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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

作り手と住み手の美意識が生み出した「心地よさ」

作り手と住み手の美意識が生み出した「心地よさ」

DATA
設  計: 株式会社 コモドハウス
     (担当/城間朝丈)
敷地面積: 180.69㎡(約54.7坪)
建築面積: 107.34㎡(約32.5坪)
延床面積: 375.88㎡(約113.9坪)
用途地域: 第一種住居地域
構  造: 鉄筋コンクリート造
完成時期: 2023年1月
施  工: 株式会社 コモドハウス

直線的な美しさと大開放の心地よさが融合するY邸は、ご夫妻こだわりのインテリアも傑出。
完成から1年「ゆったり、美しく、自分たちらしく」快適な日々を紡いでいます。

週刊かふう2024年2月9日号に掲載された内容です。

作り手と住み手の美意識が生み出した「心地よさ」

外観も内観も印象的。感性の豊かさを物語る

 新たな店舗が次々と建ち並ぶ南風原町の区画整理地区。その中でひときわ目を引く、白の箱とコンリート打ち放しの大きな箱を組み合わせた特徴のある外観。モダンな4階建て店舗併用住宅です。1階は駐車場、2階は奥さまがオーナーを務めるネイルサロンと貸事務所が並び、3・4階が自邸。店舗とは外階段でつながり、オン・オフの切り替えが明確になされています。

 3階の玄関からLDKへ。その境界となる引き戸を開けると、天井が高く広がる2層吹き抜けの大空間が出現。南の空を大きく切り取ったハイサイドライト(高窓)から光が降り注ぎ、多方向からも差し込む陽光とともに、白をベースカラーにした邸内をより一層明るく魅せています。
 LDKは奥行きのある縦長レイアウトで、贅沢な広さを確保したサンルームと一体化。外にも広がりを持つ、開放性に優れたプランです。一方で空間デザインは端正な直線が際立ち、サッシや建具の黒色の効果により、キュッと引き締まった心地よさも。さらに味わいのある木やタイルが絶妙なバランスで加わり、モダンでありながらも重層的な美しさをたたえた住まいです。

作り手と住み手の美意識が生み出した「心地よさ」

ライフスタイルを具現化。機能的な住みよさも備わる

 奥さまがこだわって選んだアイランドキッチンはニュアンスのあるグリーン。徹底した「見せない収納」で生活感レスを実現し、「LDKのパブリック性を高めました」と話します。水回りはキッチンの後方に集約され、引き戸を閉じれば完全なプライベートエリアに。一般的によく見られる配置ですが、空間づくりの発想としつらえが独創的かつおしゃれ。奥さまいわく「例えば入浴後のケアや身支度がゆったりとできるように。誰かがここで何かしていれば、その傍らで時間を共有できるように。使うだけでなく、過ごすことを意識しました」
 小ぶりのソファが置かれた広いランドリースペース兼パウダールーム。洗面化粧台は木の造作で、立ち上がり部分には落ち着いた色味のモザイクタイルを使用。幅広のカウンターに合わせたワイドミラーも高級感があり、自然と気分が上がります。シックで上品なコーディネート。その雰囲気を壊さないよう、洗濯機・ガス乾燥機は造作収納に格納。浴室の横には大容量のウォークインクローゼットが設けられ、洗濯作業も身支度もスムーズに行えます。

 4階はバルコニーから空も合わさって、吹き抜けの開放感がスケールアップ! 見上げていた高窓が目の前のあり、外の景色を取り込んでいます。階段を挟んで東側に主寝室、西側に子ども室を配置し、廊下の突き当たりにはご主人の書斎を設置。無駄のないスマートなレイアウトです。

作り手と住み手の美意識が生み出した「心地よさ」

有言実行で開花させた二つの夢と未来

「35歳までには家を建てる。コモドハウスで家を造る」─ーご夫妻がお付き合いを始めた当初から、ことあるごとにそう口にしていたというご主人。「コモドハウスのテレビCMにピンと来たので」と理由を明かすご本人の隣で「有限実行の人なんです」と奥さまが笑顔を添えます。
 いよいよ夢の実現へと動き出した頃に、ネイリストとして所属していた会社を辞めた奥さま。
「それならば新居と同時に妻の夢でもあったサロンを開こうと、店舗併用住宅として設計を依頼しました」
 ご主人は不動産会社に勤める土地と住まいのプロ。立地は店舗を持つにも最適な場所です。

 ご夫妻が家づくりに求めたキーワードは「光と風」「屋外への開き」「家事と生活動線の快適性」。全てがイメージしていた以上にかなえられたと満足げに話し、奥さま1番のお気に入りは「キッチンに立った時に見える高窓に映る空。絵に描いたようにきれいで気持ちいいです」とにっこり。「その窓から灯りがこぼれる夜の外観もいいですよ」とご主人が付け加えてくれました。  

 理想の住まいの完成度を上げた内装やインテリアは、ご夫妻の高い審美眼、とりわけ奥さまの美意識が大きく反映されています。素材の質感、色使い、吟味されたアイテム。一つひとつが際立ちながらも完全に調和して優美。「100%自分好みで仕上げた」というネイルサロンもまた、細部にまでこだわった美しい心地よさで満たされていました。

写真ギャラリー

作り手と住み手の美意識が生み出した「心地よさ」

「店舗」として街のランドマークにもなる外観デザインを追求
「住まい」は光と風とライフスタイルを満たすステージへ

プランナー 城間朝丈さん

 施主のYさまが得た土地は東西に長い横長形状。道路に面した西に店舗の顔を配置し、間口は店舗・住居ともに東に設置。プライバシー性にも配慮した造りになっています。

 近隣では人気チェーン店の進出が目立ち、将来的な振興が期待されるエリア。そのため、新たな地域景観をつくるモデルとなるような建物を目指し、流行に左右されない普遍性を備えたシンプルモダンなデザイン、店舗として目につく存在感、ネイルサロンという性質にふさわしい美観を追求しました。
 正面から見ると白の縦長の箱に、コンクリート打ちっ放しの大きな箱が浮いて付随しているよう見える、直線的かつ立体的な造形。打ち放しの部分は店舗のある2階と住居の3階部で、自邸としても意匠性の高い仕上げになっています。また店舗にはショーウインドーを思わせる大きなガラス窓を設置。洗練された演出装置としても効果を発揮しています。

 住居のプランニングにおいては、ご夫妻から要望があった吹き抜け空間を、私たちの設計思想でもある「光と風の恩恵を最大限に活かす」こととどう調和させるかが一つの課題でした。
 採用したプランは可能な限り大きな高窓を設置した、天井高約5mの南面吹き抜け。さらに4階には高窓と差し向かう位置にバルコニーを設けて光を引き込み、頭上から豊かな陽光が降り注ぐ気持ちよさと、一つ上行く開放感を実現しました。また外階段をオープンな造りにすることで東からの採光・通風も実現。LDKに沿って伸びるサンルーム仕立てのテラスからも光と風を招きます。

 当初、ご夫妻は屋上テラスを作ってBBQなどを楽しみたいという希望をお持ちでしたが、動線の利便性や空間の有効活用という点から、テラスを広く確保してトップライトを設け、日頃から半屋外空間のアウトドアリビングとしても活用できるよう提案しました。

 西側に配置した水回り・プライベートエリアの間取りは、奥さまからの要望をもとに設計しています。ランドリームの多くは家事の専用スペースとして計画されますが、「使うだけでなく、過ごす快適性も重視したい」という斬新な考えにインスピレーションを受けて、身支度も洗濯作業もゆったりとなおかつスムーズに行える独立した1つの空間として成立させました。

 住まい全体の空間デザインについては、高い審美感をお持ちのご夫妻の要望や理想を最大限に生かせるよう努めました。外観から引き継ぐ「直線」を強調しつつ、多彩な素材使いと組み合わせで“雰囲気”というイメージを具現化。「調和美」が重要となるためディテールまでこだわり、一つ一つ丁寧に仕上げました。その総体として立ち上がる美しさには個性が宿り、Yさまらしい家という作品に仕上がったと思います。あわせて、施工まで担う当社だからこそ細部にも満足していただける意匠と品質を実現できたと自負しています。


設計・施工会社

株式会社 コモドハウス

TEL:098-898-0293https://comodohouse.jp

TEL:098-898-0293https://comodohouse.jp

宜野湾市伊佐2-12-10

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