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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

沖縄の住宅紹介

伝統と先進の技術が融合 木でつくる理想の邸宅

伝統と先進の技術が融合 木でつくる理想の邸宅

DATA
所在地:八重瀬町
設計:株式会社琉球住樂一級建築士事務所(担当/伊良皆盛栄)
敷地面積:456.21㎡(約131坪)
建築面積:185.88㎡(約56.23坪)
延床面積:205.77㎡(約62.25坪、含小屋)
用途地域:未指定
構造:RC造地階+木造軸組工法平屋建て
完成時期:2020年6月
建築:株式会社琉球住樂
電気:有限会社山城商工(担当/照屋盛文)
水道:有限会社海西工業(担当/西平重則)
キッチン:琉球住樂オリジナル(担当/嶺井典子)
洗面化粧台・浴室:琉球住樂オリジナル(担当/嶺井典子)
エコキュート:株式会社長府製作所
トイレ:TOTO株式会社
内部建具:有限会社照屋木工所
外部建具:株式会社エクセルシャノン
外構:金勢造園
屋根:有限会社八幡瓦工場
左官:施工/當山官業、材料/与那原漆喰
大工:内部/大友内装(棟梁/親富祖憲雄)
外部/金城工業(棟梁/金城清正)

杉の無垢材と漆喰をベースにした自然素材の家に、ご夫妻のこだわりを加えて、機能性と意匠性に富んだオリジナルの住まいが完成。深い庇に覆われた雨端には爽やかな風が舞い、最新の断熱・空調設備を備えた室内では、ストレスフリーの快適な暮らしが楽しめます。

※週刊かふう2021年4月23日号に掲載された内容です。

伝統と先進の技術が融合 木でつくる理想の邸宅

自然素材と全館空調システムで快適な温湿度を保つ

 Hさんがほれ込んだ沖縄型木造住宅の、最新系である2020年バージョン。飫肥杉の無垢材、内壁の漆喰といった素材はデフォルト仕様。見た目には自然素材特有の温かみが感じられ、機能的にはその優れた吸放湿性から、サラッとした湿度環境が保たれています。さらには外壁の焼杉板、開口部の樹脂サッシなどが室内外の熱の出入りを最低限に抑え、快適で健やかな室内空間を創り出しています。
 特筆すべきは、年間を通して家中の温度差をほぼなくすことに成功した全館空調システムです。地階と小屋を除くすべての生活スペースの冷暖房を、一般家庭向けの10畳用エアコン1台で賄っています。
「家づくりの考え方に共感し、  将来マイホームを建てるときはこの会社で と決めたのが2011年。以来、見学会を訪れる度に、あらゆる面で進化し続けていると実感していましたが、こと省エネ面に限っていえば、現時点で考え得る一つの完成形をわが家で実現できたことがうれしいですね」とご主人。太陽光発電システムにエコキュート、キッチンにはラジエントヒーターを採用したオール電化住宅で、冷房効率の高さもさることながら、窓を開けずともフレッシュな空気が隅々まで巡るように給排気が計画されています。
 内壁を彩る色付きの漆喰も、Hさん宅の大きな特徴です。県産の材料を現場で調合し、例えば二番座にあたる和室は、床の間を朱色に、壁面を黒系の色に仕上げました。隣接するLDKとのデザインバランスもよく、障子を閉めれば独立した異空間に早変わり。大きな窓越しには、芝生と砂利を半々に敷き詰めた自慢の庭を静かに眺められます。

伝統と先進の技術が融合 木でつくる理想の邸宅

伝統家屋の形態をベースに、自分たちらしさを盛り込む

 エントランスは2か所。ゲスト用の入り口は赤瓦を冠した木造門。緩やかな傾斜のスロープを上がっていくと、アシャギのような趣の離れと対峙して、母屋の南面に堂々と広がるデッキスペースが現れます。
「風が本当に心地よくて。室内から持ち出したお気に入りのソファに座って、長時間のんびり過ごすことも多いですよ」と話すご主人。家の中でも外でもない中間領域的なその空間は、現代版雨端スペースとも呼べるもの。頭上に架かる深い庇が日射を遮り風を呼び、日差しの強さと反比例してデッキの上に濃い陰を落とします。
 間取りも同様に伝統家屋の形態に倣い、風水をベースにまとめつつ、意匠はモダンで個性的。例えばLDKの一角には、大型スクリーンと音響設備を仕込んだリビングシアターを設置。キッチンは家中を見渡せるアイランド型で、天板には継ぎ目のない大判セラミックをあしらい、奥さまの要望に合わせて引き出し一つの仕様までこだわりました。この他、木の香り漂う浴室は、地盤面が高い敷地特性を生かしてバスタブを掘り込み式に。将来の介護を見据えて地階にも個室を設け、板張りの壁を曲線状に仕上げたり、一部を石張りにしたりして遊び心を演出しました。

伝統と先進の技術が融合 木でつくる理想の邸宅

何世代にもわたって住み継がれる家に

 プランニング前から「少しずつ買い集めていました」という家具や照明器具がことごとく空間にマッチしているのは、依頼した建築会社の見学会を長年巡り、その特徴や雰囲気を完璧に把握していたから。正式な契約を機に採用を決めた紅型のインテリアアートが、Hさん宅らしさを一段と際立たせています。
 新居が完成して間もなく丸一年。期待以上の快適さを毎日享受しつつ、目指すは築100年超え。「沖縄型木造住宅のモデル的存在として、何世代にもわたって住み継がれる家になってくれれば」と遠い将来を見据えています。

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