不動産売買のタイミング~北谷町(住宅地)の不動産売買のタイミング~File.10
県内各地域の不動産売買のタイミングについてお話しします。今回は北谷町の住宅地についてです。
週刊かふう2023年1月6日号に掲載された内容です。
割高感・高止まり感が顕著
今年9月に沖縄県から発表された地価調査を見ると、北谷町の住宅地はすべての地点で上昇しており、下落している地点はありませんでした。ただし、住宅地における平均変動率は1・7%の上昇で、昨年の3・8%と比べ上昇は縮小しました。
沖縄県の住宅地はかなりの市町村で上昇幅が拡大していますが、北谷町の地価は上昇トレンドではあるものの、勢いはなくなってきたように思われます。その要因はいくつかありますが、やはり土地価格が高くなり総額がかさむことや、那覇市などの住宅地価と遜色がなくなった割高感や高止まり感があるといったところでしょうか。
この地価調査発表のなかで上昇が大きかったのは、北谷(県)-3の吉原で、7万9300円/㎡と上昇率は3・0%。相対的に割安なことから、北谷町の中では上昇が大きい地域となりました。一方で、地区画整理事業地内にある北谷(県)-5の伊平は、基準地ですが19万4000/㎡で1%の上昇にとどまっており、高価格帯の地域では上昇幅が小さくなる傾向が顕著に表れました。
依然として地価は上昇傾向
平成10年以降の地価動向を見てみると、北谷町の住宅地地価は平成25年まで下落し続け、平成26年は0・1%の上昇、平成27年は2・8%の上昇となり、その後は下落することなく現在に至っています。
北谷町の住宅地は、上昇に転じたあと、非常に力強い地価の上昇が見られました。令和元年の地価調査において、北谷町の住宅地は11・8%という上昇率を記録しています。
平成26年以前はというと、平成25年が0・1%の下落、平成24年が0・2%、平成23年が0・7%、平成22年が1・1%の下落となっており、底値であった時期は平成23年頃から平成26年くらいの時期と考えられます。この時期に北谷町の住宅地を購入されていたなら、安いときに買えたことになります。
一方でこの頃に売却した方は、安いときに売ってしまった可能性があります。
これから住宅を購入しようとしている人はどうでしょうか? 平成25年以降の価格は、上昇トレンドということになります。北谷町は非常に力強い地価の上昇を示しており、コロナ禍においても下落することなく、上昇し続けています。地価の上昇幅は縮小してはいますが、依然として上昇トレンドであることには違いありません。
そのため、ほしい物件があるならば早めに手を打ったほうがよさそうです。北谷町は人気エリアで、売り物件が少ない状況にあり、特に土地区画整理事業地内の土地は那覇市の人気エリアに近いような価格水準でかなりの高額となるため、そういう意味でも北谷町の不動産を購入するのは大変かもしれません。
売る場合については、地価は上昇トレンドですから、急いで売却する必要がないのならば、もう少し待ってもいいかもしれません。とりわけ、土地区画整理事業地内にある土地ならば、高額での売却も期待できそうです。
次回は、豊見城市における不動産売買のタイミングのお話です。