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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

建築と家具の美調和で魅せるモダンラグジュアリーな家

建築と家具の美調和で魅せるモダンラグジュアリーな家

DATA
設計:Style Create(担当/江口 大敬)
敷地面積:291㎡(約88坪)
建築面積:101.41㎡(約30.7坪)
延床面積: 93.75㎡(約28.4坪)
構造:壁式鉄筋コンクリート造
用途地域:指定なし、市街化調整区域
施工:有限会社 秀林組(担当/照屋)
左官:株式会社 ライフワークス(担当/東江)
電気:和電設(担当/志喜屋)
水道:有限会社 丸栄電気水道工業(担当/野原)
キッチン:クリナップ(担当/新里)

施主のKさんが幼い頃から抱いていた夢、それは「自分でデザインした家を建てること」。
確かな審美眼で築いた独自のプランは、感性が響き合う建築家や職人との出会いでさらに昇華。思い描いていた以上の家となって誕生しました。

※週刊かふう2021年11月12号に掲載された内容です。

建築と家具の美調和で魅せるモダンラグジュアリーな家

任せる、任せられる信頼関係をもとに

 グレーの濃淡と黒を基調色にしたクールなインテリア。RC構造の力強さを物語るような直線的なライン。そして壁から天井にわたる岩のアクセントはまるでアートの趣。ミ二マム、コンセプチュアル、コンテンポラリー、さまざまな解釈を可能にする 攻め の空間ですが、実際に身を置いて感じるのは豊かな開放感とリラックス。
 目に触れるものや、気配として生まれるもの、有形無形のこだわりが一つとなり、調和の美しさで家族とゲストに安らぎを与えてくれる──そんなストーリーを思わせる家です。

 新居の完成は今年9月。家づくりの主導は「小さい頃から自分でデザインした家を建てるのが夢だった」というご主人。奥さまも「99・9%夫の思うように、好きなように考えてもらいました」と話しますが、理想を共有していたことは十分に伝わってきます。
 ご主人が目指した最大のテーマは、「建築と家具が一体となった まとまりが奇麗な家 」。ご自身が家具メーカーに勤務していることもあり、インテリアの魅力が発揮される空間、空間に合致する造作家具の考案という、両面からのプランを独自で温めていました。その際に活用したのが画像共有に特化したSNS。「国内外の多くの事例を参考に、好みや憧れ、頭の中にあるイメージに近いものをピックアップしながらアイデアを精査しました」と振り返ります。

 そんなご夫婦が「ここしかない」と設計の依頼を決めたのは、施工まで担う一級建築士事務所が開催した完成見学会に足を運んだのがきっかけ。ご主人いわく「デザインや丁寧な造り、空間の生かし方が僕らの理想にピタリとハマりました。あの出会いがなかったらこの家は実現できていなかったと思います」

建築と家具の美調和で魅せるモダンラグジュアリーな家

理想の本質は誰もが快適に過ごせること

 Kさん宅は住まいの至るところがこだわりのポイント。中でもLDKはご主人ならではの美意識と発想が如実に生かされています。
 リビングは、床を一段下げることで天井が高く感じられ、開放感が拡大するピットリビングに。段差は「どうしても確保したかった」という45センチを実現しています。「先にソファとテーブルの造作を決めていたので、座った状態でのテレビへの目線、ダイニングカウンターからの目線、そして会話の目線を考慮すると45センチは譲れませんでした」とご主人。その成果は完成とともに鮮明に表れ、リビングからダイニング、キッチンへと視線がなめらかに流れる気持ち良さ。造作したソファはピットリビングの水平ラインを際立たせ、端正なたたずまいで空間の品位を高めています。

 Kさん宅を象徴する自然岩を用いたオブジェのようなアクセントウォールは天井まで伸び、大胆なあしらいが高級感を創出。モノトーンのインテリアを引き立てるスパイスの役目も感じます。素材のヒントは石や岩と共生する地元名物のガジュマル。「野趣あふれる風景に心が惹かれましたし、岩を使うのも珍しいだろうとひらめきました」
 そして目線はおのずとキッチン、ダイニングへ。その広がりを成立させているのが、土台のないすっきりとした造作カウンターです。言わずもがな、これもご主人のアイデア。しかもカウンターの勾配と奥に控える打ちっ放しの躯体の勾配がつながるように、ラインの整いまで考慮して設置。「長さと重量のあるカウンターをキッチンの土台に装置するのは容易でないことは知っていましたし、建築士さんも難色を示されましたが見事に実現していただきすごく満足しています」

 建築と家具、インテリアが一つになる収まりの美しさを見つめるなら、それぞれにミリ単位でこだわる繊細さと情熱が不可欠。そのぶん、洗練された心地よさに深みを増すのかもしれません。その取り組みと成果は、Kさん宅の隅々に行き渡っていました。

建築と家具の美調和で魅せるモダンラグジュアリーな家

子どもにも空間づくりの楽しさを伝えたい

 お子さん2人は6歳・2歳とまだ幼いため、現在は子ども室4帖の2部屋を連結させて使用。成長に合わせて可動壁で仕切る予定です。興味深いのは、それぞれに自分の空間をもったとき「例えば収納が必要ならどんなものが欲しいのか、どこに置くかといったことまで自分で考えるように導いていきたい」と話すご夫婦の方針。さらに「空間を自由に、自分らしく作りあげて行く楽しさを共にしていきたい」とも。夢をかなえた家に、新たな夢が芽吹いています。

写真ギャラリー

設計・施工会社

Style Create 一級建築士事務所  有限会社 秀林組

TEL:098-934-7338https://www.stylecreate.net

TEL:098-934-7338https://www.stylecreate.net

沖縄市美原1-5-23 2F

建築と家具の美調和で魅せるモダンラグジュアリーな家

ライフスタイルに寄り添った動線や間取り、採光などを踏まえ、施主様のこだわりをプロの知見で実現する

Style Create (スタイルクリエイト)常務取締役 プランナー 上江洲峰子さん

 今回のケースはKさんがインテリアの専門家であることから、内装やデザインのプランはKさんを主体で進めていただき、私たちは建築のプロとして安全性を確立する構造の部分をしっかりと担い、まさに『一緒に作って行く』というスタンスで取り組みました。Kさんが望むものづくりに対して、それを実現するベストな方法をご提案し、コミュニケーションを密にしながら、こだわりや思い入れを一つひとつ丁寧に形にしていったという印象です。その一例となるのがダイニングカウンターの設置で、カウンター自体が長尺でかなりの厚みがあり非常に重量であったため、設置面となるキッチンの腰壁の内部には多数の鉄骨を下地にし、荷重能力を最大限に強化。プランナーとしてKさんのこだわりをしっかりと受け止めて設計担当の江口が実現しました。作業のなかで幾度となく行われた綿密な打ち合わせが仕上がりに現れてくるといえます。お陰さまでKさんからも「とても満足しています」とのお言葉をいただいています。 

 私どもの家づくりにおいては、動線や間取りのとり方、光の取り入れ方などに自信をもっており、それを踏まえたうえで何にこだわりを入れたいかをじっくりと伺い、建築家ならではの専門性と目線で実現できるのが弊社の良さだと自負しています。また、Kさんのような独自性の高いプランや明確なこだわりをお持ちの方からの依頼やご支持も多いため、建築における進化への対応にもいち早く取り組み、自己研鑽にも力を入れています。
 一方で、具体的なこだわりはなくとも、弊社の作る家が好みである方のために、すべてをお任せいただけるプランもご用意しており、お仕事で打ち合わせのお時間が取れない方などにも好評です。

 いずれの場合も私たちがいちばんに大切にしているのは、お客様やそのご家族に合った最適なプランをご提供すること。ライフスタイルはもちろんのこと、日々の生活リズム、これから先のライフプランなどをお聞きして設計へと落とし込みます。Kさん宅を例にあげると、子ども室はお子さんたちが独立した後の使い方まで視野に入れ、多様に対応可能な自由度の高い空間としてご提案しました。
 感性面については、画像などを一緒に見ながら好きな色やファッション、インテリアの傾向など、さまざまな情報をすくい上げ、お客様の理想や個性を引き出してプランづくりに反映させています。

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