敷地の傾斜に沿って居室が広がり視界が抜ける 森と海を望む「華」のある家

- DATA
- 設 計: 株式会社 スリールデザイン
(担当/野里雅樹、野里美幸) - 敷地面積: 450.00㎡(約131.26坪)
- 建築面積: 170.11㎡(約51.45坪)
- 延床面積: 221.82㎡(約67.10坪)
- 用途地域: 未指定地域
- 構 造: 壁式鉄筋コンクリート造
- 完成時期: 2025年6月
- 建 築: 株式会社 エムズ
(担当/宮城) - 植 栽: プランタドール
(担当/新城)
週刊かふう2026年2月27日号に掲載された内容です。

自分のためだけではなく誰もがうらやむ家を建てる
今回の舞台は瀬底島。同じ本島北部在住で、以前に土地だけ購入していたオーナーのAさんは、「私自身のセカンドハウスというより、買いたい人がいれば譲ってもいいし、宿泊施設として運用してもいい。そんな具合に、誰もが住みたい、買いたい、泊まりたいと思うような家をつくれないだろうか」と考え、自宅の設計を依頼した建築士事務所に相談を持ちかけました。
「要望はただ一つ、”華”のある家にしてほしいということだけでした。プランもデザインもすべて一任し、果たしてどんな仕上がりになるのかワクワクしながら見守っていました」。
新居は昨年11月に完成。駐車場から階段を上がった2階にLDKがあり、庭を囲むようにしてベッドルームやバスルームなどのプライベートエリアが広がるL字形のRC造です。
LDKは東西両サイドに大きく開口が取られ、敷地周辺の豊かな緑と瀬底大橋を同時に展望できます。中でもキッチン・ダイニングに併設した西側テラスは、Aさんにとって1番のお気に入りの場所。頭上を覆う深い庇が濃い陰を落として心地よい風を招き、「町中にある自宅では味わえない落ち着きがある。ガーデンチェアに腰掛けてぼんやりと景色を眺め、癒やしの時間を堪能しています」。

万全の住宅機能を備えた宿泊施設として運用開始
石目調と木の雰囲気を組み合わせ、高級感に満ちた内外装のデザインはリゾートヴィラそのもの。抜け感抜群のオープンな空間構成とマッチして、非日常的な気分を高めてくれます。Aさんにとっても「私個人ではなかなか選ばない素材使い」であり、訪れるたびに新鮮な感動を届けてくれます。
将来は売却も一つの選択肢に入れていたため、日常使いしやすい動線や機能性もしっかり備わっています。例えばLDKとプライベートエリアは、敷地高低差を利用して1メートル程度の階段を挟むことで、空間の連続性を保ちながら自然とゾーニングされています。またすべての居室とサニタリーには掃き出し窓を介してテラスが併設し、庇を延ばして効果的に日射を遮りつつ、家中を光と風が抜けていくように設計されています。
「洗面やバスルームも広々して使いやすく、手入れがしやすい。生活拠点として考えた場合も申し分ない仕上がりです」。
設計の打ち合わせ中から今後の用途について繰り返し検討した結果、昨年末から宿泊施設としての運用がスタートしました。「暮らすように泊まる」体験ができるのはもちろんのこと、宿泊を通じてこの場所でのリアルな暮らしをイメージしたり、家づくりのヒントにしたりするゲストも出てくるでしょう。大いなる可能性に満ちた建築です。
写真ギャラリー

敷地高低差を生かし、眺望を取り込む
建築士の野里 雅樹さん(右)と野里 美幸さん
打ち合わせ当初はまだ用途が明確ではなく、まずは必要十分な住宅機能を備えたプランを作成。その後で宿泊施設としての方向性が定まったため、リゾート色があって多くのゲストの利用にも耐えられるような仕様にマイナーチェンジしました。
敷地は東側道路に面して奥行きと高低差があり、周囲には樹木が林立。まずは視線のレベルを上げて開放感を高めるために、1階は玄関と駐車場にして2階にLDKを配置しました。東面はすべて掃き出し窓にして眺望を生かし、瀬底大橋をはじめ海側の風景を日常に取り込んでいます。
一方で西側の大開口には深い庇に覆われたテラスが隣接し、ファサード面からは想像も付かない広大なフォレストビューが広がっています。敷地の傾斜に沿って造園した庭がプライベート感を高め、海側とは異なる静かなひとときを堪能できます。
ベッドルームとサニタリーはリビング脇の階段を下りた位置にあり、庭に面して並んでいます。LDKとはL字でつながっているため、庭を挟んでそれぞれの気配が感じられます。敷地を無理に造成しないことでオンとオフの空間が自然とゾーニングされ、どんな用途でも使いやすい動線に仕上がっています。
設計・施工会社
一級建築士事務所 スリールデザイン
TEL:098-975-8924 | https://www.souriredesign.net/










