将来性を先物買い 2階建ての店舗兼住宅
- DATA
- 所在地:沖縄市
- 家族構成:夫婦
- 設計:建築スタジアム夢現
- 敷地面積:185.67㎡(約56.2坪)
- 建築面積:95.52㎡(約28.9坪)
- 延床面積:1F 64.80㎡(約19.6坪)2F 81.67㎡(約24.7坪)
- 用途地域:第2種住居専用地域
- 構造:RC造2階建て
- 種類:店舗兼住宅
- 入居:2019年11月
- 建築・企画:株式会社TeachPlus
- 電気:株式会社大和工業
- 水道:株式会社大和工業
- キッチン:TOTO
持ち家志向ゼロだったNさんのご主人が、結婚とほぼ同時期に、店舗併用の建売住宅を購入。それは結婚を機に人生観に大きな変化があったわけでもなければ、奥さまの強い意向を受けたわけでもありません。
「建物の価値」を純粋に評価したゆえの結論でした。
※週刊かふう2020年8月7日号に掲載された内容です。
立地重視で購入を決断。2階住居は床面積25坪
「心変わり」は一瞬でした。
1階を店舗、2階を住宅に充てた企画物件が、ご主人の実家近くのエリアで売り出されることを知り、購入を即断。もともとご主人は「無理して我慢を強いられるくらいなら」とマイホームの購入には消極的でしたが、店舗からの家賃収入で住宅ローンを賄える公算が大きいため、「無理も我慢も無用」と判断しました。
「一番の決め手は立地です。人や車の流れを昔からよく知る場所だったこともあり、多くのテナント需要があることは容易に想像できたので」とご主人。南側道路を挟んだ目の前には、食品スーパーなど生活利便施設が集積し、新居を含めた北側周辺には、学校を中心に一戸建ての家やアパートが整然と並んだ文教地区が控えています。「結婚のタイミングと重なったのはたまたま」とはいえ、購入決断の後押しになったのは間違いないでしょう。
一方で奥さまにとっては、付き合っている最中に家づくりの話など一度もしたことはなく、「え、買うの?」と寝耳に水の状態。結婚と住宅の購入という人生の二大イベントが、バタバタと一気に動き出しました。
Nさん宅は長方形をした敷地形状に沿って南北に細長く、2階住宅部分の床面積は約25坪。LDKを中心としたメインスペースと、個室や水回りから成るプライベート空間が半々の割合で配置されています。限られた面積でもできるだけ開放感が得られるようにとの工夫が散見され、例えばリビングには、バッファ的な役割を担うインナーデッキが併設。南北両サイドに位置するキッチンと寝室の間は、リビングと廊下を介してまっすぐに見通せます。
間取りを一部仕様変更。「経営面」も順調な滑り出し
Nさんが本物件の存在を知ったのは、建築前の企画段階。したがってあらかじめ定められた建て売りの間取りをベースにしながらも、自分たちの好みを一部に反映させることができました。
最も大きな仕様変更は、「畳間がメインの生活を今までしてきたので」という奥さまの要望をくんで、二つある子ども室の一つを和室にしたこと。わずか3畳ほどのこぢんまりとしたスペースですが、仕切りは設けず廊下沿いに簡易ルーバーを立てるだけにして、リビングとの連続性を保ちました。
他にも細かなところでは、車通りが多い周辺環境を考慮して遮音性の高いサッシを採用したり、視線のスムーズな流れをサポートするために天井までの高さがあるハイドアを設置したり、あれこれカスタマイズ。またデザイン面では、白を基調にした空間にワンポイントでネイビーをちりばめて、上質で清潔感ある雰囲気に仕立てました。
新しい門出には申し分のない、快適な住環境。もともと4人家族を想定して企画・設計された住宅ですから、新婚の2人暮らしには十分過ぎるほど。リビング併設のインナーデッキはご主人の趣味室にしてしまうなど遊びの要素も満載で、友人知人が入れ替わり頻繁に訪れます。
1階店舗の入居者も完成前からすんなり決まり、すべての計画が順風満帆。「住居費が実質かからない状態で生活できている点は、やはり大きな安心感につながりますね」とご夫妻。空間的にも経済的にも、いずれ家族が増えても許容できるゆとりを備えていることが、目下の暮らしの豊かさを一層引き立てています。