家事楽動線で空間もスッキリ 20歳で始めた家づくり
- DATA
- 所在地:中城村
- 家族構成:夫婦、子ども1人
- 設計・建築:株式会社徳里産業
(営業担当/名波佑亮、設計担当/徳里幸枝) - 敷地面積:156.26㎡(47.26坪)
- 建築面積:74.77㎡(22.61坪)
- 延床面積:116.66㎡(35.28坪)
- 用途地域:未指定地域
- 構造:壁式鉄筋コンクリート造2階建て
- 完成時期:2019年9月
- 電気:ケイアイエム
- 水道:丸栄電気水道工業
- キッチン:Panasonic
「家を建てるなら早いに越したことはない」。ご主人の母親の強い勧めもあって、Hさんご夫妻がマイホームの計画に着手したのは20歳のとき。完成見学会で気に入った住宅をお手本に、間取り・内装を自由にプランニング。昨年生まれた長女を交えて親子3人、温かな家庭を育んでいます。
※週刊かふう2020年9月18日号に掲載された内容です。
見学会で気に入った住宅の外観スタイルを取り入れる
高校時代の夢は何でしたか。友だちや恋人と、どんな話をしましたか。
付き合い始めた16歳の頃から、自然と将来について語り合っていたというHさんご夫妻。持ち家での生活が半ば既定路線であるかのように、「こんな家に住みたいね」とマイホームの話題に興じることもしばしば。卒業後、就職・結婚と順当にステップを踏んでいく過程で、20歳を迎えた頃から早々に家づくりの計画が具体化していきました。
「家を建てるなら早いに越したことはない」と先導役を務めてくれたのはご主人の母親でした。2人を引き連れモデルハウスやショールームを巡り、情報を集めてはアドバイスをくれるなど、主役に負けず劣らず積極的。最終的に依頼を決めた建築会社との出会いも、「すてきな家を見つけた。絶対に気に入るはず」との事前リサーチの報告を受け、後日訪れた完成見学会がきっかけでした。
「創業30周年記念」と銘打たれたその見学会では、タイプの異なる建売住宅が5棟並んでいました。シンプルで洗練されたデザインと、暮らしやすさを考え抜いた間取り・動線を目の当たりにし、「すべてが理想的。そのままコピー&ペーストしてもいいくらい」と夫婦そろって一目ぼれ。正式に契約を済ませると、準備していた約47坪の土地に最もフィットした形状・ボリュームの住宅タイプを5棟の中から選択。外観スタイルは引き継ぎつつ、室内は自由にカスタマイズすることにしました。
完成後の間取りを見渡すと、1階はフロア全体を見渡せる広々としたLDKを中心に、多様な使い方が可能なフリールームをリビングと玄関脇に配置。家事効率を考え水回りはキッチン横にまとめて、2階は主寝室と二つの個室を並べたプライベートな空間に。限られたスペースを無駄なく使って収納も充実させ、居住性と機能性をバランスよく両立させました。
家具・家電の使用も子育ても、新居で一からスタート
高校時代から時間をかけてマイホームのイメージを育んできたお二人ですが、実はデザインの好みは正反対。LDKをはじめ、白を基調にした明るく爽やかな雰囲気は奥さまの好みを反映したもので、シックで落ち着いた印象の主寝室だけはご主人の要望。歩み寄って話し合い、アクセントで入れる建具やタイルなどの色はダークブラウン系で統一し、さらに天井高を意識した空間づくりを行い明るさと開放感を高めました。
「打ち合わせに費やした期間は1年半余り。間取りは完全オリジナルですが、水回りの位置関係は見学会の住宅とまったく同じです。キッチンを基点に洗面洗濯室・バスルーム・干し場の間を最短距離で動ける家事動線は、お気に入りポイントの一つだったので」と奥さま。あえて変更点を探せば、ご主人の意向によりバスルームを拡張したこと。またキッチン背面に置く家電のサイズに合わせてコンセントの位置を決めるなど、細部にこだわりを詰め込みました。
「高校卒業後は実家に同居していたため自前の家具・家電が一切なく、家づくりと並行して一から買いそろえていきました」とご夫妻。完成前には待望の新しい家族が増え、初めての育児も新居で一からのスタート。リビングと玄関直結のフリールームには置き畳を敷いて、臨時子ども室として対応中。「持ち家での子育ては、空間的にも精神的にも余裕ができていいですね」と感じるとともに、やはり同じ年頃の子どもを持つ親たちの集いの場になり、「家っていいね」という声が広まっているそうです。
最近では「マイホームを検討中の友人知人から、アドバイスを求められる機会が多くなってきました」と話すように、Hさんは同年代の家づくりアンバサダー的存在になっています。お二人が発する一つ一つの言葉が、「家っていいね」と確かな説得力を持って広がっています。