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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

内外が緩やかにつながったシンボルツリーがそよぐ家

内外が緩やかにつながったシンボルツリーがそよぐ家

DATA
所在地:沖縄市
家族構成:夫婦、子ども2人
設計:株式会社りーふ(担当/大木聡)
敷地面積:218.83㎡(約66.20坪)
建築面積:119.45㎡(約36.13坪)
延床面積:105.09㎡(約32.09坪)
用途地域:未指定
構造:鉄筋コンクリート造2階建て
完成時期:2016年12月
建築:株式会社りーふ(担当/宮城守康)
電気:野原電気空調(担当/野原光夫)
水道:有限会社エコ電水(担当/伊波隼矢)
キッチン:タカラスタンダード(担当/黒川旭)

家族4人が暮らす新居としてSさんご夫妻が築いたのは、ビルトインガレージ付きのコンパクトな2階建て住宅。毎日の使い勝手を考えレイアウトはシンプルにまとめつつ、リビングの目の前にある庭やアプローチに趣向を凝らし、適度な開放感と潤いを演出。
部屋と部屋、内と外が緩やかにつながった穏やかな住まいです。

内外が緩やかにつながったシンボルツリーがそよぐ家

敷地の高低差を生かし、ガレージの上に寝室を配置

 大きすぎず小さすぎず。感覚的には実際の床面積32坪以上の広さが感じられ、屋外には潤いを届けてくれるこぢんまりとした庭や菜園がある。 リビングからは庭に立つシンボルツリー越しに、あるいは外壁のスリットを通して緩やかに視線が抜けて、プライバシーは適度に保ちながらもほどよく開放的。こんな具合に、あらゆる面で「ほどほど加減」の心地よさを実現できたのは、「フィーリングがぴったりの住宅会社と出会えた」ことが最大の要因。業者探しをしていた4年前、知人からの紹介を機にプランを提案してもらったところ、「私たちが言わんとしたことを完璧にくみ取り、理想的な形に落とし込んでくれました。後日、完成見学会で訪れた家の雰囲気もとても気に入ったので」。
 生活利便性に引かれて手に入れた土地の広さは約66坪。北側道路で奥に細長く、南側には高さ5メートルの擁壁がありました。プランニングに際してお2人が第一に要望したのは、「大人数が無理なく集まれるLDKと、車2台分のビルトインガレージを確保すること」。あとは必要最低限の居室と生活スペースをそろえて、できればワンフロア内で生活が完結するように「平屋にしたい」とも考えていました。
 そのためファーストプランの段階では、 メートルの盛土をしてガレージを確保した上で全体を平屋で計画し、寝室はキッチンの背面に置かれ、その分LDKは現在よりコンパクトなサイズでした。しかし担当者から「無理に平屋に収めるより、寝室をガレージの上に持っていくだけで空間全体にゆとりが生まれるし、ガレージは敷地の高低差を利用するから、一般的な2階建てに比べれば階高・建築費を抑えられますよ」と提案を受け快諾。寝室が1階の生活スペースから切り離されることで、「ゲストの宿泊時でも、お互いに気兼ねなく過ごせるから好都合かもしれない」とのメリットも感じました。


内外が緩やかにつながったシンボルツリーがそよぐ家

ナチュラルなインテリア空間で、庭の植栽に安らぐ

 今度はデザインに目を移してみましょう。インテリアは白を基調にした空間に無垢の木の造作をふんだんに取り入れて、明るくナチュラルな印象に統一。天井や壁面には間接照明を随所に採用し、より温かみのある雰囲気に仕上げました。
「フィーリングが合っているから、イメージの共有もスムーズ。過去の作品を見て、これいいな、と思ったポイントもたくさん参考にさせてもらいました」とご夫妻。室内に限らずエクステリアにもこだわりを注ぎ、アイアン調の門扉、コーナータイル、アプローチ階段に続く庭の植栽などを効果的に配置して、エレガントさを演出しました。

内外が緩やかにつながったシンボルツリーがそよぐ家

 平屋の予定を2階建てに変更したことで、それぞれのスペースの使い方にも余裕が生まれました。LDKの開放感が増したのはもちろんですが、キッチン背面にまとめた水回りの一角には、ちょっとした家事スペースを設置。ハンガー掛け用のポールもあらかじめ取り付けて、家事効率アップに役立てています。
 新居が完成したのは約2年半前。住み始めた当初から生活もなじみ、その快適さ、使いやすさは現在も変わらず継続しています。「わずかなスペースとはいえ、土に触れられる空間を残しておいて大正解。家にいながら自然の安らぎを感じるし、子どもたちも喜んで遊んでいます」とご主人。敷地東側では菜園を営み、収穫した野菜はキッチンに運んで即調理。リビング前にある庭の芝やシンボルツリーの管理はご主人自ら手がけていますが、「もう少し軽やかな表情に剪定できないだろうか」と試行錯誤が続きます。
 日が暮れれば庭とアプローチの外灯がともり、日中とはガラリと趣を変えてムードアップ。外壁のスリットからは周囲に明かりがこぼれ、「夜に通りから眺めるわが家の表情が大好きなんです」と奥さま。ふとした瞬間に、変わらぬ愛着を実感する毎日です。

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