれと話がありました。祖母の自宅不動産の贈与を受けたのは母で、私ではないですし、私が祖母に学費を出してもらったといっても、叔父さんの息子も大学の学費を祖母に出してもらっていると聞いています。
 私としては、祖母から母が自宅不動産をもらったことや、祖母が負担してくれた私の学費は考慮せずに賃貸マンションを分けるべきだと思うのですが、叔父さんの言うとおりに分けなければならないのでしょうか。

A.建物所有目的の土地の賃貸借については、借地借家法が適用されます。借地借家法にはさまざまな規定がありますが、そのうちの一つ、建物買取請求権の概要と限界について見ていきましょう。また、人間関係は多様ですから、子や配偶者等の法定相続人ではない方に相続してもらいたいと希望することもあります。法定相続人ではない方に相続させる方法についてもご紹介します。

 借地借家法上、第三者が借地上の建物を取得した場合に地主が借地権の譲渡を承諾しないときは、第三者は地主に対して建物買取り請求をすることができると定められています(借地借家法14条)。
本件では、建物の共有持ち分2分の1を有する業者が、地主である相談者に対して、持ち分の買い取りを求めているようです。

 第三者が建物の持ち分を取得した場合にも買い取り請求ができるかについては、議論がありましたが、先日、建物の持ち分を持っている人からの地主に対する持ち分買い取り請求は認められないと最高裁が判断しました(最高裁令和8年8月28日)。最高裁としては、持ち分を取得するために投下した資本の回収については共有物分割請求などの手段もある一方、地主が重大な不利益を被るおそれがあるということで、このように判断したようです。

 したがって、本件でも業者からの持ち分買い取り請求に応じる必要はありません。
また、いわゆる連れ子には、そのままでは相続権が認められていません。相談者には子どもがいないとのことですので、もし相談者について相続が発生した場合、そのままでは相続人はご兄弟ということになります。

 相談者が死後に連れ子に財産を承継させる主な方法としては、養子縁組と遺贈があります。
 養子縁組は、養子となる者に養親の嫡出子としての法的地位を与える手続きです。このとき、養子と養親の血族との間に法定血族関係も発生します。

 相談者が妻の連れ子と養子縁組の手続きをとれば、妻の連れ子は相談者の子として相続人となり、財産を引き継ぐことができます。もっとも、養子となると戸籍上養親の姓となるなど、社会生活上の影響があるので、養子となる方の意向がどのようなものか、よく話し合う必要があります。

 次に、遺贈による方法は、相談者が亡くなった時に備えて遺言を作成し、遺言によって財産を与える方法です。遺言によって法定相続人以外の方へ遺産を与えることもできますから、このような遺言も可能です。

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