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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

築40年の店舗兼住宅を大改装。既存の空間ボリュームを生かし、時代の新しい風を吹きんだ家

築40年の店舗兼住宅を大改装。既存の空間ボリュームを生かし、時代の新しい風を吹きんだ家

DATA
設  計: 株式会社ナカマ創建
     (担当/林沙希)
敷地面積: 280.10㎡(約84.87坪)
延床面積: 157.71㎡(約47.74坪)
用途地域: 第一種住居専用地域
構  造: 鉄筋コンクリート造
完成時期: 2023年
施  工: 株式会社TEACH PLUS
      (担当/鈴木良暢)
内  装: ラルゴ(担当/鈴木)
電  気: エム・プランニング
     (担当/真壁)
水  道: 総合メンテナンス3K
     (担当/新里)
内部塗装: ワークワークス
     (担当/山田)

心地いい、リノベ計画16 COMFORTABLE RENOVATION
浦添市 Kさんのプラン

マイホーム選びの数ある条件の中から「住みたい町に住む」ことを最優先し、中古住宅を購入してリノベーション。築40年・RC造2階建ての店舗兼住宅を改装し、夫婦と子ども3人が暮らす現代的な住まいへとアップデートしました。

週刊かふう2025年3月7日号に掲載された内容です。

築40年の店舗兼住宅を大改装。既存の空間ボリュームを生かし、時代の新しい風を吹きんだ家

細かな仕切り壁を取り払い、光と風が巡るフロア構成に

 今年でリノベ生活3年目を迎えるKさんの家は、静かで落ち着いた環境の住宅街にあります。生活・交通の利便性が高くて学校も近く、「暮らすには絶好のエリアだと思って選んだ物件。マイホームの計画当初から、新築一戸建てやマンションに加えてリノベーションも有力な選択肢の一つと考えていたので、今の家と出会ってからの決断は速かったですね」とご夫妻は振り返ります。

 依頼先は「リノベを頼むならここ」とあらかじめ決めていました。完成見学会などで過去の実績を見て、「仕事が丁寧だし、デザインのセンスもいい」と共感。また相談窓口が一本化されており、設計・施工の打ち合わせからさまざまな書面手続きまでワンストップで対応してもらえる点も大きなポイントでした。

 購入した物件は、築40年のRC造2階建て。庭を囲むようにして建つL字形の建物で、1、2階を合わせた床面積は約48坪の広さがあります。居室以外のスペースも充実しており、2階の約半分はベランダが占め、1階にはかつて店舗として使用されていた10帖のスペースが併設。躯体状態も「築年数の割にかなり良好」との調査結果が得られたため、構造躯体はそのまま生かし、自分たちのライフスタイルに合わせて内部空間を一新することにしました。

 具体的には、以前は1階がLDK、2階が主寝室と子ども室だった間取りをフロアごと逆転させ、プライベートな個室を1階に、家族で過ごす集いの場を2階にそれぞれ配置。居室間の細かな仕切りは極力取り払って視線の抜け感を創出し、光と風が家全体を滞りなく巡る開放的な住まいへとつくり変えました。

築40年の店舗兼住宅を大改装。既存の空間ボリュームを生かし、時代の新しい風を吹きんだ家

既存部分も上手に活用し、自分たち好みの空間を創出

 2階LDKは間仕切りなく直線上に連続したワンルーム的な空間です。今と比べてワンサイズ大きな既存の窓はそのまま生かし、「収納は必要に応じて用意すればいいからつくり過ぎないように」と建物本来のボリューム感をフル活用。さらに天井は張り直さずに躯体の梁を現しにして仕上げ、ダイニングの壁はガラス張りにして階段ホールとのつながりを生かすなど、縦横に意識が広がるようにプランニングしてもらいました。
 またリビングの隣には造作の小上がりがあり、「すべてフローリングにするより、ちょっと腰掛けたりゴロゴロできたりする場所があったほうがくつろげますからね」とご主人。戸を閉めれば独立した畳間となり、ゲストルームとしても使えます。

 キッチンはL字形の躯体のコーナー部分に置き、使い勝手などを考慮して壁付けに。「過剰な設備は不要。今までの経験上、標準的な機能と最低限の調理スペースがあれば十分便利に使いこなせる」という奥さまの意向を受け、隣り合うダイニングやリビングの広さを優先してコンパクトにまとめました。その中でもシンク前の壁に採光用の内窓を設けたり、躯体が不規則に変形したデッドスペースをパントリーにしたり、自分好みにアレンジしました。

 1階の子ども室や主寝室、書斎をはじめ、居室はすべて新たにつくり直した一方で、サニタリーだけはリノベ前と同じ1階のコーナー部分にあります。ただし家族5人で使うにはやや手狭だったため、以前の2倍近いスペースに拡張。屋外には物干し場を増設しました。
「もともと窓が大きくて多い家だったので、リノベによってそのポテンシャルを生かし切った感じですね。どこにいても明るくて心地いい、幸せな毎日を過ごせています」とご夫妻。Kさんによってもたらされた新たな時代の息吹が、周囲の町並みまでこぼれています。

写真ギャラリー

築40年の店舗兼住宅を大改装。既存の空間ボリュームを生かし、時代の新しい風を吹きんだ家

残すものと創るもの。両者を自在にアレンジできることがリノベの醍醐味

求められるのは即興力。現場の状態を正確に見極めて臨機応変に対応する
デッドスペースをパントリーや収納に。既存躯体の不規則な形状を無駄なく活用

コーディネーター:鈴木良暢さん

 ボリュームの大きな建物で、築年数の割に躯体状態は良好。居室に限らずどの場所にも大きな窓が多数設置されていることが印象的で、今のライフスタイルに合わせて空間を上手につなげていけば、光と風が巡る心地いい家ができるだろうことは容易に想像できました。

 手法としては、内装を一度解体して構造躯体だけの状態にしてから、居室や設備などを新たに整えていくフルリノベーションをベースにしています。間仕切りはすべて取り払い、1、2階の間取りを一からプランニング。デッドスペースが生まれないように、既存の躯体形状に合わせて居室の位置やサイズ、使い方などを調整しました。意匠面もKさんの好みに応じて自在にコーディネートしており、2階天井はスケルトン状態にした上で梁の存在感を生かしながらクロスで仕上げ、床は全面的に張り替えています。

 一方では、解体せずに再利用した部分もあります。例えば上下階を結ぶ階段は、状態が良く新居の雰囲気にもマッチしていたため、表面を研磨して再塗装するだけにとどめました。また2階洗面台回りの収納も、洗面台本体を入れ替えるだけで、周囲の扉や棚は再塗装して残しました。
 このように、リノベーションであれば、残す部分を上手に選んだ新しい住まいづくりが可能です。改修しなければその分のコストを抑えられ、実家などのリノベーションの場合には、思い出の詰まった場所をそのまま新居に引き継ぐことができます。

 今回の工事はほぼ計画通りに進行しましたが、リノベーションでは、解体して初めて分かるような想定外の発見も多く、現場状況を正確に見極めて、即興的に対処できる提案力・技術力が求められます。その点、私たちTeach Plusでは、さまざまなタイプのリノベーションや狭小住宅で豊富な実績があり、どんな環境でも心地良い空間をつくるためのノウハウを培ってきました。またリノベーションに限らず、建築・不動産に関わるあらゆるサービスにワンストップで対応できる体制を整えており、土地・建物の活用から一戸建て住宅の設計・販売、資金計画の相談まで幅広く手がけている点も強みにしています。

設計・施工会社

株式会社TEACH PLUS(ティーチ プラス)

TEL:098-882-1001http://www.teach-plus.co.jp

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那覇市松島1丁目15番5号 メゾンシュエット101

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