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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

光と風を招く住まいを彩る内なる開放感、外へ発する感性

光と風を招く住まいを彩る内なる開放感、外へ発する感性

DATA
所在地:八重瀬町
設計:有限会社 門(ジョウ)一級建築士事務所(担当/金城司・仲間研人)
構造:有限会社 ライサス建築研究所(担当/戸倉雅幸)
敷地面積:214.86㎡(約64.99坪)
建築面積:127.80㎡(約38.65坪)
延床面積:140.52㎡(約42.50坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
構造:鉄筋コンクリート造
完成時期:2020年7月
建築:株式会社 大宜見組(担当/宮里則幸)
電気:有限会社 エム電設(担当/嶺井進)
水道:金仲設備(担当/仲里辰彦)

閑静な住宅街の角地に佇む、瀟洒な住まい。
視線を集めるファサードの内側に、家族の心のびやかな暮らしがありました。

※週刊かふう2021年6月4日号に掲載された内容です。

光と風を招く住まいを彩る内なる開放感、外へ発する感性

思いがけない発想に魅力を感じた設計

 奥さまの実家が数軒先にあるYさんのお住まいは、敷地の2方向が道路に面した角地に建っています。一級建築士と一級建築施工管理技士の資格を持つYさんですが、より魅力的な住宅を求めて設計事務所へマイホームについて相談したそうです。
「南側の玄関を提案してくれたのは、門(ジョウ)一級建築士事務所だけでした」
 その言葉を受けて設計者の金城司さんは「風水も考慮しましたが、敷地の南方向にある奥さまのご実家へ玄関を向けて、互いの気配を感じられる位置関係にしようと考えました」と説明します。
 Yさんは「オール電化住宅は消防法の制限を受けないためレンジフードが不要との説明もあり、空気清浄機能付きの換気扇を採用して室内を広く見せるという斬新な発想にも魅力を感じました」と続けます。建築に精通していなくても完成イメージを想像できるプレゼンテーションに、奥さまも共感したとのこと。金城さんの温かい人柄や豊かな意匠・発想力に期待したYさんは、専門的な観点から相談と調整を重ねたといいます。
「着工後の変更もお願いしましたが、聞き入れてくれた金城さんや大宜見組さんのおかげで確かな品質の建物を工期内に完成できました」と喜びの笑顔。

光と風を招く住まいを彩る内なる開放感、外へ発する感性

暮らしを大きく包む閉じた開放感

 角地は採光や通風に恵まれるうれしい特長がありますが、2方向にある道路からの視線は気になるところ。そこで躯体を高い外壁で包み込み、暮らしの場となる内側を開放的にしたそうです。
「家族が集まって過ごすリビングをできるだけ広く取りたい」と話すYさんの希望をベースに、道路に面する東南にはリビングとひと続きにできる約10帖の中庭を設け、3メートルの高い壁で外部の視線から守っています。台形に切り取った窓は合わせガラスをはめ込み、外にいる人の気配を感じられる「防犯性」と「明かり取り」の機能を両立。夜になると室内照明の青い光が外へこぼれて、街並みに美しい印象を添えています。

光と風を招く住まいを彩る内なる開放感、外へ発する感性

家族の成長に合わせて間取りをアレンジ

 お子さんの成長に合わせてアレンジできる間取りという考えから、本来は主寝室となる個室に勉強机と収納ボックスを配置して、共用の学習室に割り当てています。そして子供室の1と2の仕切りを外して家族全員の寝室へ。お子さんが個室を必要とする時期になったら、設計図通りに変更する予定とのこと。さらに独立後は、子供室の可動間仕切りやリビングとの間の引き戸をオープンにしたり、遊びに来て宿泊する際は仕切ったりと、柔軟に対応できる工夫が生かされています。
 各々の個室へ設けることが多いクローゼットですが、Yさんのお宅ではバスルームや洗濯機のあるユーティリティスペースの向かいにウォークインタイプのファミリークローゼットとして創造し、衣類に関するスムーズな家事動線を実現しました。
 小上がりに仕上げた和室は、普段は子供たちがおもちゃを広げて遊び場として使っていますが、その奥にはYさんの書斎が隠れています。奥さまには「必要かしら?」とかなり反対されたそうですが、ステイホーム期間は在宅ワークに活用できたので、結果オーライといったところ。
「でも、みんなが集まるリビングに居ることが多くて」と、家族と笑顔を見合わせるYさんでした。

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