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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

家族と海と大空と 洗練された極上の住まい

家族と海と大空と 洗練された極上の住まい

DATA
所在地:読谷村
設計:株式会社NDアーキテクトン
(担当/大城貢・大城航平・内間塁)
敷地面積:357.57㎡(約108.1坪)
建築面積:187.70㎡(約56.7坪)
延床面積:360.84㎡(約109.1坪)
用途地域:未指定
構造:鉄筋コンクリート造(壁式構造)
完成時期:2020年10月
建築:株式会社 徳里産業(担当/仲尾)
電気:有限会社 ヤマシタ電気(担当/喜名)
水道:有限会社 名設(担当/知名)
ガス:比謝川ガス株式会社(担当/池原)
キッチン:有限会社 トーヨー建材(担当/粟國)
カーテン:株式会社 モン・シュマン(担当/大城)

実家の住まい心地をよき手本に、家族の毎日を豊かに彩る海近の家。

※週刊かふう2021年4月2日号に掲載された内容です。

家族と海と大空と 洗練された極上の住まい

約70メートル先に青い海が広がる家

 リビングからわずか70メートル先にエメラルドブルーの海が横たわるAさん邸は、美しいロケーションに恵まれています。
「海とアウトドアが好きで、住まいのアクセントカラーもオーシャンブルーにしました」
 大きな一戸建てに見える外観ですが、居住スペースと賃貸スペースを組み合わせたユニークな構造。ファーストプランは100坪以上の敷地を生かした独立型の2戸でしたが、「庭をもっと広く」と望むAさんの希望を反映して、庭全体をAさんたちのスペースに振り分けた現在のプランへと落ち着きました。
 造園の専門家に依頼した庭は、ヤシの木や芝生の緑とコントラストを描く季節の花々が鮮やか。庭の南東側に高低差を利用した小さな滑り台を設置しました。
「庭師さんの提案ですが、子どもたちが喜んで遊んでいます」という奥さま。
「玉石は強風で飛んだり子どもたちが投げてしまわないよう、透明なコーティング剤で地面に固定しているんですよ」というAさんの話は、庭造りに取り組む読者にとってよいヒントとなりそうです。

家族と海と大空と 洗練された極上の住まい

リビングの居心地は実家、坪庭は祖父の住まいから

 壁式構造の鉄筋コンクリート住宅。それだけで堅牢さが伝わりますが、屋内の間仕切りも厚さセンチメートルのコンクリート流し込みで仕上げられ、一層の安心感を創造しています。その空間に、壁の一部に焼き杉板打放し、視界を遮らないササラ桁階段、間接照明を仕込んだ折り上げ天井などで視覚的な奥行きや軽快さを添えて、住まい全体で表情豊かなイメージを描いています。
「リビングのシーリングファンは、ぜひ設置したかったアイテムです。私の実家にもあって、柔らかな風が心地いい。風向きを逆にすることもでき、エアコンの温度設定と合わせ季節によって使い分けられます」
 2階の奥は、玉石を敷いて観葉植物をディスプレーした坪庭を設けています。
「打放しの壁は妻の実家、坪庭は妻の祖父の家がお手本。風情のある坪庭がかっこいいんです」とAさん。お二人の実家やお祖父(じい)さまの住まいで子どもの頃から体感してきた心地よさを、新居でも再現したい気持ちが語られます。
「実は、沖縄の風水も取り入れているんですよ」と話すように、「火の神」の上にあたる位置に坪庭、仏壇の上になる位置はクローゼットに割り当て、〝敬う対象の上部(2階)を踏まない〟風習を守っているそうです。
 室内は床材のブラウンをベースに配色したとのこと。たくさんの人が食卓を囲める長さ2 1メートルのダイニングテーブルを探したものの、既製品では見つからなかったため造作してもらい、床色と調和する色を塗装。システムキッチンやパントリーの扉も、リビング・ダイニングと溶け合う木目調を選択しました。

家族と海と大空と 洗練された極上の住まい

暮らしの動線を効率よく水回りからデッキまで

 朝、2階から下りたらファミリークローゼット、洗面所やトイレ・バスなどを一緒にまとめたユーティリティースペースへ続く動線が便利と、住まい心地を話すAさん。ちなみに、ウォークインのファミリークローゼットやランドリールームは調湿に優れた漆喰を壁に採用しています。
「入居から約半年経ちますが、よく考えられた動線に感心します」
 洗濯時も、ランドリースペースからキッチンを通って物干し場にも活用するサービスヤードへアクセス。
「サービスヤードのデッキは浄化槽の目隠しですが、BBQやランチにも使えて家族お気に入りの場所になっています」
 親世代の住まい心地にAさん世代の価値観を掛け合わせて仕上げた新居。豊かな住まい文化が受け継がれていく、温故知新を実感しました。

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