あなたの夢を暮らしを応援する
住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

ウェブマガジン

よくわかる不動産相続 Q&A File.25

よくわかる不動産相続 Q&A File.25

週刊かふう2018年4月20日号に掲載された内容です。

子孫に遺せる資産「軍用地」

県内には多くの軍用地主がおり、軍用地も活発に売買されています。安定的な収入があることから人気の軍用地ですが、自由にならないということも事実。子供たちへ遺す資産としてのメリットやデメリットを考えてみましょう。

よくわかる不動産相続 Q&A File.25

Q.私(A)は、退職金で軍用地の購入を考えています。

 毎年、ちゃんとしたかたちで地代が入ってきますから、それを利用し夫婦で旅行などができればと思っています。ただ、軍用地は土地の評価が一般の土地よりも低いらしく、子供たちに残す資産には相応しくないのではないかとも思い購入をためらっています。いかがなものでしょうか?

A.確かに、軍用地は一般の土地よりも土地の評価が低く設定されています。

 安定的な収入がある反面、返還時期も不透明なため自由に扱えず運用計画も立てられないなどが理由にあるようです。理由はいずれにせよ、評価が低いということは、逆に相続で発生する税金(相続税)が低く抑えられるということになりますから、現金や有価証券を遺すよりも相続対策にもなるのではないでしょうか。因みに相続税は、相続人の人数にもよりますが3,000万円+600万円×相続人の数までが基礎控除の範囲になりますから、評価額が3,000万円以下でしたら相続しても税金が発生しない場合もあります。(*一般の土地より借地権割合を評価し4割減となります。)
 また、軍用地の地代が振り込まれるのはお盆の頃の8月ですから、お盆と地代の振り込みが軍用地を子供たちに遺した自分たちを思い起こす良い機会にもなるでしょう。子供たちはAさん(親)を想い、お盆にはたくさんのウチカビを燃やしてくれるはずです。
 昔の話になりますが、バブル時代の東京では、土地があまりにも高騰し相続税が払えずに相続した土地をそのまま物納したという話をよく聞きました。住宅地地価の上昇率が全国1位の沖縄もそのような傾向があるのは確かです。相続のたびに土地を切り売りしたのなら、先祖からの土地もいつかは無くなってしまうでしょう。それを考えると軍用地は長らく子孫に遺せる優良な資産と言えますね。

よくわかる不動産相続 Q&A File.25

このカテゴリの記事