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もっと知りたい!不動産マーケットFile.8 那覇市の地価動向 その③

もっと知りたい!不動産マーケットFile.8  那覇市の地価動向 その③

今回は、古都の風薫る首里地区及びその周辺地域をみていきましょう。

週刊かふう2021年2月5日号に掲載された内容です。

もっと知りたい!不動産マーケットFile.8  那覇市の地価動向 その③

モノレールの延伸で2019年に誕生した石嶺駅

Case1 首里城出火とコロナ禍が市場に影響

 首里地区はモノレールの延伸効果により、地価の上昇が比較的大きい地域でした。
「比較的」というのは、何年も前からモノレールの延伸ということはアナウンスされていたこともあって、延伸開業前から不動産価格にその効果が反映されていました。そのため、大きく上昇したことには間違いないですが、「思ったより上昇してないな~」と感じた読者も多いかと思います。
 さらには、首里城の火災による影響もありました。非常に悲しい出来事でしたが、不動産市況としてこの事象を捉えると、観光客の動向に影響があり、地域の収益性に影響があったといえます。しかし、結局のところ、新型コロナ感染症の影響を受けることになります。
昨年の9月に沖縄県が発表した地価調査において、那覇(県)5-5という地点が首里駅のすぐそばに設定されているのですが、この地点は昨年の7月1日時点で平米(㎡)あたり24万2000円(1・2%)の下落と発表されています。一昨年の地価上昇を含んでも下落を示したわけですから新型コロナ感染症の影響を受けていると言えます。コロナ禍のもと、観光客の減少により、首里地区の商業収益も厳しい状況を示したことになりますね。前回、お話したように不動産の収益性が厳しくなれば不動産の価値は減少していくことになります。引き続きどの程度の影響があるのかは例年3月に発表される地価公示を見てみる必要があるでしょう。
 住宅地については、やはり他の地区と同様、新型コロナ感染症の影響を大きく受けることはないと思いますが、先行き不透明感が高まっている状況ではそんなに楽観視もできないと思います。いままでのような地価上昇は、あまり期待できないのではないでしょうか。ただし、首里地区はモノレールの延伸による効果もありますので、実際にどのような地価の動きがあるのかは、今しばらく様子を見る必要があるでしょう。

もっと知りたい!不動産マーケットFile.8  那覇市の地価動向 その③

首里から望む識名、三原、繁多川方面

Case2 割安感からの地価上昇も今後は期待薄?!

 首里の周辺地域はどうでしょうか? 識名や三原、繁多川など、実は那覇市のなかでも地価水準が割安な地域ですが、その割安感から地価上昇が大きい地域が存在していました。
 街路が狭い地域が多く、地域性がやや劣る面は有するのですが、その割安感から識名にある公示地(那覇-12)などは11・2%の上昇を示していました。しかし、今後はここまでの上昇は期待できないと思います。
やはり、3月発表予定の地価公示を注意深くみる必要がありますね。

 次回は小禄地区についてみていきましょう。

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