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よくわかる 不動産相続の勘所 Q&A File.5

よくわかる 不動産相続の勘所 Q&A File.5

週刊かふう2018年8月24日号に掲載された内容です。

遺産分割は想定以上に時間がかかる

相続手続きは難航しやすいものですが、さらに人間関係などの影響やそれ以外の手続きで、予想以上に時間がかかってしまうことが多々あります。
今回はどのような場合に時間を要してしまうのかについてお話したいと思います。将来のスムーズな相続にお役立ていただければ幸いです。

Q.長男が心身に障害を抱えており、自分で意思を伝えたり物事を判断することが困難な状況にあります。

私は妻と子供3人の5人家族ですが、長男が心身に障害を抱えており、自分で意思を伝えたり物事を判断することが困難な状況にあります。
そのような場合、相続の際に通常とは別の手続きの必要があると聞いたのですが、どのような手続きでしょうか。

A.判断能力が不十分な方については、家庭裁判所に代理人の申し立ての手続きが必要となります。

遺産分割協議を行うに際し、判断能力が不十分な方については、家庭裁判所に代理人の申し立ての手続きが必要となります(成年後見人の選任手続き)。
 この手続きについては、家庭裁判所へ申し立てをした後、調査官による事実調査、場合によっては精神鑑定も必要となり、代理人が選任されるまでに時間を要します。
 遺産分割協議は、このように手続きに時間を要する場合や他にも人間関係などの要因で時間がかかる場合も多いため、早めの対応が必要です。

解説1 事前手続きに時間を要する

★成年後見人制度
 判断能力が不十分な方が遺産分割などを行えるように、その代理となる成年後見人を選任することにより、その方を保護または支援するための制度です。

★相続人に未成年者や行方不明者がいる場合
 未成年者の場合は特別代理人の選任、行方不明者の場合は財産管理人の選任や失踪宣告の申し立ての手続きが必要となります。
 また、海外居住者がいる場合は相続手続きで必要となる書類(在留証明書など)のやり取りについて、領事館等を通じて行う必要があります。

解説2 遺産分割そのものに時間を要する

★当事者の関係が複雑だと、なかなか話がまとまらない
①相続人が妻と義理の兄弟である(夫婦で築いた財産なのに…)
②前妻に子供がいる(前妻との子供も相続人ではあるけれども…)
③相続人が子供のみである(まとめ役の親がいなくて…)

★特定の子供に財産を残したいが……
①特定の子だけを優遇してきた(他の子に財産を多めに…)
②特定の子だけが親の介護をしてきた(その子には財産を多めに…)
③子供に経済格差がある(経済的に苦しい子に財産を多めに…)
④事業承継者に事業用の財産を引き継がせたい(事業に支障がでないように…)

まとめ

 遺産分割手続きは、相続手続きの中でも特に時間を要してしまうものです。また、ご質問のように、通常の相続手続きに加えて別の手続きが必要なケースもあり、想定していた以上に時間を費やしてしまうことも少なくありません。
 このような問題に対して、遺言書を残すことで対応することができます。遺言によれば、遺産分割に関わる手続きの負担を軽減することや遺産分割争いの回避も期待できます。事前にご家族と話し合い、遺言の検討をされてみてはいかかでしょうか。
 遺産分割ではさまざまな要因で時間を要することを十分に認識していただき、将来のスムーズな相続にお役立ていただければ幸いです。

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