教えてコンサル金城さん 不動産のギモン解決! 第19回 自社物件を建てる!【前編】
土地探しの注意点や建築費高騰問題対策、土地活用方法などについて解説してきた本コラム。今月と来月は、私自身の土地探しから購入、新築に至るまでを話ししたいと思います。前編の今回は、建築のきっかけと土地探し、プランニングを考えるまでを取り上げました。
新しくするきっかけ!?
お客さまから不動産に関わる困りごとや土地活用の相談を受けていると、現在行っている生活様式でも将来変化が生じてくること、またその変化に対応するため将来への準備を行う必要のあることに気づかされます。
それを自身のライフスタイルで見直してみると、年齢に応じて変化していかなければならならないこと、日々進化していく不動産業界の環境にもついていかなければならないことを痛感させられます。そうしたことを考えていくと、現在の私の職場環境も変化することが大切ではないかと考え、新規に土地購入を行い、有効な活用方法を考えることで、将来への準備を行おうといった答えにたどり着くことになりました。
まずは、土地探しから
不動産を扱っているからと言って、必ずしも良い土地をいち早く見つけることができるというわけでもありません。現在の事務所を読谷村に移して丸5年になります。そのため村内から離れたくないという思いもあり、読谷村内限定での地道な土地探しが続きました。
しかし、新しく考えているプランが入るような土地はなかなか見つかりません。「プラン案を変更しなければならないんだろうか」と土地探しと共にプラン変更に対する試行錯誤が続きました。
そんな中、検討しているプラン全てを組み入れることは難しいものの、それに準じた目ぼしい土地がみつかりました。現在の事務所から近く、環境的にも好みの場所で、県道6号線に面した約153坪の長方形の敷地。奥に向かって土地が高くなっているような土地ですが、販売時には、樹木が生い茂っていましたので、公図を取得してプラン案を組み入れることができるのか、検討が続きました。また、この土地が位置している場所は、将来の区画整理地内にあり、地区計画という土地利用制限があり、計画する上で『ハードルが高い土地』という印象がありました。
土地はプランニングが大事
これまでの土地活用の相談でも行ってきましたが、土地活用は施主や家族の短期・中期・長期に渡る生活の変化に対応できるものなのか、事前に対策案を組み入れることが重要です。他にも、昨今の建築費高騰問題の対策に始まり、土地価格、設計、建築、他諸費用はどれくらい掛かるのか、総資金全体を把握し、借り入れに対する返済資金を把握することなど、土地活用には多くのプランニングが関係しています。さまざまな試行錯誤が始まります。しかし、このハードルをクリアしなければ計画は実現しません。
これまで依頼いただいた土地活用不動産コンサルの事例などを踏まえ、複数の土地活用案を自ら作成し、設計士さんと打ち合わせを重ねた結果、現実的なプランとしてでき上がってきたのが平屋(1階建て)の建物です。建物総面積約50坪の中に、店舗、賃貸、事務所、住宅を組み込んだ複合案。建築基準法などの法的問題をクリアできるのか、付き合いのある一級建築士へ専門的な相談を行うことで、プランニングを土地に落とし込むことが可能となりました。
後編は、プラン決定から銀行との資金借り入れの事前相談、土地購入、建築会社探し、完成までのお話です。