不動産売買のタイミング~豊見城市(住宅地)の不動産売買のタイミング~File.11
県内各地の不動産売買のタイミングについてお話します。今回は、道路整備が進むなど南部エリアでも特に人気の高い豊見城市の売買のタイミングについて解説します。週刊かふう2023年2月3日号に掲載された内容です。
市街化区域編入で地価上昇が顕著
昨年9月に沖縄県から発表された地価調査を見ると、豊見城市の住宅地はすべての地点で上昇しており、下落している地点はありませんでした。
そして、豊見城市の住宅地における平均変動率は2・9%の上昇で、昨年の0・7%と比べると上昇は拡大しています。
豊見城市で特徴的なのは、市街化を抑制するために建築等の規制が厳しい『市街化調整区域』から『市街化区域』に変わった地域が多く存在したこと。これらの地域は元々既存の住宅地域内にあった、もしくは近隣だったところも多く、市街化区域に編入されたことによって、住宅や店舗など建物の建築がしやすくなり土地価格の上昇傾向が顕著になりました。
少し脱線しましたが、地価調査発表のなかで上昇が大きかったのは、豊見城公民館近くの豊見城(県)-2の字豊見城で、上昇率は6・2%で9万3000円/㎡でした。前年が8万7600円/㎡でしたから、かなりの上昇ですね。
地価の上昇幅は今後も拡大傾向
平成10年以降の地価動向を見てみると、豊見城市の住宅地地価は平成26年まで下落し続け、平成27年は0・8%の上昇、平成28年は2・5%の上昇に転じています。
急速な地価の上昇も見られましたが、その後は下落することなく比較的コンスタントに地価の上昇が続き、平成26年以前はというと、平成25・26年が0・6%の下落、それより前の平成24年が0・8%、平成23年が1・3%の下落となっており、底値であった時期は平成24年頃から平成27年くらいの時期であったと考えられます。
この時期に豊見城市の住宅地を購入されていたなら、安いときに買えたことになります。
一方でこの頃に売却したのならば、安いときに売ってしまった可能性があります。
これから住宅を購入しようとしている人はどうでしょうか? 平成27年以降、力強い地価の上昇というほどではありませんが、コロナ禍においても下落することなく、上昇し続けています。地価の上昇幅は拡大傾向にあり、上昇トレンドであることには違いありません。そのため、ほしい物件があるならば早めに手を打ったほうがよさそうです。さらに、市街化区域に編入された地域は那覇市への利便性が高いことなどから人気が高まる可能性があります。
特に、豊崎のような環境が良好な地域の人気は高く、取引価格も豊見城市のなかでは高い水準にあり、那覇市の住宅地並みの取引価格になっています。
売る場合については、地価は上昇トレンドですから、急いで売却する必要がないのならば、もう少し待ってもいいかもしれません。
次回は、糸満市における不動産売買のタイミングのお話です。